米Googleのスマートスピーカー「Google Home」が、いよいよ2017年内に日本で発売されます。米国で2015年11月に発売されてから、ずっと「まだかなー」と待っていました。
Googleの年次開発者会議「Google I/O 2017」の基調講演をライブで見ていて、「日本でも発売します」という発表のときに「this summer」と聞こえたので、「わーい夏発売〜」と喜んだのですが、録画で聴き直したら「starting in this summer」でした。しかもスライドで日本は1番右、つまりカナダから順番に発売としたら5番目となります。
だから、秋から冬にかけて、2017年内の発売だと思っていた方がよさそうです。価格は米国では129ドルなので、日本では1万5000円くらいになるのでは、と思います。
あらためてGoogle Homeとは何かというと、マイクとスピーカーが付いていて、声で質問や命令をすると、声で答えたり命令を実行したりする、高さが約14センチ、直径が約10センチのコロンとした卓上ガジェットです。
このジャンルを作ったのは米Amazon.comです。2014年11月に音声対応アシスタント「Alexa」搭載デバイスの「Amazon Echo」を発売しました。それまでにないモノだったので、当時の記事のタイトルは「音声制御のWi-Fiスピーカー」という、今見るとずれたものになっています。
Wi-Fiと(今回追加された)Bluetoothでネットワークに接続し、質問の答えをWebや質問した人のクラウド上のデータから探したり、Chromecastテレビやスピーカー、スマートホーム端末を制御したりします。ポートは電源と“for service only”のMicro USBのみ。充電式ではないので、使用中は電源ケーブルがしっぽのように付くわけです。
設定は、AndroidかiOS端末で、専用の「Google Home」アプリを使って行います。iPhoneユーザーも使えますが、連絡先やスケジュールなどの個人情報関連の問い合わせをしたいなら、やはりGoogleアカウントをメインに使っている方が便利そうです。
Google HomeのAIアシスタントは「Google Assistant」。呼び出しワード(ホットワード)は「OK Google」あるいは「Hey Google」です。Google I/Oで、Google Assistantも日本で(Allo以外で)使えるようになると発表されました。
Google HomeはAmazon Echoにできることは大体できます──といっても、Amazon Echoはまだ日本で売っていないので、ピンと来る方は少ないでしょう。
Google Homeでできることをリストアップすると、以下の通りです。
さて、実際にGoogle Homeがある生活とはどのようなものなのか、見ていきましょう。
朝起きて、「Hey Google、おはよう」と話しかけると、「おはようございます、○○さん。5月22日月曜日、午前6時です。天気は快晴、気温は○度です。通勤経路は今のところ通常です。午前10時に社内ミーティングがあります」などと、その日の予定も含めて教えてくれます。これは、「My Day」という機能で、朝教えてほしいことをある程度自分で設定できます。
「スマートフォンを探す」機能もあります(Googleが作ったIFTTTを使います)。「Hey Google、私のスマートフォンはどこ?」と聞くと、電話してくれて着信音を鳴らしてくれます。
忘れっぽい私にうれしいのは、代わりに覚えておいてもらう機能です。「Hey Google、私がパスポートをウォークインクロゼットのタンスの上から2番目の引き出しに入れたって覚えておいて」と頼むと、「Hey Google、私のパスポートはどこ?」と聞くと教えてくれます。
意外と便利そうなのは、複数のタイマーを同時に設定できること。料理で活躍しそうです。例えば、「インゲンの鍋に2分30秒のタイマー、肉じゃがの鍋に10分のタイマー」を設定すると、それぞれの時間にアラームが鳴ります。
音声によるショートカット機能も使えます。「私のGoogle Play Musicのワークアウト用プレイリストを再生して」といちいち言うのは面倒ですが、「ワークアウト」という一言に設定できます。
Googleらしい機能としては「Hey Google、 I'm Feeling Lucky」と言うと、突然トリビアクイズショーみたいなのが始まります。答えていくうちにどんどん難しくなっていくそうな……。
これ以外にも幾つかゲームがあります。そういうのを日本語化するのは大変そうです。
部屋の中にGoogle HomeとAndroid端末があると、「OK Google」の呼びかけに両方が反応してしまいます。サポートページによると、この問題は、両方が同じGoogleアカウントを使っている場合は発生しないそうです(Google Homeだけが反応する)。
でも、家族みんながAndroidユーザーだと、それでは済みません。GoogleもAmazon同様にホットワードを変更できるようにするんじゃないでしょうか。
最近、Google Homeは人の声を聞き分けられるようになったので、家族みんなで使えます。いちいち名乗らなくても声で誰かを判断するので、夫婦でそれぞれが「今日のスケジュールは?」と聞いても、それぞれのスケジュールを教えてくれるのです。
また、我が家のようにiPhoneユーザーとAndroidユーザーが混在していても、Google HomeはiPhoneとも連係できるので問題ありません。
でも、Appleも6月の開発者会議「WWDC 2017」でGoogle Home的な何かを発表するというウワサがあります。年内に我が家に2つのWi-Fiスピーカーがやってきて、家の中を「Hey Google」と「Hey Siri」が飛び交うことになるかもしれません。
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