2017年5月19日03時50分
■小野善康・大阪大特任教授
日本は多額の国の借金を抱え、危機的な状況にあると言われている。同時に、日本は多額の外国資産を保有し、大金持ちだから大丈夫だと言う人もいる。果たして日本は借金づけなのか、そうではないのか。
事実、2015年末の国と地方の借金は計1262兆円に上る。国民1人あたり約1千万円に相当し、世界一だ。他方、日本が持つ対外純資産は339兆円あり、20年以上も世界一の水準にある。
実は、二つのデータが示す「国」の意味は同じではない。「借金大国」と言う場合は、日本国ではなく日本政府である。「金持ち」と言う場合は、政府と民間を合計した日本全体の対外純資産だ。
では、日本国が大金持ちなら、日本政府の借金が増えても大丈夫だろうか。
国債の信用維持には、①国債の…
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