トップページ > 現代の奴隷問題とは

現代の奴隷問題(奴隷制)とは

奴隷制は19世紀で終わったと思っていませんか?

繋がれた少年

日本のマスコミは、現代の搾取の実態を「奴隷」という言葉で表現する事を嫌います。差別用語では無いのですが、日本人の共通意識の奥に奴隷制は19世紀で終わったという誤解が根づいているからです。しかし、それは余りにも認識不足です。

アメリカにおける南北戦争/奴隷解放宣言により、「奴隷はみんな解放された」と、 単純な教育をされていたことも一因ですが、現状は後戻りできない程 悪質なものに変化しています。
検証材料として、下記をご覧ください。

昔と今の比較

■奴隷一人の値段は、現在の紙幣価値に換算すると、当時600万~1200万円相当で
取引されていました。しかし、当時は主に農作業に使っていたため、高価にもかかわらず
一人平均年5パーセント程の利益しか生みませんでした。
買った分の元を取るためには約20年程の利用が必須だった訳です。

それが、今では幼女が約2千円~数万円で売買され、その約80パーセントが何らかの
性産業に売られています。しかも子どもたちは食費もあまりかからないため、一人平均
年800パーセント程の超高利益を上げますので、それこそあっという間に元が取れます。
このような利益が、一人につき約5~10年は見込めるのです。

その後は、HIVに感染したり、病気になったり、年増になれば、
まさにゴミとして簡単に捨てられてしまいます。

■非合法のため、公にはせず監禁状態が普通です。(誘拐してきた子どもなどは特に顕著です)
外部との接触を持とうとすれば、口封じのため 何のためらいもなく命を奪われます。
また、売春宿に囚われている場合、客の相手をしている時も中の様子を常に監視され、
客に現況を訴えたりしても、客もろともその場で処刑されてしまいます。

■政府の腐敗に加えて、人口の爆発的増加と終わりのない貧困から生まれ、
需要と供給のバランス、つまり、奴隷予備軍がいればいる程、その価値・価格は下落します。

人身売買は今やとてつもなく安価なので、どんな業種であっても費用対効果が良くなり、
従来の奴隷観や利用法が根底から変わってしまいました。

コンピュータが良い例です。数十年前コンピュータは数も少なく、価格も数千万円しました。
それが今では数億台のパソコンが流通し、誰でも数万円で買うこと事ができます。
数年使って 壊れてしまったら修理する人は少なく 「使い捨て」 が現状です。

同じ事が、奴隷制でも起きています。奴隷一人買うのは もはや一大投資ではなく、
安価なパソコンを買うような感覚で、使うだけ使って使い捨てるだけです。

安価になった事で、当時よりも更に奴隷に対する価値観が低下し、もはや人が人でなく、
物以下の扱いを受けています。


1863年1月1日、エイブラハム・リンカーンが「奴隷解放宣言」に署名し、制度としての奴隷は終わったのかも知れません。しかし、アンダーグランドの世界では人身売買ビジネスは大手市場として確立しており、もはや誰かのサイン一つで廃止できるものではないレベルに達しています。

奴隷の定義とは?

「この現代に奴隷なんか ないでしょ?」 と、笑っている方がいます。

 現代日本に生まれ育てば、奴隷制は とっくの昔に終わった話しと思われるのが普通の感想だと思います。

 奴隷の定義として、ある2つの条件を備えた場合「奴隷制」に該当すると言われています。

 [1]自分の労働対価を得られず、経済搾取を受けている。
 [2]搾取状態に陥る際、暴力・威嚇・恐怖によって囚われている。

 「奴隷制というのは大袈裟で、単に、低賃金で長時間労働をさせられてるだけ。」
 そう思われてる方は全くの誤解です。

 もし 「 自分 」や、 「 自分の子ども 」 「 自分の愛する人 」 が誘拐され
 売春宿や強制労働所で 無理やり働かされている姿を想像してみて下さい。
 同じことが言えるでしょうか?

 強制的に囚われ、無給で働かされ、人生を一方的に奪われている。

 しかも、人間としての尊厳を完全に失わされた現況を 「奴隷」と呼ばずして、
 一体何と呼ぶのでしょうか ?

そのため、私達はあえて「奴隷(スレーブ)」という、ありのままの言葉を使って広報しています。 オブラートに包んだ表現では、現在進行形で行われている悲惨な実情を伝える事は到底不可能です。どうか、世界中の悲しみの種となっている、この非人道的な犯罪を無くすためにも、まずは現状を知って下さい。

人身売買に至る 多くのパターン

囚われの身

人身売買に至るパターンは、大きく4つあります。

①両親が貧困に窮し、我が子を売ってしまう。

②誘拐・拉致(キッド・ナップ)

③本人が騙される
  農村地などの女性に近づき、都市部での高給な仕事をエサに連れ出す。
  現実は劣悪な環境の売春宿で一切の自由を奪われる。

④避難キャンプや農村部・貧困家庭へ近づき、子どもを里子へ出すよう親を騙す。
  「都市部の裕福な家庭で暮らせる。」
  「食事に困らない。学校にも行かせてあげる。」
  などと、甘い言葉で近づく。現実は売春宿に閉じ込められるか、家事奴隷に使われる。

他に類を見ない豊かな国 日本では、理解しづらいかもしれませんが、
人身売買が起きてしまう最大の理由は「貧困」です。

この貧困の問題は国連も頭を痛めてますが、解決は難しいのが現状です。

そして、このように売られた子たちの行く末は、
  1.性的虐待
  2.強制労働
  3.臓器売買
 が、多数を占めています。

 

メインメニュー

Copyright(C) NGO Save the Slave. All Rights Reserved.