福岡 金塊盗難事件 数人を盗みなどの疑いで逮捕

福岡 金塊盗難事件 数人を盗みなどの疑いで逮捕
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去年7月、福岡市の博多駅前で、アタッシェケースに入れた金塊が警察官を装う男らに盗まれた事件で、警察は愛知県の男など合わせて10人前後が事件に関わった疑いがあるとして、このうち数人について盗みなどの疑いで逮捕しました。
去年7月、福岡市の博多駅前にあるビルの入り口付近で、貴金属取引会社の男性らが、金塊をアタッシェケースに入れて運んでいたところ、警察官を装う男らにアタッシェケースごと盗まれました。

これまでの調べによりますと、男らは警察官のような上着を着て、「密輸品だろう」などと声を掛けていたほか、金塊の一部が事件後に売却され、換金されていたということです。

警察によりますと、金塊は当初6億円分と見られていましたが、その後の調べで、およそ7億5000万円分だったことがわかったということです。

そして、防犯カメラの映像の解析や貴金属店などへの捜査の結果、愛知県の男など合わせて10人前後が事件に関わった疑いのあることがわかり、警察はこのうち数人について、金塊を盗んだ疑いなど22日、逮捕したということです。

ほかの男らについても盗みや盗まれたものと知りながら、売却をあっせんした疑いで逮捕する方針です。

捜査の経緯

これまでの捜査で、現場の博多駅周辺の複数の防犯カメラに、犯行グループと見られる、少なくとも男6人が写っていたことがわかり、警察は映像を解析して特定を進めました。

警察によりますと、男らは事件のあと、レンタカーを使って山口県に移動したと見られ、山口県内の関係先から犯行の際に男らが着ていた、英語でポリスと書かれた上着が見つかり、押収されました。

上着の付着物をDNA鑑定した結果、犯行グループの一部の男らが特定されたということです。
さらに、レンタカーが広島県内で返却されていたこともわかりました。

一方、盗まれた金塊は貴金属店で、およそ4億円分が2回に分けて換金され、その際、東京都内の貴金属店の名義が使われていたということです。

警察はこの店の経営者が盗まれたものと知りながら、犯行グループに名義を貸した疑いがあると見て、関係先を捜索するなど捜査を進めてきました。

被害の金塊は投資目的で購入

盗まれた金塊は、宮城県の貴金属取引会社などが投資目的で出資者を募り、事件の前日までに山口県内などで購入したものだったということです。

この会社の関係者によりますと、金塊を福岡市内で転売するため、スタッフ3人と警備役2人のいずれも男性5人でアタッシェケースに入れて運搬していたということです。

金塊を積んだ車を金の買い取り会社があるビルの前に止め、アタッシェケースを1階のエレベーターホールに運び込んだところ、突然、警察官を装う男らから声を掛けられました。

男らは英語で「POLICE」と書かれたジャンパーを着て、「運搬中の金塊は密輸品の疑いがあるので警察署で調べる」などと話し、アタッシェケースを車に積み込んでそのまま走り去ったということです。

この時エレベーターホールでは、ほかの会社の社員も行き来するなど特に異変を感じさせなかったということです。

その後、男性らはだまされたことに気付き、警察署を訪れて被害を届け出たということです。

出資を募った会社の男性はNHKの取材に対し、「自分たちが買った金塊は密輸品ではなく正規のものだ。福岡では金塊を扱う業者が多く、狙われたのかもしれない」と話していました。

金の取り引きの動向は

福岡市内で貴金属を扱う会社の井上健一会長は、金の取り引きの動向について、「価格は1グラム5000円で、10年、20年前と比較すると数倍になっている。価格が一定以上高くなった時のほうが取り引きが増え、消費者が動く傾向がある」と話しています。

そのうえで、福岡で多額の金塊の取り引きが行われている背景として、「アジアの玄関口で、外国人を含む出入りが多いことや、資金を調達する大手銀行の支店が多くあること、それに陸海空の交通ルートが整備されていることなどがあるのではないか」と指摘しています。

福岡 金塊盗難事件 数人を盗みなどの疑いで逮捕

去年7月、福岡市の博多駅前で、アタッシェケースに入れた金塊が警察官を装う男らに盗まれた事件で、警察は愛知県の男など合わせて10人前後が事件に関わった疑いがあるとして、このうち数人について盗みなどの疑いで逮捕しました。

去年7月、福岡市の博多駅前にあるビルの入り口付近で、貴金属取引会社の男性らが、金塊をアタッシェケースに入れて運んでいたところ、警察官を装う男らにアタッシェケースごと盗まれました。

これまでの調べによりますと、男らは警察官のような上着を着て、「密輸品だろう」などと声を掛けていたほか、金塊の一部が事件後に売却され、換金されていたということです。

警察によりますと、金塊は当初6億円分と見られていましたが、その後の調べで、およそ7億5000万円分だったことがわかったということです。

そして、防犯カメラの映像の解析や貴金属店などへの捜査の結果、愛知県の男など合わせて10人前後が事件に関わった疑いのあることがわかり、警察はこのうち数人について、金塊を盗んだ疑いなど22日、逮捕したということです。

ほかの男らについても盗みや盗まれたものと知りながら、売却をあっせんした疑いで逮捕する方針です。

捜査の経緯

これまでの捜査で、現場の博多駅周辺の複数の防犯カメラに、犯行グループと見られる、少なくとも男6人が写っていたことがわかり、警察は映像を解析して特定を進めました。

警察によりますと、男らは事件のあと、レンタカーを使って山口県に移動したと見られ、山口県内の関係先から犯行の際に男らが着ていた、英語でポリスと書かれた上着が見つかり、押収されました。

上着の付着物をDNA鑑定した結果、犯行グループの一部の男らが特定されたということです。
さらに、レンタカーが広島県内で返却されていたこともわかりました。

一方、盗まれた金塊は貴金属店で、およそ4億円分が2回に分けて換金され、その際、東京都内の貴金属店の名義が使われていたということです。

警察はこの店の経営者が盗まれたものと知りながら、犯行グループに名義を貸した疑いがあると見て、関係先を捜索するなど捜査を進めてきました。

被害の金塊は投資目的で購入

盗まれた金塊は、宮城県の貴金属取引会社などが投資目的で出資者を募り、事件の前日までに山口県内などで購入したものだったということです。

この会社の関係者によりますと、金塊を福岡市内で転売するため、スタッフ3人と警備役2人のいずれも男性5人でアタッシェケースに入れて運搬していたということです。

金塊を積んだ車を金の買い取り会社があるビルの前に止め、アタッシェケースを1階のエレベーターホールに運び込んだところ、突然、警察官を装う男らから声を掛けられました。

男らは英語で「POLICE」と書かれたジャンパーを着て、「運搬中の金塊は密輸品の疑いがあるので警察署で調べる」などと話し、アタッシェケースを車に積み込んでそのまま走り去ったということです。

この時エレベーターホールでは、ほかの会社の社員も行き来するなど特に異変を感じさせなかったということです。

その後、男性らはだまされたことに気付き、警察署を訪れて被害を届け出たということです。

出資を募った会社の男性はNHKの取材に対し、「自分たちが買った金塊は密輸品ではなく正規のものだ。福岡では金塊を扱う業者が多く、狙われたのかもしれない」と話していました。

金の取り引きの動向は

福岡市内で貴金属を扱う会社の井上健一会長は、金の取り引きの動向について、「価格は1グラム5000円で、10年、20年前と比較すると数倍になっている。価格が一定以上高くなった時のほうが取り引きが増え、消費者が動く傾向がある」と話しています。

そのうえで、福岡で多額の金塊の取り引きが行われている背景として、「アジアの玄関口で、外国人を含む出入りが多いことや、資金を調達する大手銀行の支店が多くあること、それに陸海空の交通ルートが整備されていることなどがあるのではないか」と指摘しています。