ヤジの大西議員が謝罪 「やはりズレている」とあきれるがん患者

「喫煙可能な店で無理して働かなくていいという意味だった」と釈明したが・・・


それによると、大西議員は、

今回の発言は、飲食店における従業員の方の受動喫煙の議論をする中で、「(喫煙可能の店で無理して)働かなくていいのではないか」との趣旨で発言をいたしました。その発言が、がん患者が働かなくてもいいという趣旨でないことは、その後すぐに「そういうことは言ってないでしょ」と申し上げたことからもご理解いただけるものと思います。

と釈明。その上で、

しかし、がん患者や元患者の方の就労状況の厳しさを考えれば、私の発言の趣旨でもがん患者や元患者のお気持ちを深く傷つけたものとお詫び申し上げます。

と謝罪し、がん患者の就労支援を推進していく中で、表示さえしていれば店内喫煙も可能とする自民党案をベースに、ハローワークなどの募集時には「喫煙可・禁煙」などを明示することなどの検討が重要、との考えを述べている。

「やはりズレている」 患者は批判

しかし、そもそもヤジを受けた三原じゅん子議員は、がん患者が働く場所を選べず、煙を我慢しながら働く弱者であることに配慮した政策を作ることを訴えていた。がん患者らからは「考えがやはりズレている」「問題の本質がわかっていない」と批判の声が上がっている。

18日に抗議の見解を出した「全国がん患者団体連合会(全がん連)」理事で、がん患者の就労支援に取り組んできた桜井なおみさんが、BuzzFeed Newsの取材に答えた。

大西議員の釈明について「受動喫煙の問題に社会全体で取り組むことが必要なのに、がん患者は禁煙の店で働けばいいというような考え方では、患者が社会から分離されてしまうだけではないか」と懸念を抱く。

「そもそも受動喫煙が及ぼす健康被害を防ごうというのが今回の改正の目的です。一部の人だけでなく、誰もが健康的に安心して働けるような社会を推進することが大切だと思います」

病気の人の多様な働き方狭めるな

また、がん患者の就労に関しては、治療の副作用や後遺症、通院の都合などで、既に働いている人も、再就職を考える人も、働き続けることが難しい社会となっている現実を指摘。

「がんに限らず、妊婦や呼吸器系の病気を抱えている人もそうですが、病気の人だけが特定の場で働くようにするという解決策は、病気の人が職業選択の自由から排除されるということです。喫煙可能な職場でがんになる前から働いている患者は、受動喫煙に不安があれば辞めざるを得ないことになりますが、それは正しいことなのでしょうか?」

「働く場所を選別され、病気の人の多様な働き方を狭めようとする政策は、いびつな社会を作ることにもなりかねません。受動喫煙に関わる規制を着実に実行していくことが、がん患者に限らず誰もが生きやすい社会につながるはずです」

桜井さんはそう話し、屋内を原則禁煙とする厚労省案の成立を訴える。

22日は全がん連とNPO法人ささえあい医療人権センターCOMLが厚労省記者クラブで会見。がん患者に対する就労支援の推進と、建物内禁煙を原則とした実効性のある法的措置を改めて要望した。

Naoko Iwanagaに連絡する メールアドレス:naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here.