いったいなぜ？岩でゴツゴツしていた浜辺がたった10日で砂浜に変わるというミステリー（アイルランド）

　33年前の嵐により砂が押し流され岩場となってしまったアイルランド、アキル島ドオアー村にある浜辺があっという間に復活したという。


　浜辺は元々そこにあったのだが、1984年春に襲った嵐が一切の砂を押し流してしまい、それ以来失くなってしまっていたのだ。

　残されたのは水たまりのある岩ばかりで、客も寄り付かなくなったことからホテルや旅館などは閉鎖を余儀なくされた。

　いったいなぜ元の砂浜に戻ったのだろう？

奇跡の海流物語

　その奇跡は奇妙な海流によるものだった。4月に10日間も続いた海流が膨大な量の砂を運び込み、300メートルものビーチを再び作り上げたのである。

　ビーチは現在でも残っており、地元の人たちはそのまま定着してくれることを祈っている。



　アキル島観光協会のショーン・モロイさんによると、1984年までビーチは人々が知る限りずっとそこにあったのだという。

　「その年、かなり大きな嵐がやってきてビーチを破壊してしまったんです。完全に洗い流してしまったんですね。以来、ビーチは消えたままでした」

　「ところが4月の復活祭のとき、北からやってきた寒波がほうぼうで侵食したものを運んできたんですよ」

　そして一週間もすると膨大な砂が残されていたのだという。

岩場状態だった浜辺


まっさらさらさらな砂浜に変貌！


　「みんなビーチが帰ってきたって大はしゃぎです。数日でこんなにも海岸の様子が変わってしまうなんて、まさに自然の驚異ですね」

　飲食店を経営するアラン・ギエルティさんは、ビーチのおかげで観光客が増えたとご満悦だ。
　
　「ここ数ヶ月、観光客がわんさかだよ。綺麗ないい村だけど、岩じゃなくて綺麗なビーチがあればなおいいさ。ニュースを知って、全国から人が集まってくるしね」



　ビーチはかつて島の一部であり、1845年の飢饉では、豊かな漁業資源と土壌で人々を支えた。しかし、過去の記録によると、ドオアー村のビーチは1890年代にも消失し、30年後に再度現れているようだ。

　モロイさんの話では、昨年から干潮になると砂が細い筋状に堆積しているのを確認できたという。そして今では完全なビーチが広がっている。



　「今のところ何の施設もありませんが、順調に行けば近いうちにブルーフラッグビーチ（国際環境教育基金が認定したビーチ）になれるんじゃないでしょうか」とモロイさんは期待をにじませる。

　サウサンプトン大学の海洋学者イヴァン・ヘーグ氏によると、海岸の砂は嵐や波風によって常に流動状態にあり、遠く離れた海岸にある堆積物の状態からも影響を受ける。

　数十年のタイムスケールでは波や風が変化するため、ときに砂が堆積するうえで理想的な条件が整うことがあるのだそうだ。


Beach that washed away 33 years ago reappears after freak tide
via:dailymail・metroなど/ translated hiroching / edited by parumo

　ゴツゴツからサラサラまであっという間とか、まさに自然の神秘を目の当たりにしちゃった感じだ。

▼あわせて読みたい
溶ける氷河から人口爆発まで、NASAが公開した地球の変動がよく分かるビフォア・アフター衛星画像


世界5つの大災害後の復興、ビフォア・アフター画像


たった3年でこんなに！カリフォルニア州の深刻な干ばつがわかるGIFアニメーション


二酸化炭素の増加により地球の緑化が進んでいることが判明（NASA研究）


一夜にして消滅したチリの巨大湖、宇宙人の仕業か？