私の敬愛する漫画家、未将崎雄氏についての情報を記すページです。
 

未将崎雄(みしょうざき・ゆう)

(以下のプロフィールは『美少女卸問屋Vol.3』のインタビューに基づいてい ます。)

長崎県うまれ。「スタジオSFC」「ETWAS」での同人作品発表を経て、
寄生虫(増田春彦)のアシスタントの傍ら、1988年「ザウル・サーガ」でデビュー。

目標にする漫画家
長谷川裕一 荒木飛呂彦  石川賢
「そういう人たちの漫画に、少女漫画っぽいニュアンスをつけ加えた漫画を描きたいです」
(「」内はインタビュー中の談話。『獣の列島』を描き続けていれば、そ ういう漫画にできていたかもしれないが…)
 

苦手な食べ物
ネギ・タマネギ
(やったオレと同じだ!喰うは喰うけどね)

好きな食べ物
大根の煮付け
(オレも好きです!)

好きなタレント
中山美穂
(ん〜 亜季とはちょっとタイプが違うな…)



未将崎雄 作品不完全リスト

単行本発売作品(共著のものについては、未将崎氏に関連する部分を中心にしています)

『ザウル・サーガ 1巻』 一 水社 1988.7

 少年・ライタは、巨竜の跋扈する異世界「ザウル・ラー」に突如迷い込む。自らも理解できない不思議な力で巨 竜を屠ったライタは、女戦士アリーシャと出会い、彼女の住むアマンダ村に逗留することとなる。「女はたくましく、男 は しとやかに」という独特な生活文化にとまどいながらも、ライタはこの世界の謎を解こうとするのだが… というお話。 といってもよくわからんと思うけど。

 未将崎氏の初単行本。一般コミック。連載は当初『美少女卸問屋』誌Vol.1で行われ、後に『COMIC アットーテキ』に誌名変更(1988年6月号より)後 も引き継がれた。同誌7月号で、序章である第1部が終了。雑誌アンケートの評判も上々で、順当に行けば長期の連載と なったと思うのだが、残念ながら本来第2部に入るはずだった8月号では休載(この号ではかわりに「PLAY OUT」という同人誌既発表作品が載録された)し、 9・10月号を 経て、連載自体が終了してしまっ た。その原因・背景についてはいろいろ言われているが、ここでは特に触れない。

 さて、うちのサイト的に注目しておきたいのは、単行本で巻末に附されたあとがきマンガである。ここでは未将 崎氏と、その友人である池田秀一(「ザウ ル・サーガ」連載と同時期に『COMICアットーテキ』で時々執筆していた漫画家。後の水無月あゆ) とが、かけあいの形式をとりながら、「ザウル・サーガ」第1部の回顧及び、第2部以降の見通しを語っている。面白い のは、この中で第2部登場予定の新キャラとして、池田浩二、つまり後の『獣の列島』の主人公と同名のキャラが紹介さ れていることだ。その名前や、服装・風貌は、前述の池田秀一(つ まり水無月あゆ)氏をモデルにしたらしい。流石にこの段階では、背中にワーム の首なんか生やしていないが、基本的なデザインは『獣の列島』でも受け継がれているようである。

 

 それはそれとして、私的にはもう一人の新キャラとして紹介されている明日香ちゃんという女の子が気になる。 見たところ亜季を思わせる(そうか?)可憐でか弱そうな女の子だが、基本的にゴツイ女の子ばっかり出てくる本作にお いて、どんな扱いにされる予定だったのだろうか。

--------------------------------------------------------------------------

追記

 上を書いた時点では未確認だったもののひとつ、『COMICアットーテキ』1988年9月号および10月号 を最近見る機会 があった。

この年の7月号で「ザウル・サーガ」第1部は終了しており、8月号から第2部に突入…となるはずだったのだ が、その号で未将崎氏は原稿を落としてしまい、過去の同人誌作品を代原として使うという失態を犯している。

 で、その次の号(つまりこの9月号)ではどうなったのかと思っていたが… おお、「ザウル・サーガ」第2部 がはじまってるじゃないですか。単行本には入っていないから、幻の存在ですな。上で書いた池田浩二も明日香もちゃん と登場してますよ。っていうかこの2人と回想シーンでのライタ以外出てないけど。

 明日香は亜季に似たタイプかと思ってたけど、ちょっと違う感じですね。亜季よりもうちょっと考えなしに行動 するタイプというか。エロい場面もありません。あ、でも10月号で触手につかまってる場面があります。裸にされたり はしないけど、粘液付きの触手で拘束されてるってのが、ちょっと獣列を思わせますね。
 

『ゼルダの伝説(宝島コミックス)JICC 出版局 1989.10

 あの有名なゲームのコミカライズである。数あるゼルダのコミックスの中でも、評価の高い一冊。主人公は当然 リンクだが、ゼルダ姫が彼を喰う勢いで活躍しているのが見所。戦うヒロインが好きな(推測)未将崎氏の面目躍如と いったところか。

 しかしながら私が好きなのは、冒頭に登場する先代ゼルダ姫。魔王ガノンに「ひ弱なゼルダ」とか言われちゃう 所も含めて、好き。
 か弱そうで、微妙に亜季と似た匂いがする。そう思いませんか。私だけですか、そうですか。

 
 ああ、でも、冒頭の全裸で愛し合うシーンは、慎み深い亜季のイメージからはちょっと遠いかな (笑)。とはいえ肩口や首筋のラインが魅力的なのは、やはり亜季を思わせるものがあります。あ、健全コミックなので 肩から上くらいしか見えませんよ(笑)、念のため。

『獣の列島 1巻(ワニマガジンコミックス)  ワニマガジン社 1991.5

『獣の列島 2巻(ワニマガジンコミックス)  ワニマガジン社 1991.6

 全巻。ストーリー 原作者として零野甲児氏が存在し、未将崎氏は1、2巻の作画を担当している。3巻以降は水無月あゆ氏が原作・作画と もに担当(後述)。
 
 雑誌連載はワニマガジン社『Young Hip』1990年2月号から(同じワニマガジン社の『漫画エロトピア』連載とする情報もweb上で見られるが、これは誤り)。雑誌自体は現在となっては 入手困難で、私もどうにか数冊手に入れただけ。

 未将崎氏の作品の中でも、特に緻密な描き込みがなされており、特に第一部「狂獣都市編」(単行本1巻)は、驚愕の作画レベル。モンスター姦好き な属性を持つ者、及び潜在的に属性を持っていた者などなどに強烈な印象を残すことになった。

 ところが、その連載中途で、未将崎氏は作画を降板してしまう。作画交代の事情については、未将崎氏自身が次 のように『Young Hip』1991年3月号で語っている。

前回は私(未将崎)が心臓の発作で倒れ、休載して申し訳ありま せんでした。医者に診てもらった所、しばらく執筆活動は無理との診断を受け、実際軽い発作は度々起こる始末で す。そこで零野先生に肩を貸していただき、二人で一人"水無月あゆ"で漫画道を再スタートします。実はこのペン ネームは零野先生のもう一つの名であり、先生は「二人で新しい名を考えよう」と言って下さったのですが、私とし ては一人で作品を上げられない身体、無理を言って水無月に加えていただく事にしてもらいました。みなさん、よろ しくお願いします。(p116-117)

 実際に未将崎氏の手による作画が為されていたのは、1991年6月号までと推測される。といってもそれ以前 はすべて未将崎氏の画で統一されているかというとそういうわけでもなく、既に1990年9月号(単行本でいうと2巻 冒頭回)の時点で、コマ外に手書き文字で「〆切2日前から ワーム、Wワーム、猛、剛を担当してくださった水無月あゆ師匠、本当にありがとうございました」と いう未将崎氏の謝辞があり、作画事情をあらわしたものとなっている。(雑誌連載時には結構こうした書き文字がみられ るが、単行本では全カットされている)

 そして1991年7月号以降の連載は完全に水無月(=零野)氏の画に統一され、それは連載終了まで続いてい く。
 さらに単行本掲載にあたって、未将崎氏が描いていたページについても水無月(=零野)氏の筆による加筆・差し替え が行われた。2巻以降に特にそれが多くなり、3巻では、ほぼ水無月(=零野)氏作画に統一されていると言っていい。

 水無月(=零野)氏の参加した同人誌中の記述によると「水無月氏を知る者は、『獣列は彼の日記だ』と口を揃えて言う」(『少年ゆう いちろう』VOL.12 p.7)のだそ うで、親交のあった漫画家・増田晴彦 氏の言葉にも「獣 列は水無月対現代社会であって」(同前)と いうくだりがある。そしてなにより、主人公・池田浩二のモデルはその水無月氏自身であった(『ザウル・サーガ』項を参照)。となれば、氏と しては自らの考えたハードな世界観を、自らの力強い作画で描ききることができたことになるわけで、それはそれで作品 としては理想的なかたちでの完結の仕方とも言える。実際、抜ける抜けないと は別の次元で、純粋に面白いマンガとして『獣の列島』を評価する人も少なくない。

 が、裏事情を知らない受け手の1人にすぎず、抜ける抜けないのレベルでしか読んでいないバカチン読者である 私の素直な意見としては、やはり未将崎氏作画部分… もっといえば、宮坂亜季の存在が確認できる部分までが、オレに とっての『獣の列島』だよな〜、と思ってしまうのである。(4巻にも回想で出てるけど、使い回しだし…)
 というわけで、誠に勝手ながら、『獣の列島』は全2巻の 未完の傑作と言うことで、この項終わり。

 

『リンクの冒険(宝 島コミックス)JICC 出版局 1991.9

 『ゼルダの伝説』の続編。このときの未将崎氏は、『獣の列島』連載中に心臓病で倒れて以来、執筆困難な状態 にあったが、水無月あゆ氏及びスタジオ614のメンバーが懸命にバックアップし、一冊の作品として描き上げられた。
 絵的な印象としては、「白い!」の一言につきる(笑)。

 なお、巻末には「完成記念ILLUST」として、水無月氏の筆によるイラストが載録されている。このイラス ト、リンクとゼルダ姫が描かれているのは当然として、それに加えてなんと『獣の列島』の主役コンビ、池田浩二と宮坂 亜夜美までも描かれている。浩二がリンクを抱きかかえているなど、なかなかのご愛嬌だが、お子さま読者は誰だかわか らなくて混乱しただろうなぁ。成年マンガのキャラだとわかったらもっと混乱したかも知れないが。
 

雑誌掲載のみの作品

「巨乳戦士ERA」『D カップコレクションVol.2』白夜書房 1989.3

 アマゾネスの村に住む、巨乳の女戦士エラのお話。掲載紙が掲載紙だけに、女性キャラは基本的に巨乳というか 爆乳である。特別そっち方面の属性がない私にとっては、バランスの整った女体を描ける未将崎氏の魅力が出し切れてい ないようで残念ではある。それでもやはり掲載陣中ではトップレベルの作画。当たり前だが。

 本編中に、ヒロイン・エラが履いているタイツを破られるシーンがあるが、これは後の『獣の列島』での亜季の パンスト引き裂かれシーンを思わせるところがあり、いろいろ感慨深い。こういう責め方が未将崎氏の趣味に合ったのだ ろうか。私も好きですよ。

カラーイラスト(2ページ)『D カップコレクションVol.3』白夜書房 1989.8

 未将崎氏のカラーイラストが見られる機会は、今日わりと貴重かもしれない。掲載紙が掲載紙だけに、女性キャ ラは巨乳というか爆乳である。

「巨乳戦士ERA2 HARI」『DカップコレクションVol.4』白 夜書房 1989.12

「巨乳戦士ERA」の続編。エラの娘、ハリが主人公。掲載紙が掲載紙だけに、女性キャラは基本的に巨乳という か爆乳である。

未将崎雄氏が執筆していた作品について、他に何かご存じでしたらご教示いただけると幸いです。
非成年の月刊誌で描いていたというウワサをweb上で目にしたことがありますが、はっきりしたことがわかりません…。
断片的な情報でも、ご存じのかたは是非。
 

TOPへもどる