わたしたちの足元、地面の下にはあちこちに歴史の名残が埋まっている。大昔ここに住んでいた人々は誰なのか、なにを大切にしていたのか、住んでいた家はどんなだったのかなど、その生活の断片を垣間見ることができる。それは朽ちた遺体の骨も同様だ。
しかし、数千年前の生活は、必ずしも平穏なものではなかった。ときに発見された遺体から、その死が残酷で暴力的だったことがわかることもある。それはまさにホラー話さながらであることを示しているのだ。
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10. 切断された腕ばかりの穴
フランスの発掘チームが、怖ろしい人間の過去の一部を発見した。6000年前の穴から、残虐に切り落とされて捨てられた7本の腕がでてきたのだ。
腕の持ち主たちは農民と思われたが、子供の腕もあった。腕が投げ込まれた後から、残りの体全身がその上に積み上げられたためか、腕はほぼ無傷だったが、頭蓋骨は押しつぶされていた。
なぜ、彼らがこんな扱いを受けたのかははっきりわからない。腕だけが切り取られていることから、彼らの社会的な立場を表わしているのではないかと研究者たちは考えている。全滅に追い込まれようとしていた民族がこうむった罰だったようだ。
誰が彼らを殺したのか、なぜ、腕だけが切断されたのか、ほかのことはよくわからない。この穴はほかの墓穴と同様、紀元前4000年の生活は残虐で暴力的なものだったことが多いという考えを裏づけている。
9. 沼地のフランケンシュタインミイラ
Real Frankenstein found in Scotland
およそ15年前、スコットランドで男女の遺体が発見された。3000年前に亡くなったものと思われ、すぐには埋葬さず、スコットランドの湿地帯に投げ捨てられ、そこで300〜600年かけてミイラにされ、それから正式に埋葬されたとみられる。
だが、これらの遺体にはおかしなところがあった。女性の顎は、その頭蓋に比べてかなり大きく、男性の手足はどこか場違いだった。10年後、遺体のDNA鑑定をしたところ、不気味なことがわかった。
これらの遺体はふたりの人間のものではなく、6人の別々の人間の遺体をつなぎ合わせたものだったのだ。まるで病的なジグソーパズルか、フランケンシュタインの怪物のようだ。
女性の遺体は、ほぼ同時期に死んだ人間の部位が一緒になっていたが、男性の遺体は、死亡時期が何百年も隔たった人間の部位でできていた。
このジグソー死体を作った人間が誰であれ、単に骨を一緒につなげただけではなかった。遺体本体がまだ保存されているときに、骨にミイラ化した肉がまだついている別口のパーツを取りつけたと思われる。
8. 串刺しになった男
ブルガリアでの発掘チームが、ぞっとするような遺体を発見した。鉄の杭で胸を貫かれた男性の遺体だ。彼を殺した人物は、遺体が墓からよみがえることを怖れて、遺体を墓に串刺しにしたのかもしれない。
男性が死んだのは13世紀。生きたまま左足を切り取られ、無造作に墓に投げ込まれたようだ。
杭が刺さっていたことは、当時このあたりをロマニー族(ジプシー)が放浪していたという話と符合している。当時は、ヴァンパイアはよみがえると信じられていた。手足を切断されていたということは、当人がサタンの手によってよみがえったしるしで、これを阻止するためには、鉄の杭を心臓に突き刺すしかなかったのだ。
この男性は、怖ろしい迷信の犠牲者だったのだろう。まわりの者たちが、彼は邪悪なものだから、よみがえらないよう地獄へ落とさなくてはならないと思い込んだのだ。
7. 猛獣たちの貢物となったテオティワカンの人間
古代メソアメリカの町、テオティワカンで、動物が飼われていたと思われる巣穴のようなものが発見された。ジャガー、ピューマ、オオヤマネコなど獰猛な捕食者が、ここに閉じ込められていて、司祭によって神へ捧げられるのを待っていた。
エサを与えられていた動物の骨が、死して何千年もたってなおまだそこにあった。そして、散らばったその骨の中に、人間の骨も見つかった。
動物の骨を調べると、食べたものの中にトウモロコシの痕跡があった。テオティワカンの社会では、トウモロコシを食べる習慣があったが、これら肉食獣がトウモロコシを食べたわけではなく、トウモロコシを食べた人間を獣がエサとして食べたことで、こうした痕跡が残ったらしい。
肉食獣が人間の心臓を食べている様子が描かれた壁画もある。刑罰なのか儀式なのかはわからないが、テオティワカンの司祭が人間を引きずってきて、ジャガーやピューマのいるこの巣穴に投げ込み、彼らのエサにしたと思われる。
6. 吊るされた棺
中国の湖北省には、"妖精の洞窟"として知られる人工の洞窟がある。かつて、ここには不思議な生き物が住んでいると信じられていた。しかし、実際に中を探索してみると、頭上50メートルのところに、131もの古い朽ちた棺が吊り下げられていたことがわかった。
木の杭から吊り下げられているものもあれば、岩に楔で取りつけられているものもあった。棺はそれぞれ一本の木の幹をくりぬいて作ったかなり大きなもので、重さは100キロ以上あった。バラバラに分解して壊れてしまっているものもある。
これらの棺は、1200年前の古代Bo民族のもの。棺を吊り上げたのは宗教儀式の一環と思われ、死者を敬い、野生動物に遺体を食われないにするためだったといわれている。
だが、わずか50年前に悲劇は起こった。1960年代にこれらの棺を発見した者が、報告せずに棺を壊してその木を薪に使ってしまった。一時の暖をとるために、古代の墓を冒涜したのだ。
5. 漂う骸骨
1884年7月、アフリカ、ザンジバルのミッションスクールの子どもたちが、海岸で遊んでいた。そこに、黒い火山石(軽石)が海岸に流れ着いた。子どもたちが興奮して駆け寄ると、石の間に混じって、肉のついた人間の骨が見つかった。
他にも同様な発見が報告された。これら骨はアフリカ南東の海岸を流れてきたもので、スマトラ島やジャワ島の人々の遺体だった。1年前にここのクラカトア火山が噴火し、3万6000人が死に、島全体がなくなってしまったのだ。
1年の間、この島の人たちの遺体が火山石に乗って海を漂い、アフリカの海岸に打ち上げられ、それを子どもたちが見つけたというわけだ。
4. 食べられた跡のあるヘルクスハイムの遺体
ドイツ、ヘルクスハイムで作業していた建築業者が、怖ろしいものを掘り当ててしまった。建築現場の地下から、1000体以上の遺体が詰まった巨大な穴が見つかったのだ。
これらの遺体は7000年以上前のもので、彼らの運命は死よりも最悪だった。彼らはただ殺されたのではなかった。その頭蓋骨はきれいにこすりとられていて、肋骨は屠殺人がブタを処理するときに行うように、脊椎からはぎとられていた。噛み砕かれて、骨髄が吸い取られている骨もあった。
この人たちは、頭皮や体の皮を剥がされ、切り刻まれて食べられたと考えられる。飢えた者が自暴自棄になってやった行為ではない。1000人以上の犠牲者たちの皮を剥がしたやり方は、儀式的に行われたものだ。そのコミュニティ全体が一緒になって行った計画的な儀式だったのだ。
3. 手枷をはめられたアテネの遺体
Mass Graves found in Greece
立派な人たちが静かに眠るアテネのネクロポリスから、場違いなものが発見された。80体の遺体がまとめて見つかったが、全員両腕を頭の上に上げ、手枷をはめられた状態で殺され埋葬されていた。
彼らは若い男ばかりで、皆一緒に虐殺されたようだ。手枷をはめられて、一列に並ばされ、処刑人がひとりづつ殺していったと思われる。恐ろしい死に方にしては、敬意をもって葬られていた。
彼らになにがあったのか、想像することしかできないが、発見した考古学者たちは、彼らはクーデターを仕組んだかどで処刑された貴族ではないかと考えている。いずれにして、彼らは権力者を怒らせたため、鎖につながれて最期を迎えるはめになったに違いない。
2. オーストリアの新石器時代の大量虐殺
オーストリアのアスパルン=シュレッツで、67人の遺体が見つかり、ここから怖ろしい話がわかった。彼らは紀元前5200年に、意図的な大量虐殺で民族全体が絶滅したときに命を落としたようだ。
彼らは逃げている途中で殺された。ほとんどが後頭部を殴られ、矢で射られて殺されたり、足を打ち砕かれて逃げることができなくなり、頭を砕かれた者もいた。子どもですら容赦なく殺され、大人に混じって27人の幼児の遺体があった。
ほとんどは男性の遺体で、女性はふたりだけだった。残りの女性たちは、夫や子どもたちが目の前で殺されるのを見ているしかなかったのかもしれない。それから、女たちは無理やり連れていかれ、家族を殺した虐殺者に仕える奴隷となった。
1. 切断された手ばかりの穴
エジプト、アヴァリスにあるヒュクソスの宮殿で、切断された手でいっぱいの穴が4ヶ所発見された。手は全部で16あり、犠牲者から切り落とされてから、宮殿に持ち込まれて、地下に埋められた。すべての手はそれぞれ別の人間のものだった。
もっとも大きな穴は、王座の間のすぐ前にあり、手は王にもっとも近い場所にあった。手が埋められたのは、Khayan王が統治していた3600年前で、彼は敵から手を切り取って集めるのが趣味だったようだ。
この発見はそれほど驚くことではない。この近辺で見つかった複数の絵には、兵士が切断した敵の手とゴールドを取引していた様子が描かれている。どうやらこれが、ヒュクソスの戦利品の集め方だったようだ。王は兵士たちに褒美としてゴールドを与え、自分の宮殿に手を貯め込んでいたのだ。
via:10 Awful Ways Bog Bodies Died/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
年代を超えたつぎはぎの遺体は興味深い、誰かが見つけて
このままでは心許ないと足りない部分を探したんだろうか、
2. 匿名処理班
6.寒かったのなら仕方がない
3. 匿名処理班
やけに感情を煽る書き方
4. 匿名処理班
腕を斬られたり、他の骨と繋ぎ合わせたりって発見が多いけど、「人体錬成」「不老不死」「復活の儀式」って考えたら不思議ではない。
人間は古代から永遠の命に憧れを持っていた。
5. 匿名処理班
おれは人間をやめるぞ! ジョジョ──ッ!!
6. 匿名処理班
人類ってこういう痕跡が残ってるもの以外でも色々とんでもないことをしてきたんだろうね。現代に生まれて本当に良かったよ…
7. 匿名処理班
アクロポリスで「立派な人たちが静かに眠る」って根拠は?
8. 匿名処理班
ヨーロッパは好きだけど、
ヨーロッパ人の猟奇的、暴力的、残虐性の傾向は古代から顕著でしたね。頭おかしい。
9. 匿名処理班
ま、全ての殺人や虐殺は男の手によるものだろうね
gm生物
10. 匿名処理班
人間は残虐な生き物だから、しゃーない。法律に縛られているから殆どの人間は残虐性が表に出ないだけ。
11. ・・・
ギャアアア、9が意味不明すぎて怖いぃぃぃ
12. 匿名処理班
6人の死骸で一体の死体を製作
占星術殺人事件のアゾート思い出した
13. 匿名処理班
※8
イヤ、世界中でよくある話なんだよ。
14. 匿名処理班
※1
足りない部分を補って、死者の蘇生を
魔術的に行おうとしていたのかもしれない
15. 匿名処理班
※1
あるいはその地域における御神体のような扱いになっていたのかも。
16. 匿名処理班
小松左京の「骨」を思い出した
17. 匿名処理班
5は考古学の範疇なのかなぁ?
18. 匿名処理班
現代人には猟奇的に見えても、当時としては礼儀に則った
(あるいは名誉な)方法だったりする場合もあるから
こういうのは、どう判断するべきか難しいよねぇ。
19. 匿名処理班
※8
日本では古代どころか200年前まで火刑の罰は生きたまま火あぶりだ
死罪ならば生きたまま首を落としてその首を晒し者にしていた
そして人々はそれを見物してなんだったら屋台まで出て催し物のようになっていたんだよ
我々が彼らを批判できるものなど何一つありはしない
20. 匿名処理班
手を集めるのが趣味なんじゃなくて
首級みたいに戦の手柄の証拠としたんじゃないかと
21. 匿名処理班
※9みたいな書き方する奴は実は男だったりする
22. 匿名処理班
ひえ〜〜〜〜〜〜〜〜wwwwww
おそろしい。
23. 匿名処理班
別に何千年前に遡らなくても、例えばスターリンによる粛清の犠牲者とか、ポルポト派による自国民への虐殺など、似た様な事例は幾らでも有ると思うけどな。古代にはジャーナリズムなんて存在していなかったから、正式な記録に残っていない事案は発掘物から推測するしかなくなる。正式な記録というのも権力者の検閲が入るだろうから、権力者にとって都合の悪い物は抹消されるだろうし、記録そのものが存在していない時代だと、暴力こそが権力…なんて時代が有っても不思議ではないと思う。現在の尺度で古代を測って扇動的な文を使って注目を集めようとするまとめ方には、何か違和感を感じてしまう。