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 2015年に発覚した東芝の不正会計問題をめぐり、公表前の情報を得て同社株を売買したとして、証券取引等監視委員会が、40代の男性医師の関係先を金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で強制調査していたことが、市場関係者への取材でわかった。東芝関係者から未公表情報を得たとみて調べている。

 市場関係者によると、医師は不正会計が発覚した15年、東芝関係者からインサイダー情報を得て、証券会社などから借りた株を売る「空売り」を複数回にわたって行った疑いが持たれている。株価が下がった後で買い戻し、少なくとも数百万円の利益を得たとみられる。医師はその後、東芝病院(東京都品川区)に移ったが、今年3月に退職したという。

 東芝は15年4月3日に初めて、不適切な会計処理があった疑いを公表。直前に512円だった株価が400円台に下落。株価はその後、歴代3社長が辞任した同年7月に300円台まで落ち込み、15年末には200円台になっていた。