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 最近では日本でもかなり認識されているようだが、単に中華料理と言っても地方によってかなり大きな違いがある。日本に伝わっている中華料理は、福建料理や広東料理などがベースで、そこに他の地方のものが混じっている、という風に見える。

 日本では辛い中華料理として四川料理が有名だが、その周辺の湖南省や貴州省などでも辛い食べ物が好まれる。中国にはこんな言葉もある。
四川人不怕辣 (四川人は辛さを恐れない)
湖南人辣不怕 (湖南人は辛くても恐れない)
贵州人怕不辣 (貴州人は辛くないことを恐れる)

 文法が違うせいで、日本語でしっくりいく翻訳は難しい。中国語で見て頂いたほうがわかりやすいし、面白いと思う。怕は恐れる、辣は辛い、不は否定、というのはおわかり頂けるだろう。

 三つの省でどこが一番辛いのが好きか、というのを論じる言葉ではなく、この辺の人たちはどんだけ辛いのが好きなんだ、という意味のジョークである。

 まぁともかく、レストランであろうがB級グルメであろうが辛い食べ物は多い。その辛さも尋常ではない。口の中が火事になるとはまさに言いえて妙で、辛いというよりもはや痛い。タイやラオスのように自分で味付けできるように唐辛子系の調味料がテーブルに備わっているところも多い。

 辛さは唐辛子だけでなく、花椒によるものも多い。日本でも本場の四川料理を出すお店の麻婆豆腐などに入っているのを見かけるが、ビリビリと痺れるように辛い香辛料だ。

 まぁ辛いものだけではないが、やはり辛いものが好きな人のほうが四川省や湖南・貴州が更に楽しめることは間違いない。ただし辛いのがある程度好きな人でも、食べられないほど辛いものも結構あったりする。

【写真】2012年8月
【文章】2017年5月
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