FUJIFILMのX100シリーズは、X100Fで大きな進化を遂げた。画素数が上がり、フォーカスレバーが搭載され、スペックはX-Pro2と同等になった。ただ、レンズは初代から変わらず、換算35mm、F2-16のレンズが採用された。
X100のレンズで半年間、スナップや風景写真を撮ってきた。X100はパッケージングがいい。コンパクトで持ち運びやすいし、写りも綺麗だ。だが、写真に解像感を求めると、X100のレンズでは物足りなくなる。
そこで、X-Pro2を購入した。最初に選んだレンズはXF 23mm F1.4。今回アップする写真はこの組み合わせで撮ったもの。フィルムシミュレーションはクラシッククロームとACROSで、すべてJPEG撮って出しだ。
まず最初に解像感だが、これは求めていたレベルを満たしていた。
上と下の写真はF1.4で撮影したもの。ピント面をキリっと解像するし、前後はなだらかにボケる。X100Fのパンケーキレンズでは、この解像感を出すのが難しかった。
フィルムシミュレーションのACROSは、X100Fより深みが増したように思う。おそらくレンズのお陰だ。光の量が増えた分、ダイナミックレンジに余裕が生まれたのだろう。
ただ、ファインダーのOVFは少々問題がある。
XF 23mm F1.4をつけると、視界の右下にレンズの筐筒が入り込む。せっかく綺麗なOVFなのにレンズが邪魔をするのだ。パンケーキレンズにすれば解決するが、解像感は妥協したくない。筐筒の存在に慣れるか、EVF中心の撮影にするかのどちらかだ。
太陽の下でレンズを開けるときは電子シャッターを使うが、電子シャッターで撮ると色が濃くなるように感じた。下の写真は1/18000で撮ったもの。もう少し使って特性を見極めたい。
ボディのサイズは問題なかった。カメラは大きいと持ち歩くのが億劫になるが、X-Pro2は重さ495gで、XF 23mm F1.4のレンズと合わせても800g。肩にかけるストラップではなく、手持ちのストラップで問題なく撮影できた。
これから購入するレンズは大体決まっている。XF 23mm F1.4はスナップがメインで、次に購入するのは風景用のXF 16-55mm F2.8。その次はマクロ用のCarl Zeiss Touit 2.8/50Mだ。X100Fと違って、X-Pro2はレンズで表現の幅を広げる事ができる。
今はまだカメラと息を合わせながら、F値やピントのピークを探っている段階だ。もっとISO感度を上げてもよかったか。もう少しレンズを絞ったほうがよかったか。そんな試行錯誤を重ねて、ボディとレンズの特性を探る。シャッターを切るのが楽しくて仕方ない。
購入後の感想としては逆説的になるが、これでようやくカメラの存在を消せる気がしている。新しいカメラを手にするのは嬉しいが、求めているのは手段ではなく結果。つまり、写真の出来なのだ。
撮影カメラ