楽天証券とSBI証券が、個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理手数料を条件なしで無料化!
- 2017/05/20
- 12:14
楽天証券とSBI証券が、個人型確定拠出年金(iDeCo)の運営管理手数料を条件なしで無料化すると発表しました。これは朗報です。
今まで、SBI証券では運営管理手数料が無料になるのに「残高50万円以上」という条件がありました。これは、運用開始後1~2年は毎月手数料を取られるというけっこうなハードルでした。楽天証券ではもう少しハードルが低いものの、運営管理手数料が無料になるのに「残高10万円以上」という条件がありました。
iDeCoで非課税運用できる金額は人によって違いますが、決して多くありません。その少ない拠出額を、せっかく低コストなインデックスファンド等で少しずつ増やそうとしているのに、そのそばから毎月定額の手数料を抜き取られていては厳しい。
特に、運用を始めた初期(残高が小さいうち)は定額手数料の影響が大きく出てしまうことが想定されます。
それが、両社とも残高条件なしで運営管理手数料が無料になるというのだからすごい!
両社には、利用者が保有する投資信託の信託報酬(の一部)という分け前があるので、iDeCo関係の収入がゼロになるというわけではないのですが、この決断は楽天証券とSBI証券にとって、そうとう思い切ったものだと思います。
利用者としては、両社の英断に感謝ですね。
あわせて、この英断が生まれた背景には、自由な競争環境というものがあると思います。
SBI証券というネット証券最大手と、楽天証券というフロンティアスピリットあふれる挑戦者がいてはじめて、このような激しい自由競争が行われます。業界では、その他の運営管理機関もこの頂上決戦に対抗すべく、対抗策の必要性を検討しているところでしょう。
その結果、私たち利用者は手数料引き下げという恩恵を受けることができます。ありがたや、ありがたや。
さらに、手数料競争の次には品質競争が待っています。
これからiDeCoを始めようという対象者はいくらでもいて、誰もが自由に金融機関を選べます。今後、数十年お付き合いする運営管理機関です。どこにしようかと考える時に、手数料無料の運営管理機関の中から、どこがしっかりしていて安心かを見極めていく流れになるのは、自然な流れだと思います。
SBIは先日、手数料の誤徴収にともない、顧客の保有投信の一部を勝手に解約して手数料に充当するというトラブルを起こしています。楽天もいまは安定運用できているようですが、今後トラブルが起きない保証はありません。
iDeCoは制度もシステムも始まったばかりです。これから、自由競争のなかで切磋琢磨されて、だんだん磨き上げられていくものだと思います。利用者の将来を支える年金を預かる運営管理機関には、がんばってほしいと思います。
なにはともあれ、楽天証券とSBI証券の英断と、自由競争環境に感謝、感謝です。グッジョブ!!
P.S
iDeCoにかかる費用としては、SBI証券や楽天証券のような運営管理機関にかかる運営管理手数料以外に、国民年金基金連合会や信託銀行にかかる手数料があり、こちらは無料ではないのでご注意ください。詳しくは、個人型確定拠出年金公式サイトをご参照のこと。
→加入者・運用指図者の手引き|個人型確定拠出年金
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