9割のサイクリストが信じる、バイクポジションの5つのウソ
From: 岡 泰誠
日本の自転車界にはなぜか多くの方に信じられている、医学的根拠のない”バイクポジションの常識”がありますが、なぜ、それが間違っているのか、どのようにして間違った常識が広まってきたのかを解説します・・・
きっとあなたも、雑誌やネットの記事で、これからお伝えする5つの間違った情報を目にしたことがあるでしょう。
【間違いその1】ポジション・フォームに正解はない。
雑誌に出る有名な元選手、監督さんがよく言うセリフです。トップカテゴリーの選手であっても、色んなフォームで走っている選手がいるから、だからポジションやフォームは色んな正解がある…というのが彼らの考え方です。
しかし、本当にフォームに正解がないなら、どうでしょうか?自分のバイクを、スーパーマンか子どもの三輪車みたいなとんでもないポジションに変えられても文句を言わずにいられるでしょうか?
そんなことはないはずです。ある程度の許容範囲は…と言われるかもしれませんが、その許容範囲とは具体的にどのくらいですか?また、その根拠を身体の構造に基づいて説明できますか?
まず、できないでしょう。本当に正解がないのではなく、ただ知識がないだけなのです。人間の骨格には、一番動かしやすい、正しい位置があります。それが、ポジションに正解があるという根拠です。
プロ選手であってもフォームが皆同じでない理由は、人間の身体にはそれぞれクセや歪みがあり、効率の良いフォームではなくてもたまたま筋力や持久力が優れている場合もあります。そのような選手を効率の良いフォームに変えてどうなるか・・・という検証をした上で、それが正しいかどうかを判断するべきです。
少なくとも、バイクフィッティングや実走トレーニング講座に参加された方はみんな、フォームが正しい状態で乗れている間はタイムが上がったり、楽に走れたり、、、という効果は出ています。
自分一人で修正をかけるのには、得意・不得意はあります。僕自身、かなり不器用なので苦手な方です。このあたりは、初心者のうちから正しいフォーム・ポジションを習得するのが一番の近道と言えるでしょう。
【間違いその2】初心者と上級者ではポジションが大きく違う
よく、ショップでは初心者ならサドルを低く、ハンドルは高め…というセッティングをして、乗り慣れていくにつれて、
サドルを高く、ハンドルを低く、ステムを長く…という風に変えられたり、自分で変えていく方が非常に多いです。また、レース志向なら最初から高いサドルと遠いハンドルで乗れと言われるところもあります。
しかし、実はこれも、身体構造から考えると理にかなってはいません。
ヨーロッパの速い選手は、サドルとハンドルの落差が大きなポジションで乗っていますが、彼らとは手の長さも背骨の柔軟性も違います。見た目と雰囲気だけでポジションを出してしまったいるのがほとんどです。空気抵抗は減るかもしれませんが、関節の動きは悪くなります。
さらに、ハンドルに体重が乗りやすくなるので、最近話題になっている落車事故にも繋がりやすくなります。
初心者でも上級者でも、レース志向でもファンライドでも、骨格に合わせてポジションを設定すると、ほとんど違いは出ません。あっても、ハンドルの遠さが1センチ違うくらいです。
エアロポジションを取りたければ、背骨を柔らかくする方法を提案しています。うちのポジションが本当に初心者向け、ポタリング向けというなら、ワールドツアーやオリンピックを走る選手、国内のJプロツアーや学連の上位で走っている選手からこんなに支持されることはまずないでしょう。
【間違いその3】バイクフィッティングには、“リフィット”が必要
◯ヶ月に一回はリフィットに来てください!と言って、毎回高額なバイクフィッティング料を取っている業者もいるようです。
僕が儲からない理由はリフィットをしないからでしょうか(笑)
しかし、これも一度出したポジションを変えるということは、前回のポジションを否定することでもあり、それは謝罪しながらやるべきことで、間違っても高い料金をもらってやることではありません(^^;
上半身の柔軟性が出て来たお客さまに、ハンドル位置の微調整を行うことはありますが、その程度で料金はいただいていません。
もちろん、例外はあります。成長期の子供や事故で脚が短くなるなどの場合は、骨格に合わせてポジションを設定しなおす必要は出て来ます。ですが、そんなケースはほとんどないでしょう。
【間違いその4】骨盤は前傾させるべき。
「股関節からお辞儀をするように乗りましょう」とか、「デッドリフトのように背中をまっすぐにして乗りましょう」という内容が雑誌等に書かれていることがあります。
度々言いますが、骨盤を前傾させると、脚の上がるスペースはなくなり、股関節の動きが悪くなります。ケイデンスが上がらない、筋肉が疲労するといった症状の原因になります。背骨の自然なS字カーブを無視して見た目だけまっすぐにするのも、腰に対して良くありません。
「骨盤は前傾」という説が広まった原因の一つとして、速い海外選手のフォームを見て、骨盤が前傾しているように見えたことで誤解をして指導している人間が多いです。もちろん例外はありますが、背骨の柔軟性の高い欧米の選手は、明らかに日本人より骨盤を立てて乗れている傾向が強いです。
【間違いその5】ポジションだけで速く楽に走れる
「ポジションを変えただけで魔法のように脚が回るようになりました!!」と、言ってくれるお客さんは確かにいますし、自分で努力しなくてもバイクを変えるだけで痛みやパワーロスなどの問題が解決すれば、これほど楽な話はありません。
しかし、ポジションだけでは身体の歪みを全て解決することはできません。よく、シューズとクリートの間にシムを入れて見た目だけ膝をまっすぐに動かせるようにする調整が行われていますが、これはシムの使い方を根本的に間違えています。角度を調整するシムは、本来であれば日常生活から入れて、運動指導もセットにして、歪みがなくなったら徐々に抜いていくように使うものです。(アメリカで、専門の医療資格を持った人が行う調整方法です。)
見た目だけの調整で解決するほど簡単な問題ではないのです。入れっぱなしにしたシムは、あなたの身体をどんどん歪ませていきます。実際に、シムを入れて膝が痛くなったという声はたくさん聞いてきました。
ポジション出しは、身体を正しく使うための、あくまでもスタートラインです。そこから身体の歪みやクセを抜いていくことで、より速く、より楽に走れるようになっていくのです。
ー岡泰誠
P.S.
5月28日(日)に、都内の「サイクルショップあしびな」にて、バイクフィッティングを行います。
以下の枠でご予約をお取りしております。
10:00- (ご予約済み) 11:00- 12:00- 13:00- 14:00- 15:00- 16:00- 17:00- 18:00-
所要時間・内容:バイクポジションの調整、ペダリングの修正指導、日頃からできるトレーニング、セルフケアのご紹介を含めて60分~90分
価格:15000円(2台目以降は、10000円)
お申し込みは、下記のフォームからお願いいたします。
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