動画配信×動画広告の最前線
~世界と日本の最新動向と今後の展望~
[開催日時] 2016年3月17日(木) 午後1時~午後5時
[会場] 紀尾井フォーラム (東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート1F)
★ セミナーのポイント
[1] 米国動画広告市場の最新動向と展望 【13:00~13:55】
SlingTVやHBO NOW、CBSなど放送事業者が一斉に独立型インターネットサービスへの進出を開始している米国では、既にポスト・ネットフリックスと呼べる状況が始まっている。問題はネットフリックスなどの有料オンデマンド型サービス、そして新しいインターネット型CATVサービスにおいては広告を載せない点である。
また、昨今のネット広告忌避傾向の台頭、そしてアップルやサムスンまで参加しているスマートフォンでの広告ブロックの動きも非常に気になるところである。嘗てのCGCMの役割も、現在はYouTuberが担う一方、ソーシャルメディア系における動画広告の台頭など、本講演は米国動画広告市場の最新動向と展望について報告する。
▼ セミナーの主な内容
1. ポスト・ネットフリックスとスマートテレビの第二段階
2. 再度、注目されるインターネットへの広告シフト
3. 古い視聴スタイルの衰退、広がる広告忌避傾向への対処
4. インターネット有料テレビ等の広告対応
5. 広告は広い意味でのYouTubeスター市場に流れる?
6. マス広告時代の終焉と展望
7. 質疑応答/名刺交換
[講師紹介]
メディアコンサルタント
山崎 秀夫 (やまざき ひでお) 氏
東京大学経済学部卒、1986年 野村総合研究所入社、日本ナレッジマネジメント学会専務理事、メタバース協会理事。
【専門領域】 情報戦略論、情報組織論、情報分析論、ナレッジマネジメント、ネットコミュニティ論、ソーシャルメディアマーケティング論、ソーシャルネットワーキング研究。
【主な著書】 「ナレッジ経営」(野村総研出版、日本ナレッジマネジメント学会研究奨励賞)、「ソーシャル・ネットワーク・マーケティング」(ソフトバンク出版)、「SNSマーケティング入門」(インプレスR&D)、「ネット広告がテレビCMを超える日」(マイコミ新書)、「スマートテレビで何ができるか」(翔泳社)、「スティーブ・ジョブズがデザインしていた未来」(ペンネーム川北蒼、法令出版社)
[2] TBSテレビの動画配信戦略 【14:00~14:55】
「TBSオンデマンド」 は2009年度に放送局の動画配信サービスで日本初の通期黒字化を達成し、「ネット配信ビジネスは儲からない」 という従来の通説を覆し、その後も順調に事業規模を拡大している。
本講演では、その戦略上のポイントとなった積極的なコンテンツアグリゲーション、SVODへの早期からの取り組み、プラットフォーマーとの広範なアライアンス、緻密な著作権処理、歴史的コンテンツの再活用など、TBSの動画配信ビジネスの現在を報告します。さらにTBSテレビは2014年から 「TBS FREE」、2015年から 「TVer」 を通じて広告付無料配信 (AVOD) を行い、見逃し視聴における広告収益の獲得にもトライし、「有料」 「無料」 の両翼で動画配信のサービス拡大に取り組んでいます。これらを事例とし、放送局としてコンテンツ配信マーケットへ参画する意義や、コンテンツウィンドウ上の位置づけについても展望します。
▼ セミナーの主な内容
1. 「有料」 「無料」 の両翼でコンテンツ価値最大化
2. 有料配信 「TBSオンデマンド」 の事業戦略
3. アーカイブ作品の積極活用、著作権処理のポイント
4. 無料配信 「TBS FREE」 「TVer」 への取り組み
5. 放送局が取り組む動画配信の意義と将来
6. 質疑応答/名刺交換
[講師紹介]
(株) TBSテレビ メディアビジネス局 ペイテレビ事業部長代理 TBSオンデマンド統括責任者
高澤 宏昌 (たかさわ ひろあき) 氏
1996年 東京大学法学部卒業、東京放送(現TBSホールディングス)入社。契約法務部を経て1997年より編成部で地上波番組編成・映画調達・クロスメディア調整に従事。2002年にCS「TBSチャンネル」を立ち上げ編成責任者。2008年よりVOD「TBSオンデマンド」統括責任者。2012年よりCS「TBSチャンネル2」の新規開局、2014年より無料配信「TBS FREE」「TVer」プロジェクトにも従事。現在も動画配信と衛星放送の運営・事業戦略全般を担当。専門分野は、衛星放送事業・動画配信事業・地上波放送におけるコンテンツの調達・著作権処理・編成および新規デジタル事業戦略立案。
[3] NIKKEI ASIAN REVIEWの動画広告と今後の展開 【15:05~16:00】
NIKKEI ASIAN REVIEWでは2013年10月、動画広告商品である 「Inread広告」 を提供する仏Teads社と日本で初めて直接契約。その後ビデオ広告の検証を重ねている。新聞社のサイトゆえ、これまで経験することのなかった 「明かり・照明」 「撮影」 「マイク」 等の確認作業を関係者の理解を得ながら進めている。「音声から動画ファイル」 等、確認作業を検証する。ビジネス系サイトのため、音声デフォルトのオン・オフに関して毎回確認。特にオフィス環境下での動画視聴は、国地域により異なる。ビデオ広告はコンテンツの 「量」 から 「質」 への転換期を迎えると想定しており、Viewability、完全視聴が今後のメインテーマになると考えている。
▼ セミナーの主な内容
1. Inread導入
2. Video Adとは・・・。
3. Print mediaにとってのLightningとSound
4. Videoからのコンテンツへの導線
5. ViewabilityとCompletion(完全視聴)
6. 質疑応答/名刺交換
[講師紹介]
(株) 日本経済新聞社 デジタルビジネス局 部長
菊地 伸行 (きくち のぶゆき) 氏
1986年 明治大学政治経済学部経済学科卒/同年 日本経済新聞社入社、大阪本社広告局配属/1991年 東京本社広告局第2部/1993年 東京本社広告局国際広告部/1999年 日経アメリカ社(ロスアンゼルス)駐在/2003年 東京本社広告局1部次長/2005年 日経デジタルメディア社次長/2007年 東京本社クロスメディア営業局4部次長/2010年 東京本社クロスメディア営業局4部担当部長/2011年 東京本社クロスメディア営業局4部部長/2013年 デジタルビジネス局部長/2015年 グローバル事業局部長兼電波本部兼デジタルビジネス局
[4] プレミアムビデオ広告の力とは?デジタルTV/Video広告の展望 【16:05~17:00】
本講演では、メディア企業や放送局が効果的にデジタルテレビ/オンラインビデオ広告モデルのデジタル戦略を描き実行に落し込むための実務者レベルの基礎知識を習得することができる。講演者は、NTTグループによる国内最大級の映像配信サービスの立上げを経験後、世界最大級のデジタルテレビ/ビデオ広告のプラットフォームサービスを提供するVideologyの国内採用第1号として、2013年より国内展開において様々なプロジェクトに携わる。SVODとADVODにおける実務的な違いを理解し、これまでの経験を活かして、国内テレビ/ビデオ広告市場の健全な成長と発展に役立てたいと考えている。
▼ セミナーの主な内容
1. デジタルテレビ/ビデオ広告の市場
2. なぜビデオか?
3. プレミアムインベントリーの価値
4. 取引モデル
5. 今後の展開
6. 質疑応答/名刺交換
[講師紹介]
Videology Japan(株) メディアサービス マネージャー
前田 智之 (まえだ ともゆき) 氏
2013年よりメディアサービスマネージャーとしてメディア企業や顧客企業にVideologyのプラットフォーム活用を拡める活動を推進。マーケティングも兼務し、2015年11月「The Future of Digital TV Advertising」などマーケッター向けに先鋭的な企画内容を推進。2000年 米国ワシントン大学(University of Washington)経営学部マーケティング学科卒。米国・国内にてベンチャー企業勤務、2005年 ぷららネットワークス(現・NTTぷらら)に入社し、一貫してNTTの光回線を利用したIPTV映像サービス「ひかりTV」及び前身「4th MEDIA」の立上げ期より、地上波放送局や権利ホルダーとのVOD、SVOD、ライブ、ニアライブにおけるコンテンツ調達交渉、番組制作、編成、放送チャンネルの運営など総合的にIPTVサービス運営実務に従事。