何も反省してない朝日新聞

朝日新聞の安倍憎し、自民党叩きもここまでひどいかと呆れた。

11月7日の朝刊各紙はNHK『クローズアップ現代』で昨年5月に放送された「出家詐欺」報道について、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会が発表した意見書について1面、社会面で報じた。

いちばん大きな見出しだけ並べてみると――。

読売「BPO『重大な倫理違反』」

産経「NHK重大な倫理違反」

この問題、今年3月『週刊文春』がスクープ告発して“やらせ”が発覚。

番組では詐欺を斡旋したとするブローカーと多重債務者の男性が出家詐欺について密談している様子を放送したが、実際にはNHKのディレクターが指示。その部屋もそのディレクターが借り、ブローカーとされた男も旧知だった。

これを“やらせ”といわずして何を“やらせ”というかというくらいのものだ。

ところがNHKはやらせを認めず、担当ディレクターの処分も軽微、本来ならクビになっても文句の言えない話だ。

で、BPOが調査に乗り出し、その結論が6日に出たから7日朝刊各紙が報じたわけだ。

要するにBPOの調査の眼目は「クローズアップ現代」が「やらせ」をやったかどうかということだ。

そしてBPOが発表した意見書の要点は――

(1)重大な放送倫理違反があった。

(2)報道番組で許容される演出の範囲を著しく逸脱。

(3)『隠し撮り』ふうの取材は事実を歪曲。

(4)NHK放送ガイドラインの「やらせ」の概念は視聴者の一般的感覚とは距離がある。

つまり、「クロ現」の「出家詐欺」報道はやらせだと言っているのだ。あれがやらせじゃないとするNHKの言い分は通らないよ、と言っているのだ。

だから、読売、産経の大見出しは至極真っ当、内容に即したものだ。

ところが――。

朝日の大見出しは「自民の聴取『圧力』と批判」。

毎日は1面トップで「BPO政府の介入批判」。

東京、これも1面トップで「『NHKに自民圧力』」。

朝日は社会面でも「『番組介入許されない』」。

NHKのやらせ問題を「政府の介入」「自民の圧力」問題に完全にすり替えている。

むろんBPO報告書に「政府の個別番組の介入は許されない」「政権党による圧力は厳しく批難さるべき」の文言も入ってはいるが、この報告書の主要部分ではない。

しかも、政府の介入について高市早苗総務相は「あくまで要請、いきすぎとも拙速とも思っていない」ときちんと反論している。

なのに自らの主張に沿う部分を拡大して、大見出しをつけて印象操作。

どこかで見た構図ではないか。

そう昨年5月20日朝日新聞朝刊の1面トップ、福島第一原発に関する吉田調書“スクープ”の見出しそっくりなのだ。

「所長命令に違反 原発撤退」

「福島第一所員の9割」

あれが角度をつけた、デタラメな見出しだったことを朝日は従軍慰安婦の吉田証言問題と併せて訂正、謝罪したはずではないか。

要するに朝日は何も反省していないのだ。