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2017年5月20日放送 21:00 - 21:50 NHK総合

NHKスペシャル
緊迫 北朝鮮 危機の深層

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(オープニング)
オープニング

北朝鮮の金正恩氏はかつてないスピードで核開発やミサイル実験を繰り返しており、今週もまた新型の弾道ミサイルを発射し、初めて高度2000キロに達した。核やミサイルについて、世界各国の研究者や軍関係者に取材し、最終目標と定める核ミサイルの姿が見えてきた。

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キム・ジョンウントランプ政権
緊迫 北朝鮮 危機の深層
“究極の兵器”ICBM 開発の実態

金正恩朝鮮労働党委員長は、就任後新たな兵器を次々と開発し、保有する弾道ミサイルは1000発に達したと言われている。核弾頭搭載のICBMの開発は北朝鮮の最終目標だとみられているが、その飛距離は10000キロに達し、開発に成功すれば、アメリカ本土を直接脅かす存在になる。今年、金正恩氏は新年の演説でICBMの開発が間近だと宣言し、世界の安全保障は新たな局面を迎えることとなった。

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キム・イルソンキム・ジョンウン大陸間弾道ミサイル平壌(北朝鮮)

ICBMは本当に開発間近なのか。かつて北朝鮮のミサイル開発に関わってきた技術者に取材した。技術者が言うにはICBMの開発に着手したのは金正日総書記の時代だという。北朝鮮がミサイル開発を本格化させたのは90年代で、まず開発に力を入れたのは中距離弾道ミサイル・ノドン。98年には初の長距離ミサイル・テポドン1号を発射し、米軍基地のある日本やグアムが射程に入ったとされる。そして2006年には初の核実験に成功したと発表し、核保有国であると主張した。そしてテポドン2号で射程をアラスカ近辺まで伸ばした。2012年に金正恩政権が誕生し、核実験とミサイル実験が急増し、弾道ミサイルの発射は40回を超えた。そして今週、新たな弾道ミサイル・火星12型を発射し、アメリカ本土に迫ろうとしている。

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キム・ジョンイルキム・ジョンウングアムソウル(韓国)テポドン1号テポドン2号ノドン火星12型

北朝鮮のミサイル技術に、世界の軍事評論家たちが警戒を強めている。ロシア国防省の元技術将校のウラジーミル・エフセーエフ氏は、去年4月北朝鮮で行われた実験に、これまでにない兆候が見られたと言う。エフセーエフ氏は北朝鮮は固体燃料を使ったミサイル開発に成功したと話す。固体燃料は液体燃料よりも効率よく燃焼するため、少ない量で高い出力が得られ、ミサイルを軽くできる一方、材料の組み合わせと補完方法などに高度な技術が必要とされる。また、わずか10分ほどで発射できる固体燃料によるミサイルは兆候を捉えることが困難であり、奇襲性が強化される。そしてエフセーエフ氏は北朝鮮が固体燃料を開発した狙いは、ICBM開発にあると言う。

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モスクワ(ロシア)大陸間弾道ミサイル

長年アメリカの軍事産業でミサイル開発の研究を続けてきたマイケル・エルマン氏は、去年9月、北朝鮮で行われたエンジンの燃焼実験に注目し、これをロシアで人工衛星の打ち上げにも使われていたエンジンをコピーしたものだと突き止め、改良次第ではICBMへの転用が可能だと話す。エルマン氏は北朝鮮のミサイルの飛行能力は早ければ4~5年でアメリカ本土に達すると警告する。しかし、北朝鮮のICBM開発には、ミサイルに搭載する核弾頭の小型化という大きな課題がある。この小型化について北朝鮮は、「すでに成功している」と喧伝しているが、その証拠は示されておらず、研究者の間では完成を疑う声が絶えない。専門家のアントン・フロプコーフ氏は、今の技術水準では疑わしいと指摘する。しかし、北朝鮮と太いパイプを持つ元外交官のゲオルギー・トロラヤ氏は破壊力を持ちながら小型化が実現する新たな核・ブースト型の核の技術を手にしているのではないかと指摘する。

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大陸間弾道ミサイル平壌(北朝鮮)広島長崎

それでも、まだICBMの完成には最大の課題がある。元在韓アメリカ軍の情報将校のロジャー・カバゾス氏は、アメリカまで核を飛ばすには、宇宙空間から大気圏に再突入する時の衝撃対策が欠かせないと指摘する。カバゾス氏は北朝鮮がICBMを完成させるのはまだ時間がかかると考えているが、北朝鮮は目標を達成するまで開発を続けるだろうと話した。長年北朝鮮の動向を注視してきたアメリカ元国防次官補のウォレス・グレグソン氏は「北朝鮮が核ミサイルの能力を持っているとは誰も考えていないが、取り組んでいる」と語り、現実になった場合に備え適切な対応をとっておく必要性を主張した。

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テキサス(アメリカ)大陸間弾道ミサイル
なぜ止められない 核・ミサイル開発

北朝鮮が核・ミサイルの開発を加速させたのは金正恩体制が発足してからで、アメリカではオバマ前大統領が政権の座についていた。北朝鮮との交渉に関わったのが元国務次官補のダニエル・ラッセル氏で、北朝鮮との交渉は難航を極めたと明かす。オバマ政権は2012年に核実験の凍結で合意したが、直後に金正恩氏が権力を継承し合意は破棄されるに至った。ラッセル氏によると金日成氏は妥協を決断する意思と力を有し、子息の金正日氏は交渉するフリをし、金正恩氏は交渉そのものを拒否したという。オバマ政権は核・ミサイル開発をやめようとしない限り、交渉しないという戦略的忍耐の方針を取ったが、北朝鮮は開発を急増させた。

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国連安全保障理事会では北朝鮮の資金源を断つべく、資源の輸出、銀行取引の制限を強化するも開発は止まらなかった。北朝鮮は海外の中間業者、フロント企業を介して監視網をかいくぐり、闇のビジネスに関わる企業は500社にのぼるとされ実態は不透明。さらに中国では今月に入っても北朝鮮に向けて物資を運ぶトラックが長蛇の列をなし、積載物は「酸化アルミニウム」と記されていることから核やミサイル開発に繋がる化学物質と思われる。それでも実際に北朝鮮に持ち込まれたか確認することはできなかった。

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キム・ジョンウン国際連合安全保障理事会山東省(中国)酸化アルミニウム

天津外国語大学の姜龍範教授によると中国は北朝鮮が崩壊すればアメリカが国境まで迫ってくると懸念し、北朝鮮の存在は中国の安全につながっているという。そのアメリカではトランプ大統領が就任し、米中首脳会談では北朝鮮に圧力をかけるように習近平国家主席に迫った。さらにシリアの基地へ巡航ミサイルを発射し、軍事効力の行使を躊躇わない姿勢を見せている。先月には朝鮮半島付近に空母、カール・ビンソンを派遣し、米韓合同軍事演習も行なった。韓国軍情報司令部の元将校であるパン・ホヨプ氏は「オペレーション5010」について言及。同作戦は北朝鮮が核攻撃を仕掛けてくる兆候、意図を把握した時点で先制攻撃を行うものだという。

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米朝“一触即発” 知られざる内幕

クリントン政権で国防長官を務めたウィリアム・ペリー氏は北朝鮮情勢の対応にあたり、平壌での直接交渉に臨んだ。同氏は現在は一触即発の事態にあると警鐘を鳴らし、外交による解決を模索すべきと提言する。20年前、ペリー氏は北朝鮮の核施設への攻撃を検討していた。北朝鮮と干戈を交える意思は全くなく、あくまで作戦計画の立案に過ぎなかった。その計画によると北朝鮮を攻撃した場合、報復として北朝鮮がソウルを攻撃するという懸念材料があった。そして、米韓両軍が反撃すれば朝鮮半島統一を達成するまで戦線の拡大が危惧され、犠牲者は数十万、数百万と推定されたという。最初の90日間でアメリカ軍の死傷者は52,000人、韓国軍は490,0000人にのぼるとみられた。

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94年5月のアメリカ国務省の機密報告書によると、北朝鮮はアメリカが韓国へ大部隊を派遣すれば先制攻撃を辞さないと警告していた。アメリカは韓国への数万人単位の大規模増派に向けて検討していた中、94年の6月にカーター元大統領が平壌にて金日成主席と直接交渉。大規模派兵は直前で見送られ、ペリー氏は「金日成氏はやりすぎてしまったのだと懸念したのでしょう」と分析。

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深まる対立 打開への道

ウィリアム・ペリー氏はアメリカと北朝鮮による対話を再び始める必要性を訴える。そんな中、北朝鮮は一帯一路フォーラムの最中、ミサイル発射を断行。メンツを潰された形となった中国、ムン・ジェイン氏が大統領が就任した韓国、さらなる圧力を主張するトランプ大統領率いるアメリカの動向が注目される。北朝鮮は6回目の核実験に向けて準備を進めているとみられ、軍事境界線の近くでは韓国軍の新兵が北朝鮮の大地を遠望した。有事となれば戦闘の最前線となる。

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エンディング

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