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君と捧げる人間性 作者:ざわ
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プロローグ1~チュートリアル~

 ――来る!

 間一髪の回避に成功する。次いで、『敵』は大槌を振り上げるモーションを取ろうとする……思い槌の攻撃が来るはずだ…もう一度回避をしないと…


「あっ! しまった…」
気が付いた時には時すでに遅し…スタミナがなくなっており回避行動がとれなかったのだ。
思い一撃をまともに受け、俺は一歩のけ反ることに……
 体力は一発で半分も削られてしまった。この不利な状況下、回復ができない…なぜならそんなアイテムを盛ってはいないから…
 だが…だが、負けねえぞ! 極限まで集中してチャンスを伺えばこっちにも風が吹いてくるはずだ…

『敵』は一旦飛び上がり俺に向かってのしかかろうとする。

  見切った!!

俺はすぐさま後ろへローリングし距離をとる。そして『敵』が硬直した隙に攻撃を叩きこむ1発、2発と…
 さっきの失敗は二度もしない、確実にスタミナをセーブし無理なツッコミは避け。スタミナの回復を待つ。

…はずだった。

『敵』は急な薙ぎ払い攻撃をし、俺にヒット…

「こ、このタイミングで…!?」
派生も早く見切りづらい、俺がもっとも苦手とする攻撃だった。
 ヒットした俺は項垂れるように倒れてしまう。体力が全て無くなったのだ…

   YOU DIED

赤い文字が画面いっぱいに表示された瞬間、俺は頭を抱えた。



…なんなんだこのゲーム…
最初のボスなのに、全く攻撃が通じない…
 下にボスの体力ゲージがあり敵に攻撃するたびに減るはず…なのだが、ちっとも減らない。2から3前後しか喰らわず、こんなペースでは倒すのに何十分かかるだろう。
 先ほどから俺は10回以上も挑戦しているのだが、一向に倒せる見込みがない…おかしい、製作者の頭がいかれてるんじゃないか!? なんでチュートリアルのボスがこんなに強いんだよ…
それに加えてだ、回復アイテムがない。武器も…なんか折れた剣で滅茶苦茶弱いし、攻撃を防ぐ手段もないのだ……
 ただでさえ、丸裸の人間が巨体なデーモンに立ち向うという絵面でもおかしなことが発生しているのに…某小説みたく、特殊能力とか発揮することもできない

「…いったいどうすれば、勝つことができるんだ!?」

 このゲーム、もしかしたらクソゲーか?こんなの頭抱えたの俺だけじゃないだろう。絶対に何かがオカシイ…

 ひとまず、熱くなるのはよそう。ヒートが行き過ぎて我を見失うのは愚の骨頂だ…
 そして、俺が変なゲームを手にしてしまっただけということにしよう。はじめからこんなに頭が痛くなるなんて後半どうなるんだよ…

 俺は部屋の時計を見る、すでに11時を過ぎていた。ゲームに夢中になっているときの時間の経過は早いなと感じつつも明日も学校があるため、今日はここまでにしよう…

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