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 政府は19日午前の閣議で、2016年の特定秘密の運用状況に関する報告書を閣議決定した。特定秘密保護法に基づき、近く国会に提出する。新たに特定秘密に指定されたのは9の行政機関の49件で、14年に特定秘密保護法が施行されて以降初めて5件が指定を解除された。

 16年末時点で特定秘密に指定されているのは487件(前年比44件増)。このうち防衛省が289件で約6割を占め、情報収集衛星の運用を担う内閣官房66件、外務省39件と続く。

 16年中に新たに指定された特定秘密は、防衛23件、外交13件、テロ防止7件、特定有害活動防止6件。省庁別でみると、防衛省が21件で最も多く、内閣官房9件、警察庁6件、公安調査庁4件など。

 指定解除となった5件は防衛省2件、外務省2件、警察庁1件。あらかじめ情報が得られると見込んで指定していたが、情報が得られなかったという。こうした事前指定については、衆院情報監視審査会から「対象が際限なく広がらないようにする法の基本原理から外れている」と指摘されており、報告書では「重く受け止め、対応方針を真摯(しんし)に検討する」とした。