総理の読売読め答弁は、自民党向けの考えだった?
衆・憲法審の再開のため自民党が公表した文書には「安倍総理の読売新聞の記事は、内閣総理大臣として述べたものではなく、自民党総裁としての考えを自民党に向けて示したもの」と明記。「自民党に向けた発言」だったとは!読売が自民党の機関誌であると宣言しているに等しい。読売の見解を聞きたい。 pic.twitter.com/4xMhLjjBGK— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) 2017年5月11日
自民党が公表した文章によると、安倍総理の「読売読め」答弁は、「自民党向けの発言」だったようだ。
自民党向けの発言?
基本的な問題点は、先の記事に書いてしまったのでほとんど他に書くこともない。
しかし、「自民党向けの発言」を、日本が誇る発行部数ナンバーワンの新聞紙に載せ、それをあまつさえ国会で「熟読してほしい」と発言するその精神性は、はっきりいって理解不能である。
安倍総理は、長妻昭衆議院議員に国会で憲法改正についての質問をされ、「(私が自民党総裁として自民党に向けた書いた発言を)熟読して欲しい」と答えたのだ。
問われる読売新聞の姿勢
自民党の公表が事実であるとすれば、読売新聞は、1000万人の購読者に向けて、自民党総裁の自民党に向けた発言を「首相インタビュー」として公表したことになる。
これがもし事実であるとすれば、明らかに不適切な書き方ではないだろうか?
もし仮にこれが本来の「首相インタビュー」であるとすれば、自民党の公表が嘘をついていることになるし、これが「首相インタビュー」でなく、単なる内輪の発言(をなぜ新聞のインタビューで答えるのかという点は置いておくにしても)を、「首相インタビュー」と題したのであれば、それは大きな問題である。
いや、もうこんな茶番はやめよう。「自民党総裁としての自民党向けのインタビュー」などというのは、真っ赤な嘘なのだ。
そして、それを追求されたら、誰にでも分かる嘘を言って、ごまかしているのだ。
しかし、どんな嘘であれ、日本最大の新聞メディアと、日本の最高権力者たる総理大臣がその嘘を堂々とつけば、それは一定の真実となってしまう。
そもそも、発言を正当化
安倍晋三首相の国会答弁で話題になった「そもそも」の用法について、政府は12日午前の閣議で、「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」という意味があり、「どだい」には「基本」の意味があるとの答弁書を決定した。
この話も全く同じだ。総理の知識不足により「そもそもには基本的にという意味がある」という答弁をしてしまったことで、政府が右往左往して、必死にそれを正当化しようとする。
なぜ総理の知識不足、間違いを、国家が一丸となって守らなくてはいけないのか?
これは質の悪いジョークなのか?
私人の昭恵夫人
昭恵夫人を「私人」としたこともそうだ。一度「私人」とした以上、そこからあらゆる過去の行動に矛盾が生じてしまうため、それに対して嘘を塗り固めなくてはいけなくなるのだ。
なぜこんな情けないことを、日本の優秀な官僚たちがしなくてはいけないのか。知識不足の総理や、思慮の足りないファーストレディを守るため、一体なぜこれほどの嘘を積み重ねなくてはいけないのか。
一つの嘘を本当らしくするためには、いつも七つだけ嘘を必要とする。
ルター
そうして、この国から真実は失われていくのだ。
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