2017-05-22
■なぜ英語ができる(と思い込んでる)日本人はウザいのか 
先日の記事について、海外留学の経験がある某氏から「なんだこの英語は。こんな英語使うならgoogle翻訳の方がマシ。やるならプロを雇え」みたいなことを言われた。
彼が指摘したポイントは「study his history」というところで、これは英語の慣用句で「お前が当然知っておくべき○○」を「study your ○○」と表現するのだが、彼はそれを知らなかったらしい。
ちなみに先日の英文は全てアメリカ人映画監督が訳していて、彼は先月、ニューヨークで監督賞、脚本賞を含む8冠を達成したばかり。いわば英語の達人である。
僕だったら、たとえこの慣用句を知っていたとしても、怖くて「study his history」とか書けない。
大方、「清水が英文を書いたと言うからどれ、添削してやるか」と上から目線で見に来たら、初歩的なミス(に見える構文)を見つけて鬼の首を取ったような気分になったのだろう。ショボい。
まず第一に、オレがそんなミスを犯すわけ無いだろ。バカにするのもいい加減にしろ。おまえよりずっと日常的に英語に触れとるわ
ちなみに彼が学生時代に翻訳したWindows95のTCP/IP関連のマニュアルがクソわかりづらいと、彼をよく知る美女がいつも愚痴っていたことは付け加えておく。
彼に限らず、ちょっと留学した程度で自分を英語のオーソリティだと勘違いしてる人は少なくない。東京にはそういうタイプの人が山ほどいる。彼ら彼女らは、自分がごく常識的な慣用句も知らないくせにギャーギャー騒ぐ。カネを払って学生の身分でちょっとばかしアメリカの大学のお客さんになった人が、同じ21歳でアメリカの会社で上級エンジニアとして月に何百万か稼いでいた僕より英語ができると考えるのは、ちょっと思い上がり過ぎじゃないだろうか。
なんなら今でも僕は海外で講演しているし、2011年3月11日にはインチキ井口とともに英語でプレゼンして寄付金を集めたこともある。今年も8月には真冬のメルボルンで開かれる国際学会で講演しなければならない。
単に海外留学経験がある人が帰国子女ぶるのもよくわからない。高校生までアメリカに居た人は帰国子女かもしれないが、その人が使える英語は女子高生英語だ。女子高生レベルの日本語しか使えない日本人に日本語の誤りを指摘されたら、「バーカバーカ」ってなるでしょ。ちょっと留学しただけってのは女子大生レベル。時間が止まってるのよ。
僕は彼らほど自分で自分を賢いと思ってないので、自分の英語力が極めてテキトーであやふやなものか自覚している。従って、正式な英文は全てネイティブの人に委ねることにしている。
デーブ・スペクターがいくら日本語がうまくても、デーブ・スペクターにオレの日本語を添削されたら「おまえなんなんだ」って思うでしょ。こちとらプロの物書きだぞ、と。
とにかく日本はちょっと英語をかじったくらいでチョーシにのってる人が多すぎる。完全に人工言語であるプログラミング言語と違い、自然言語を使いこなすのは至難の業だ。AIが人間になれないのと、日本人がネイティブ英語を喋れないのは似ている。
母語は、後天的に獲得するのが極めて難しいのだ。その人の思考の根本だからだ。
僕は英語を勉強することは人生の時間の無駄だと思っている。まあ完全に無駄ではないが、古文漢文と同程度の重要度だと思っている。
なんでかっていうと、僕は日常的に英語で英語が母語ではない人と会話するが、そうすると、その人が英語を使いこなしてないことがわかるからだ。めちゃくちゃ流暢に喋っていたとしても、その人は英語で思考したりはしていない。母語で考えたことを英語に治すときにかならずニュアンスが削ぎ落とされる。その削ぎ落とされたニュアンスこそが重要な部分なのに。
すると単純な思考と単純な会話しかできなくなる。重要なのは、英語で表現することではなく、意思疎通することだ。こんな当たり前のことを、英語偏重の人は理解できてない。たぶん母語でもどうせろくなことを考えていないのだろう。
いつも言っていることだが、ソニーもトヨタも任天堂も、一度も英語を公用語化することなく世界企業になった。英語が大事だと思う人たちはその意味をもっと真剣に考えたほうがいいと思う。
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