高齢者世帯の約3割 18年後には生活保護水準下回るおそれ

高齢者世帯の約3割 18年後には生活保護水準下回るおそれ
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18年後の2035年には、高齢者世帯のおよそ3割が収入や貯蓄が不足して生活保護の水準を下回るおそれがあるという推計を民間の研究機関がまとめました。
この推計は、日本総合研究所が国の人口推計や消費に関する実態調査などのデータを基にまとめました。

それによりますと、18年後の2035年には、収入が生活保護の水準を下回り、貯蓄が不足して平均寿命まで生活水準を維持できない「生活困窮世帯」が、394万世帯余りに上るとしています。

また、平均寿命を超えたり、病気で入院したりした場合に、生活保護の水準を維持できなくなるおそれがある、いわゆる予備軍は167万世帯余りに上り、これらを合わせるとおよそ562万世帯となり、高齢者世帯の27.8%を占めるとしています。

生活困窮世帯すべてに生活保護を支給した場合の給付額は、2015年度のおよそ1兆8000億円から、4.9倍に当たる8兆7000億円に増加するということです。

日本総合研究所調査部の星貴子副主任研究員は「バブルの崩壊やリーマンショックなどで老後の蓄えができなかった人が少なくないと見られる。国は、社会保障だけではなく、定年の延長や就労支援など、高齢者の収入確保に取り組む必要がある」と指摘しています。