逃走車、匿名通報で発見
福岡市中央区天神1の駐車場で東京都足立区の会社員男性が男らに現金3億8400万円を奪われた事件で、男らが逃走に使ったとみられる白いワンボックスカーが福岡市内に乗り捨てられていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。事件時に付けていたナンバープレートは取り外されていたが、匿名の通報を受けた福岡県警が見つけて押収した。県警は男らが別の車に乗り換えるなどしてその場から立ち去ったとみて捜査している。
捜査関係者によると、ワンボックスカーは2003~05年に販売されたホンダのステップワゴンで、事件前後に現場周辺の複数の防犯カメラに映った逃走車と特徴が一致している。現金を入れていたスーツケースなどは残っておらず、車内には証拠隠滅された形跡があった。男らの特定につながる遺留物を捜すとともに周囲で不審な人物が目撃されていないかも調べている。
逃走車に付けられていたナンバープレートは、事件直前に福岡市博多区のマンション駐車場に止めた車から盗まれたものだったことが判明している。県警は乗り捨てた後にナンバープレートを取り外すことで発見を遅らせる狙いがあった可能性もあるとみている。
事件は4月20日午後0時25分ごろ発生。東京都内の貴金属店に勤務する会社員男性が、金塊取引のために銀行で現金3億8400万円を引き出し、近くの駐車場で車に現金を積み込もうとしたところで男らに催涙スプレーのようなものを顔にかけられ、現金が入ったスーツケースごと奪われた。男らは3人組で現金をワンボックスカーに積み込むと南東方向に逃走した。車は天神地区から博多区住吉方面に向かったことが防犯カメラの映像などで確認されている。【菅野蘭、宮崎隆】