【ニューヨーク=高橋里奈】北朝鮮のキム・インリョン国連次席大使は19日、国連本部で記者会見し「米国が北朝鮮に対する敵視政策や核の脅威、恐喝、制裁、圧力をやめない限り、核攻撃能力の強化を迅速に進める」と訴えた。国際社会の圧力を気にかけず、核開発を正当化する姿勢を改めて強調。「伝統的な友好国である中国とロシアは北朝鮮の核保有を理解している」と述べ、米国をけん制した。
国連安全保障理事会が16日に開いた北朝鮮によるミサイル発射を巡る緊急会合に反発する会見で語った。米国が同会合で北朝鮮に対する追加制裁の必要性を訴えたことについて、キム氏は「正当性がなく、北朝鮮か米国を選べと国際社会を脅している」と主張した。
さらに、米韓合同軍事演習や朝鮮半島近海への原子力空母「カール・ビンソン」の派遣は「米国が侵略と戦争の首謀者、平和の破壊者であることを証明している」と訴え、国連が黙認していることにも不快感を示した。
北朝鮮は核・ミサイル開発は米国による敵視政策に対する自衛手段との主張を繰り返している。
また、世界各地で起きた大規模サイバー攻撃に北朝鮮が関与している可能性について「ばかげている」と一蹴。「おかしなことが起こるたびに米国など敵対勢力が故意に北朝鮮と結びつけ、反北朝鮮キャンペーンを繰り広げる」と反発した。