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♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
(時子)あ あ~。「水馬赤いな。 ア イ ウ エ オ。浮藻に子蝦も およいでる。柿の
木…」。
(みね子)邪魔しちゃいけねえよな。
「おお ロミオ! ロミオ!お父上に背きその名を捨てておくれ。さもなければ それが…
」。
♪~
「というわけで時子を元気にしたいのです。どうか よろしくお願いします。みね子」。
(三男)任しとげ。(さおり)三男君!
(善三)三男!(三男)はい ただいま!
♪~
あ… あの…。
分かってる 三男君。えっ? 本当ですか?
言いにくいよね。 分かる。本当は パンが食べたいのに遠慮してんでしょ?
偉くもないのに偉そうな人に。大したことないんだからね。ただの小さな米屋のオヤジな
んだから。
やること なすこと全部 小さいんだから。米粒より小さいってね。 アハハ!
(善三)見たか 今の顔。
怖えよなぁ! なぁ?
いやいやいや そんなこどは…。
でもな いくらおっかねえからといってもなやっぱり 女の子だ。な? 心はな。
心は もっと おっかねえぞ。気を付けろ 三男。
ハハハハハ!
あっ あの お願いがあります。
おっ 何だ?やっぱ 米がいいのか? な?
いや そうじゃなくて ですね…。
あの…。
今度の日曜日 休み下さい。お願いします!
(善三)日曜は おめえ定休日じゃねえだろうが。
はい それは分がってます。そごを なんとが…。
一緒に茨城出てきた仲間3人で会いたいんです。
そのうぢの一人がいろいろ うまぐいってなくて励ましてやりてえんです…。向ごうは工
場なんで休みが日曜しかなくて…。
一日だけ お願いします!
この前 話してた女の子だ?
えっ? あっ はい…。
ふ~ん。
♪~
でっけえな!ね~!
こごよく映画で出てくるとこだよ。
そうけ?うん。
すっごいね!
お~い! お~い!
(時子)あっ!あっ!
(時子 みね子)アハハ!
お~い!
よう!ちょっと~。
何だよ? 何が おがしいんだ?
だって…。だって 何だよ?
どうしたの? その服。
どうしたって おめえ買ったに決まってっぺ。
かっこいがっぺ?ほら 三田 明みたいだっぺ?
惚れ直したが? 時子。は?
惚れ直すもなにももともと惚れてないわ!
あれ? そうだったっけが?おがしいな。
は? 何がだよ?何がって…。
<すごいなって思いました。一瞬で 茨城にいた頃に戻ってしまうんだなぁって…>
仕事 大丈夫だったの?
おう…。
回想 行ってきます。
行くの?やっぱり? どうしても?えっ?
俺たちを2人にして それでもどうしても おめえは行くのか?
すみません 行ってきます!
おう… 全然 大丈夫だったよ。
いいお店なんだね。
よし! 銀座に繰り出すか!んだね。
んだ 楽しみ!よし 行くべ!
行ごう!(三男)行ごう! 行くぞ!
(時子)やめて 恥ずかしいから。(三男)いいっぺ!
3人は 銀座のどこへ向かったんでしょうね。
うわ~ すごい人ですね。
当時 銀座をブラブラすることを銀ブラと言いとても はやったんです。
銀座通りや みゆき通りをブラブラ歩いてデパートやブティックで買い物をしたりおいしい
ものを食べたり映画を見たり多くの人たちが銀ブラを楽しんでいました。
(3人)はぁ~!
あ~。
あ~。あ~ 疲れだなぁ。
しかしどごさ行っても 人だらげだな。
どっから わいてくんだっぺあんな人が。
私たちも そん中の一人だよ。
あっ そうが。フフフ!
でも 楽しかった。いろいろ見られて。
そうか? いがった。うん。
高くて ぜ~んぜん何も買えながったけどねえ。
(時子)んだね。(三男)んだなぁ。
みんな 金 持ってんなぁ。ちきしょう。
でも 私 頑張ろうって思ったよ。
いづになっか 分がんねえけどさ頑張って お金 ためて買えるような人になりてえなっ
て思った。
大したもんじゃねえけどそりゃ 世の中にはさ根っからのお金持ちもいんのかもしんねえ
けど今日 デパートとがにいだ人は頑張った人たぢなんだろうなって。
だって みんな すんごく楽しそうな顔して買い物してたよ。
あれは 頑張った人たぢなんだよきっと。
そうかもねえ。
確かにみんな 楽しそうだったなぁ。
うん。
でも 買わなくても楽しかったよ。ね?
うん!
ありがとう… みね子でしょ?
みね子がさ 私のために三男に頼んだんでしょ?
今日のこど。
三男もさ無理してくれて ありがとう。
本当は休むの 大変だったんでしょ?
ごめんね。
ありがとう。
あ~あ…。
人から心配される人になってしまったなぁ。
どういうこど?
私さ 何で 女優さんになりたかったっていうとねもちろん お芝居 好きだしいろんな役
になれるのすてきだなとも思うしね華やかで みんなに「きれい」って言われたりとがそう
いうのも もちろんあっけど。うん。
映画とか見でっとぎってさ私は いろんなこと忘れちゃうんだよね。
嫌なこどとか 心配なこどとか忘れちゃうんだ。
それって すごいなぁって小さい頃から思っててさそんな人になれたらすてきだなって思
ってた。
私なんかさ恵まれてる方だと思うんだよ。
でも もし 恵まれてんだったら弱ってる人とが つらいこどたくさんある人とかがさ私の
出てる映画とが見てさその間だけ いろんなこど忘れられるような人になるべきなんだっ
て…。そう思ってた。
でも 逆に みんなに心配される人になってしまった。
参った。
諦めたわげじゃないでしょ?
うん。
でもさ 何だろ…。
私 自信があったのかな。
何だかね 東京来てさ放送局とが行ったらさ「君を待っていたんだ!」なんて言われんの
想像してたんだよね どっかで。バカだけど。
どっかで思ってたんだ 私。
でも 違うんだなって分がった。
全然 待ってながったんだなって。
星の数ほど私みだいな女の子は いてその中の一人なんだなって…。
そう思ったら 急に怖ぐなった。
(時子)どうなんだろう 私って…。
ダメだったらどうなんだろうって…。
怖い…。
なりたいって気持ちが強くなればなるほど 怖いんだよ。
よし 決めだ!
時子!何?
女優 諦めろ。で 俺の嫁さんになれ。
はぁ?
ちょっと 三男今 それはねえんじゃねえの?
うっせ 俺は もう決めだ!
女優ダメなら 俺は 絶対おめえを嫁さんにすっかんな!
絶対だ! 絶対そうしてみせる!何だ それ!
ダメって決まったわけじゃないよ最初だから緊張しただけだ。
ダメ ダメ もう諦めろ! な?冗談じゃないわ。
絶対やだねあんたの嫁さんなんて!
だったら なってみろよ。泣ぎ言 言ってねえでよ!
めそめそしてっと嫁さんにすっと。分がったか?
バカじゃねえの!分かったよ! なってやるよ!
死んでも嫌だねあんたの嫁なんて!
「死んでも」って おめえそごまで言わなくてもいいだろうがよ。死ぬより ましだっぺ!(
時子)あぁ なろう!
絶対なろう!死んでも諦めないわ!
うだうだしてっともらいに行くぞぉ!
やめて! もう!
神様!どうか 私を女優にして下さい!
お願いします!
神様~。どうか 女優を諦めますように!
ふざけんな!危ねえ 危ねえ 危ねえ!
神様 女優にして下さい!お願いします!
神様…。ちょっと!
まだ言ってねえよ!神様~!
バカじゃねえの あんたら!
(笑い声)バカだもん。
<お父さん。三男は いいやつです。そして 切ない恋心です。恋をしてんだなって思い
ました。三男は本当に 時子に恋をしていて時子は 女優さんという仕事に恋してんだな
って…>
あ~ 見て!(3人)うわ~!
<私は まだ 恋をしていないのかなと思ったりしましたよ>
神様~!うお~!
(3人)うわ~!
あっ 虹!(時子)虹~!
これ すげえな! うわ~!すげえな!
(はしゃぐ声)
俺のこと 祝ってくれてんだよ 今。祝福だ。
何の祝いだよ?俺と時子のだよ。
結婚祝いか?みね子!