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♪「Ｐｏｎ　ｐｏｎ　ｐｏｎ…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な　宝物だけは」
♪「ずっと　この胸に抱きしめて来たのさ…　Ａｈ　ａｈ」
♪「夜の酒場で　Ｌｏｎｅｌｙ」
♪「あの娘　今頃どうしてる？」
♪「さなぎは今、　蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い　声合わせて」
♪「希望に燃える　恋の歌」
（一同）キャ～！　キョウ様！
テレビが　すっかりお茶の間の主役になった時代多くの少年少女がテレビに出ることを

夢みていました。
１２番　助川時子さん。（時子）はい！
♪～
（みね子）時子ぉ…。
頑張ってぇ…。
どうぞ。
どうぞ　お座り下さい。
お座り下さい。
（優子）そろそろかなぁ。どうなってるかなぁ　時子。
（澄子）合格ですよ。
（豊子）そったに簡単なものでねと思われます。
（澄子）じゃ　不合格だって言いたいわげが？
（豊子）そういうこどでねよ。は？　じゃ　何だよ？
（優子）喧嘩しないの。（幸子）いい？帰っできたがらどいっていぎなり「どうだっだ？　受

かっだ？」どが聞いちゃダメだよ。
自分がら言いだすのを待どう。ね！（優子）そうだね。
それまでは結果のごどじゃなくて「お疲れさま」どが「疲れだでしょう」どが「おなかすいた

でしょ？」どがそういう感じで…　ね！
はい。え～　でも　知りてえべした。
（豊子）そういうこと言ってるんでねと思う。
は？　じゃ　何だよ？おめのことじゃなくて時子さんの気持ちを大切にしよって話。
まっ　時子さんの顔を見だらすぐ分がっぺした。
人間って　そったに簡単なものでね。は？
（ドアが開く音）
え～　次　１３番　ニシモトショウコさん。
時子？
（時子）ヘヘヘ！
帰ろっか。
帰んの？
うん　帰っていいってお疲れさまでしたって。
あっ　何か食べて帰ろうか？
おなかすいた！　ね？
うん。
♪～
＜お父さん…。私と時子は　帰りにあんみつを食べて帰りました。おいしかったです。時

子は　全然オーディションの話をしませんでした。そして　私も聞きませんでした。話した

くないんだろうなぁと思って聞きませんでした＞
♪～
ほら　元気出して　みね子。あんたが落ちたみたいだよ。
何　言ってんのよ　あんた。
みんなさ　気にしてると思うんだ私の結果を。
だから　明るくしようね　明るく！ショックを与えないように。
いきなり　「落ちた」とか言うとみんな　困っちゃうから。
だから私が時間をかけて言うから。　ね！
分がった。
ごめんね　みね子。
何で謝んのよ…　バカ。
（戸が開く音）あっ　帰ってきた！
ただいまぁ！　アハハハ！ただいまぁ！
お帰りぃ。（優子）お疲れさまぁ。
（幸子）疲れだでしょ。
あぁ　疲れた疲れた。遠かった～　ね？
遠がったね。うん。
どっち？分がらね。
ん？　何が？
何でもねです。
どっち？分からない。
ん？　何が　どっち？
あっ　ううん。おなかすいたでしょう？
あっ　でも　みね子と帰りにあんみつ　食べてきた。
ね！　おいしかったね！ね～！
いいなぁ！　ね～？羨ましい。
（愛子）お帰り　時子さん！
どうだった？受かった？　落ちた？
＜お父さん…。こういう時の愛子さんは…＞
その話　してたんじゃないの？
＜まさに無敵です＞
♪～
ハハハ…　ハハハハ…　ハハハハ…。
♪～
落ちましたぁ…。
そんなぁ！
悔しい…　悔しいよぉ…。
（すすり泣き）
時子…。
（すすり泣き）
私　とにかく　緊張してしまって。で　何でだか　緊張すればするほどなまってしまって…

。
　回想　では　１の早口言葉をお願いします。
はい！
「武具馬具　武具馬具　三武具馬具。合わせて　武具馬具　六武具馬具」。
（時子）読めてはいるんだけど何だか　なまってて…。
　回想　じゃ　２の台詞を泣きわめきながら言って下さい。
（時子）はい。
「あなだは　もう　私のことがきらいだっていうのげ！？」。
（２人）げ？あ…。
頭の中では違う違う　そうじゃないって思ってるんだけど…。
　回想　では　最後。
最後って聞いたら「これは　まずい。このままじゃダメだ」って思ったら余計に　おかしくな

っちまって…。
　回想　３の台詞を　思いっきり笑いながら言ってみて下さい。
「アハハハ！おめ子鹿みてえに　ふるえてっぺ！」。
（２人）ぺ？あ…。
はい　ありがとうございました。今日は　お疲れさまでした。
残念だけどまた　挑戦してみて下さい。
あの　もう一回やらせてもらえませんか？
ごめんね　皆　一回だけだから。
あぁ…　んですね…。
ありがとうございました。
♪～
というわけで　全然ダメだった…。
全然ダメ。
（すすり泣き）
なるほどね。
そっか。
なら　よかった。えっ？
（愛子）あれでしょ？
つまり　時子さんは　緊張して本来の自分を発揮できなかった。そうなんでしょ？
はぁ…　はい。
（愛子）じゃ　いいじゃない。諦める理由はないよね。
これが　今日　自分は完璧にできたって思っててそれで落ちたんなら「難しいね　やっぱ

り」って言うしかないかもしれないけど全然ダメだったんでしょ？
はい。
（愛子）じゃ　諦める理由はないんじゃないの？
次があったら次　頑張って　実力出しなさい。
次は初めてじゃないんだから今日ほど緊張しないでしょ？ね？
そっかぁ　そうだよね！次　頑張ればいいんだよね！んだね！
んだね　そういうこどだね。
（幸子）んだよねえ。んだね。
んだんだ。んだんだんだ。
んだんだ　んだんだ。んだんだ　んだんだんだ。
んだんだ…。んだんだ…。
何　意地張ってるの？あんたたち。
頑張れ　時子！
はい！　アハハ！
＜お父さん…。愛子さん　すごいなぁと思いました。私も　今みたいに相手を楽にさせて

やれる人になりたいなと思いました＞
で　どうだった？　みね子さん。
ん？
あっ！
忘れた？忘れてた？　裕次郎のこと。
いや　あの　そういうことでなくてえっと…。
それどころじゃなかったっつうが。
忘れてたわけね…。いえ…。
すみません…。
うん。
じゃ　色紙は預けておくよ。次の挑戦で放送局に行くまでね。ね？はい。
（笑い声）
はい　お預かりしておぎます。
♪～
豊子　しっかり！　落ち着いて！
はい。
大丈夫ですか？ありがとう。
集中　集中！　頑張ろう！
うん！
♪～
（寝言で）もう一回　やらせて下さい…。もう一回…　もう一回…。
（寝言で）お代わり。カレー大盛り…。
（澄子）いでっ！
＜私は　時子のためにあの人に手紙を出しました＞
（君子）あれ～？
全然　時子から来ねえな～。
（正二）便りのないのはよい知らせってな。
（豊作）んだっぺ。
もう～。
「というわけで時子を元気にしたいのです。どうか　よろしくお願いします。みね子」。
（三男）おぉ…。
任しとげ！　俺の出番だっぺよ！
あの人って三男だったんですねえ…。