新譜の達磨林檎が売れていないらしい
なんだかんだで気になる存在の川谷絵音とゲスの極み乙女。
個人的にはどんなスキャンダルがあろうとも、個人的には音楽的にも、キャラクター的にも気になってしまう存在なんですよ。
そんな川谷絵音率いる、ゲスの極み乙女。が『達磨林檎』というアルバムをリリースした。
これがね、とても良いんですよ。
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個人的にはミュージシャンのスキャンダルはどうでもいいと思っていて、覚せい剤で捕まろうがASKAや岡村靖幸の活動は気になるし、不倫しようが川谷絵音や横山健は好きだし、ミスチルの桜井は才能あると思うし、石井竜也は歌うまいと思うんですよ。
ファンキー加藤以外は許せるんですよ。
ファンキー加藤以外は。
ゲスの極み乙女。アルバム発売、ライブ活動再開と音楽ファンには嬉しいニュースが続いている。
でも、今回のアルバム、全然売れていないらしい。
前作が発売初週で8万枚近く売れていたにも関わらず、今作は1万5千枚程度。
まあ、前作はヒットしたシングル曲初回盤があったり、ロッピー限定盤があったりと購買意欲を高める特典があったこともある。
今作はシングル曲は1曲も入ってなく、スキャンダルがあったことを差し引いても全然売れていない。
でもね、これ音楽的にはかなり面白いし、ゲスの極み乙女。にしか作れない音楽になってると思うんですよ。
でも、だからこそ売れていないと思うんです。
今回は収録曲を全曲レビューして、なぜこれだけ完成度の高い曲がそろっているのに売れていないのかを考えてみようと思う。
01.シアワセ林檎
アルバムの1曲目にしてリードトラック。
曲の出だしのピアノの音、そしてドラムとベースの入り方、アレンジだけですぐにゲスの極み乙女。の音楽だとわかるオリジナリティ。
この1曲でアルバムの方向性をしめすかのような曲。
耳に残るサウンドなのだが、キャッチーなわけではない。
むしろ、音楽が好きで細かいことを気にする層をうならせようとしているのではと感じる。
02.影ソング
2曲目にしてミドルテンポの楽曲。
80年代のテイストを感じさせる雰囲気の楽曲。
打ち込みの音が気持ちいい。
03.DARUMASAN
東京事変を思い出させるような洗練された演奏。
歌詞を詰め込んで歌う部分やサビの意味は不明だが印象的なフレーズはまさにゲスの極み乙女。だなと感じる。
演奏に関してはちゃんまりのピアノと休日課長のベースの上手さが注目されがちだが、実はほないこかのドラムも上手いことがわかる楽曲。
04.某東京
ロキノン系ロックバンドでは最近ありがちな4つ打ちだが、この楽曲、4つ打ちなのに他の4つ打ちをするバンドとは全然違う方向の楽曲になっている。
コーラスと、そのバックのピアノの演奏が印象的。
そして畳がけるように歌うボーカルがかっこいい。
05.id2
ノズタルジックな雰囲気もあり、プログレバンドの楽曲の序盤のような雰囲気も感じる楽曲。
アコースティックギターの音が入っている楽曲はゲスの極み乙女。の楽曲の中では珍しいのではないだろうか。
06.心地艶やかに
ファルセットのボーカルから始まる、疾走感のある曲。
疾走感はあるが、縦ノリでジャンプするような曲ではなく、横ユレでゆらゆらと心地よく聴きたい曲。
世間のイメージするシングル曲のゲスの極み乙女。の雰囲気に最も近い楽曲かもしれない。
07.午後のハイファイ
ファンクなアレンジの楽曲。
アルバムの中でも最も異質な雰囲気かもしれない。
ライブで聴いたら気持ちよく踊れそうな楽曲。
08.いけないダンスダンスダンス
ポエトリーリーディングのような始まりの楽曲。
演奏の構成も凝っていて、プログレのような、新境地の楽曲ではないだろうか。
09.勝手な青春劇
アルバムの中で最もキャッチーな楽曲かもしれない。
といっても、演奏はやはり凝っていて、後半は魅せるような演奏。
アルバムを出すごとに演奏に磨きがかかり、プログレバンドのようになっていく。
10小説家みたいなあなたになりたい
ZAZEN BOYSかと思うような複雑な演奏。
演奏だけでも聴いてて圧倒される。
11.id3
id2と関連のある楽曲なのだろうか。
落ち着いた演奏にポエトリーリーディングのように川谷絵音が語り掛ける楽曲。
12.Dancer in the Dancer
ジャズのような演奏。
シンプルながら聴いていて飽きない演奏が素晴らしい。
後半になると落ち着いた聴かせる演奏の楽曲が増えていく。
13.ゲストーリー
アルバムの最後の楽曲。
ファンクでありながらプログレのような構成の楽曲。
ギターのカッティングが気持ちいい。
この楽曲は今後のゲスの極み乙女。の方向性を示すような楽曲ではないだろうか。
あえて売れない方向を目指している?
今回のアルバム、音楽的には面白いことをやっているし、オリジナリティもある。
楽曲はどれも完成度が高い。
でも、今の音楽シーンを知っている人ほど、この方向性の音楽は売れないと思うのではないだろうか。
例えば、ロックシーンだとするとWANIMAのようなみんなで盛り上がれるようなメロコアでもないし、ワンオクのような洋楽ロックのヒットチャートにある音楽をわかりやすく届けるような音楽性でもない。
Suchmosのようなサブカル好きやオシャレ女子に受けそうなシティポップなわけでもない。
今回のゲスの極み乙女。の作品は若い音楽ファンではなく、今までいろいろな音楽を聴いてきた、おじさんをターゲットにしているのではないだろうか。
川谷絵音はインタビューで「くるりやクラムボンのようにポップなこともできるけど、自分たちのやりたいことをやって音楽性を評価されることが目標」と語っていた。
ゲスの極み乙女。は紅白にも出演し世間の音楽をあまり聴かない層にも存在を知られることになった。
これだけスキャンダルを起こしても離れないファンはたくさんいた。
つまり、自分がやりたい音楽をとことんやっても許される環境になったので、自分の目指すべき次のステージへ行こうとしているのではないだろうか。
前作よりも売れていないとしても離れないファンや、コアな音楽ファンにアピールした方が結果的に長く活動ができるようになるだろう。
今回のアルバム、『達磨林檎』は売れ線の音楽やキャッチーな音楽よりも、オリジナリティのある音楽、クオリティの高い音楽を聴きたい人にはぜひ聴いてもらいたい。
CDを買うほどでもないと思う人はレンタルでもいいので聴いてもらいたい。
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ライブでこれらの楽曲がどのように化けるのかも楽しみだ。