スコットランド住民投票は希望の理由をくれる

Ron Paul, Scottish Referendum Gives Reasons to be Hopeful, 2014/9/30, http://www.ronpaulinstitute.org/archives/featured-articles/2014/september/28/scottish-referendum-gives-reasons-to-be-hopeful.aspx

最終的には投票箱で失敗したとはいっても、スコットランド独立への近頃のキャンペーンが世界中で芽を出す多数の脱退運動の支持者を活気付けるのは当然だ。

住民投票開催前の数週間では、スコットランドの人々にはイギリス連合王国から脱退すべく投票する用意があるようだった。住民投票を破るには、脱退がスコットたちを経済不況に陥れるだろうと信じさせる大規模キャンペーンを打つのと同様に、スコットランドにもっと多くの自治を約束することで脱退の影響力を吸収するようイギリスの政治的エリートに要求した。

スコットランドの人々は脱退がスコットランドの主要輸出品たるウィスキーの国際市場に損害を与えるだろうとすら警告されていた。敵対者が脱退の信用を傷つけるのに費やした時間をかんがみるに、およそ45%のスコットランド人たちがなおも脱退に賛成を投じたことには驚かせられる。

スコットランド住民投票の結果がノルウェーからイタリアにかけてのヨーロッパ中の国々に広がる他の脱退運動を思いとどまらせることは少しもなかった。スコットランド住民投票の後のまさにその日、カタルーニャの人々はスペインからの脱退することへの国民の支持を測ろうと自分たちの住民投票を開くことを票決した。

脱退への支持はアメリカでも成長している。近頃の世論調査によると、四人に一人のアメリカ人が連邦政府からの州脱退を支持しているのだ。連邦政府から州政府が脱退し、州政府から地方政府が脱退することを提唱する運動と組織は、国中で芽生えている。今年、百万以上のカリフォルニア人がカリフォルニアを6つの州に分けることを支持して投票権行使の嘆願書に著名した。提案が投票を行うために必要な要件を満たさなかった間にも、カリフォルニアを分ける努力は支持を得続けている。

脱退を奉ずるアメリカ人は壮大なアメリカの伝統において行動している。独立宣言はイギリスからの脱退を正当化するために書かれた。自由の支持者が脱退支持の成長に喝采するのは当然だ。というのも、脱退は集権政府およびケインズ主義と福祉主義と軍国主義のイデオロギーに対する究極的な拒絶なのだから。

平和的な脱退と自決の原理の広きにわたる容認は多くの進行中の紛争を解決することができる。たとえば東ウクライナと西ウクライナの人々が二つの分離した国民へと分裂するか否かを彼ら自身で決定させることは彼らの違いを解決する唯一の方法だといっていい。

人々が圧政的な政府から抜ける可能性は政府の成長へのもっとも効率的なチェックの一つである。制限共和国から一枚岩の福祉戦争国家までのアメリカの変貌が過剰な政府への適切な反応たる脱退に対する不信と同時に起こったのは偶然ではない。

政府をもっと小さな単位に委譲することは経済成長を促進する。政府の規模が小さいほど課税と規制で自由企業の足を引っ張る権力は小さい。

人々が同じ政府の下で生きたくないと願うからといって、互恵的取引に携われないとか携わる気がないということを意味しない。脱退は政治的紛争を除去することで実際に互いに取引することへと人々にもっと関心をもたせることができる。かくて分権的政府は官僚と政治家と利権に支配された「管理貿易」とは逆に真の自由貿易を促進するだろう。

政府のもっと低い地位に権力を委譲することは、個人が彼ら自身で選んだ通貨を、中央の銀行家と政治家に好まれた通貨の代わりにもっと簡単に使えるようにするだろう。

脱退への支持の成長は自由の支持者の皆を活気付ける。というのも、もっと小さな政府単位に権力を委譲することは最善の方法の一つなのだから。脱退は、平和と財産と自由を――そして安いウイスキーを保証する!

(出典: mises.org)