有志連合空軍のal tanaf (シリア、イラク、ヨルダン国境地帯)での、政府やイラン系等の民兵車列に対する空爆は若干唐突で、いまだその背景や真の意味等がよくわからないところ、al qods al arabi net は、この攻撃はトランプ政権のイラン、シリア政府、ロシアに対する2番目のメッセージで、米国としては、この方面からのデリゾル解放作戦を政府軍に許すつもりはないことを示したものであると、解説しています。
記事の言う通り、この攻撃がトランプの中東訪問と時期を同じくしており、同政権のイランに対する敵対的姿勢にかんがみれば、十分ありうる見方ではありますが、記事のソースが自由シリア軍等の、反政府軍であって、米軍筋ではないことに鑑みれば、現実の情報に基づくものではなく、アラブ一流の思い込みの議論かという気もしますが、もっともらしい報道なので、記事の要点のみ次の通り。

「有志連合の政府軍等の車列に対する攻撃は、4月のシリア空軍基地に対するミサイル攻撃(毒ガス攻撃に対する報復)に次ぐ、2度目のロシア、イラン、政府軍に対する米の2回目の明確な警告である。
その意味は、米としてはシリア政府の同盟軍に、ダマスーバクダッド道路をこれ以上進撃させ、デリゾル攻撃をに加わることを認めるつもりはないことを示したものである。
そのことは、攻撃はトランプがサウディ訪問の途次についたときに行われたことでも明らかである。

米軍は、ロシアに対して、攻撃の可能性につき警告し、車列にロシア兵がいる場合には、退避させるように警告していた。
自由シリア軍によれば、車列には戦車を先頭に20両の車両が含まれていたが、1台残さず破壊されたよし。
これで政府軍およびイラン民兵は、今後この道路を使っての東部への進撃はできないことが明らかになった。

この地域は、米軍とCIA及びノルウェイ軍が自由シリア軍の一部を訓練していたところで、国防総省の中には、これら自由シリア軍にデリゾル攻撃等でより大きな役割を果たさせようとの動きがある。情報によると、アンマンで訓練の指揮を執っていた米軍幹部の多くが交代したよし。
他方、政府軍はこの地域等を通じて、シリア南部の広範な地域に展開しようとしていたため、最近ではヨルダンを通じての米軍等のシリア侵攻作戦があるとの宣伝を盛んに流していた。
政府軍およびイラン民兵等は、今後ともダマスーバグダッド道路のこの地点を迂回した形で、部隊の展開に努めるものとみられている」
http://www.alquds.co.uk/?p=722206