電王戦 佐藤名人が人工知能に敗れ人間大きく負け越し

電王戦 佐藤名人が人工知能に敗れ人間大きく負け越し
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現役のタイトル保持者と人工知能が初めて対戦した将棋の電王戦二番勝負は、20日に行われた第2局で、佐藤天彦名人が、人工知能のPONANZAに再び敗れました。電王戦は、この対局で終了し、人間の棋士は通算で5勝14敗1引き分けと、大きく負け越しました。
今回の電王戦は、それぞれの予選を勝ち抜いたプロ棋士と将棋ソフトが二番勝負で対局し、現役タイトル保持者として初めて佐藤天彦名人が、将棋の人工知能PONANZAと対戦しました。

先月行われた第1局は、PONANZAが勝ち、20日に兵庫県姫路市の姫路城で第2局が行われました。

対局は佐藤名人の先手で始まり、PONANZAは初手に玉を動かす珍しい手で応じて、中盤まで互いに陣形を整える展開となりました。終盤になり、攻めに転じたPONANZAが、そのまま押し切り、94手までで佐藤名人が投了しました。

平成24年から続けられてきた電王戦は、20日の対局で終了することが発表されていて、通算の対戦成績は5勝14敗1引き分けと、人間の棋士が大きく負け越す結果となりました。

佐藤名人「独特の感性見せつけられた」

PONANZAに連敗した佐藤天彦名人は、対局後の会見で、「自分の価値観や感覚を正面からぶつけたものの、そうした感覚の外にあるPONANZAの独特の感性を見せつけられて、上回られた2局だった」と話していました。

開発者「うれしく思う」

PONANZAの開発者、山本一成さんは「コンピューターが名人に勝つという、一昔前では信じられないことが達成できたこと、それに人工知能には、まだまだいろんなことができることが見せられたことをうれしく思っている」と話していました。

日本将棋連盟会長「上手なのは認めざるをえず」

日本将棋連盟の佐藤康光会長は「将棋ソフトがプロ棋士の力を超えたかどうかというのは皆様にご判断いただくしかないが、将棋ソフトのほうが一枚も二枚も上手なのは認めざるをえない」と話していました。