「飛行機の設計家とか、機械を設計した人たちってのは、こう、どんなにその時が善であると思ってやっても、やっぱり時代の空間の中で、機械文明そのものの手先になるから、無傷じゃないんですよ。『呪われた夢』なんです。アニメーションもそうですよ。・・・今の人類の夢っていうのは、みんな呪われてますよどこかで。『美しくも呪われた夢』ってことが多いんです。・・・金を稼ぎたいとか、そういうのは全部論外。有名になりたいっていうのは論外。そういうのはクソ食らえ。そういうこっちゃない。『映画が素晴らしい』、映画が本当に素晴らしいのか解らないじゃない?本当にキチンと考えたら、映画が好きだってのはただのそういう趣味でしょ?っていう。かつてそういう映画がつくられたことがあったかも知れないけど、今も映画の価値がある訳ないじゃない。多くはくだらないんですよ、僕らのこの世界は」

宮﨑駿(『夢と狂気の王国』より)