「私、ヘンかもしれない」
子供にそう言われ、早くも子育てに失敗したのかと肝を冷やした。
両親が早くに他界した我が家では、子育てを相談できる相手がおらず、わからないことだらけ。
かつて会社の上司に相談したこともあるが、当時独身だった上司からは「君の子供のことまで面倒見られない」とあしらわれた。聞く相手も場所も間違っていたようだ。
多分、子育て専門家からするとやってはいけないことばかりしているだろう。
そんな状況下での子育て、中間結果かもしれない。
ドキドキしながら話の続きを聞く
「私が好きだと思うものは、みんなからすると気持ち悪いみたい」
子供が好きだと言った作品は、戦時中の死を描いた絵画だった。心が震える名作ではあるが、たしかにいささかヘビーである。
しかしぼくは、嬉しかった。
「君は、『アンパンマンのマーチ』2番を歌ったことがあるか?
なにが君のしあわせ なにをしてよろこぶ
わからないまま おわるそんなのはいやだ!
自分が嬉しいと思うこと、楽しいと思うこと、心から喜べること、それを見つけるのは人生のテーマである。
何が好きかがわからず、周りに合わせてなんとなく好きなものに囲まれている人生は虚しい。周囲に反対されても自分が本当に好きなものを追求する方が段違いに素敵だ。
誰になんと言われようと、自分が好きなものも曲げる必要はない。お父さんはよっぽどのことがない限り応援する」
悩める子供を前に、父親らしいことを言ったつもりだ。
しかし一方で
父親の好きなことが「はてなブログ」というのもいかがなものかと思ったりもした。
大過なくすぎれば数年後、子供はこのブログを読むだろう。そして父親が日夜バカなことをしていたのを知るはずだ。
読んでいるか君、お父さんは毎日こんなバカなことをしていたんだぞ。君も、もっとバカなことをやりたまえ。
※
家族のことをブログに書くなと言われているので、ひょっとしたら消すかもしれない