宮崎駿 新作長編アニメーション映画制作のためのスタッフ(新人)募集


話はちょっと変わるが、さっき通夜に行ってきた。
去年どん底に落ちた僕を励まし、応援してくださった、十指にも満たない方々のひとりだった。

本当に信じられないくらい、あっけない最期だった。
僕と10歳くらいしか変わらない、若い死だった。

葬儀場で何人かの人に「監督も気を付けてくださいね」と言われた。
そんなに俺顔色悪いのか?死相?


人の死について考える。
やっぱりこの業界は、あっという間の死が多い。若い頃から何度も体験した。
不摂生な上緊張感が四六時中持続するから、ゆっくり死ねないのだろう。

そして、あたかも亡くなった人の分を託された格好で、自分は残りの人生を生きるのだろうな、生きねばならないのだろうなと、錯覚かも知れないが、そういう想いを強くする。
僕もそんな歳になったのだ。


宮﨑さんもまた、体力の限界だ、周りに迷惑だと、悩みに悩んだ末に引退を決意したのだろうが、ひとり、またひとりと消えていく仲間達の強い「想い」に心動かされ、自分の「死に方」を決めたのだと思う。

アニメーション監督を一度でもやってみなさいよ、もう死にたくなるから。
今日も親しい某若手(と言えるほど若手じゃないけど)監督に「監督ってこんなに大変だったんですね」と言われた。
大変だよ。死にたくなるくらいだよ。

しかし、やっぱりアニメーション監督たる者、作画机の上で突っ伏して前のめりに死ななければならないのだ。
それが天命なのだ。
「戦死」こそが最大の名誉、武士道とは死ぬことと見つけたり、生きて虜囚の辱めを受けず。

とか、柄になく右寄りなことを言ってみる。


僕は宮﨑さんの「戦死」の覚悟を賞賛したい。