昨晩、競馬界における歴史的瞬間に立ち会うことができました。
好メンバーが集った川崎マイラーズで、的場文男騎手が手綱を取った5番人気リアライズリンクス(浦和・小久保智厩舎)が優勝しました。この勝利で、的場騎手は佐々木竹見さんに続く史上2人目の地方通算7000勝を達成。
リンクスと的場騎手は、サンタアニタトロフィーを制した時のコンビ。偶然でしょうけど、その時も5番人気だったんですよね。
リンクスの同期には、ソルテ&インサイドザパーク&ジェネラルグラント&アウトジェネラルがいます。改めてすごい世代だったんだなぁと。
リンクスが大仕事をやってのけました!!!先日の様子。メンコの下は美男子君です。↓
全頭パドック動画↓
いつものように最後まで入念に返し馬をして待避所に向かうリンクス&的場騎手。
的場騎手は、これまで乗っていた時のイメージで行きっぷりの関係からか、メンコは外して欲しいと厩舎サイドにお願いしたそうです。一方で、メンコを外すと砂を気にしてしまうから、メンコは着けて走らせたいと厩舎サイド。そこはかなり激論を交わしたそうですが、結果的には厩舎サイドの希望でもあるメンコ着用で挑むことになりました。
レースは同厩のタマモホルンが逃げる形になり、2番手にはトロヴァオ。リアライズリンクスは出鞭を入れて行く気を見せるも、中団内を追走していきました。
3コーナー過ぎからトロヴァオが先頭に立ち、そのまま後続との差を広げていく中で……リアライズリンクスが内から外目に出して一完歩ごと詰め寄っていきました。「4コーナーを回っても手応えがあったし、この手応えなら吉原君(トロヴァオ)は交わせるなと思いました」(的場騎手)。
最後は力でねじ伏せるかのように、リアライズリンクスが粘るトロヴァオに1馬身差をつけてゴールしました。勝ちタイムは1600m1分42秒1(やや重)。
同時に、的場騎手自身が持つ重賞最年長勝利記録を60歳8か月に更新しました。
ウイニングランは、帝王賞をボンネビルレコードで勝った時にファンの皆さんがとても喜んでくれたので、今回もやろうと思ったそうです。
映像はあまりよくないのですが、その時の雰囲気をご覧ください。なお、この時は撮影規制が設けられていて、1着に入ったところの撮影は、いつもとは違う角度からですがご了承ください。撮影はこの位置以外はNGだったので。
お客様からは、的場コールが起きたり、温かい声援や拍手が送られました。
関係者エリアでも、「おめでとう」という祝福の声や拍手が起きたり。
重賞の舞台で7000勝達成。たくさんの人たちから見守られ、とてもとても温かい時間が流れました。
口取り撮影前、的場騎手と小久保調教師が何やら話していました。いつもはシャイボーイの小久保調教師が満面の笑み。「俺は的場さんのファン。いい思い出を一緒に作っていきたい」と公言してきた小久保調教師にとっても、最高の瞬間だったでしょうね。
カリスマ尾っぽ持ちでもある小久保調教師は、この時もリンクスの尾っぽを取るためにゲート裏へ行っていたそうです。レースは関係者のバスの中で見ていて、ゴール前は吠えたそう。
「的場さんにダービーを勝たせたい」と執念を燃やし続けている小久保調教師と一緒に、この大記録を達成したのも何かの縁のように感じます。
今回は報道の数もいつもの重賞とは比べ物にならないくらい集まっていました。的場騎手は大井所属なので、川崎開催初日には大井から広報をはじめとした関係者が川崎競馬場に来て、打ち合わせをされていました。当日も大井と川崎関係者が一緒に対応されていましたよ。
口取りは2パターンあるのですが、大井からの横断幕込みのものをパチリ↓(この写真は大井競馬提供)
口取り撮影中、的場騎手が7のポーズを作りやすいように、小久保調教師と新町マネージャーが後ろで支えていました。担当の木村厩務員の笑顔にもホッコリ。
「本当は大井で達成したい気持ちはあったんですが、小久保先生からこんなにいい馬を依頼してもらって。次の目標があるので、年だから時間もないし、競馬は簡単に勝てるものではないので、(川崎開催を)休んでいる場合じゃないと。7000勝を重賞で達成できたらいいなと思っていたのでうれしいです。
44年間の騎手人生で、内臓破裂などの大きな怪我もいろいろしましたが、自分のために、周りの人たちのために、一生懸命にやって来て楽しんで続けてこれました。60歳になっても力や元気を与えられるのはすごくうれしいです。こんなにも長く乗ることができて幸せな騎手人生です」(的場騎手)。
南関東生え抜きリアライズリンクスにとっては、昨年のサンタアニタトロフィー以来の勝利ですよ。7歳になった今年も勝負強さを発揮。「長期休養もあったりしたから、馬はまだ若いよ」と木村厩務員。これからもまたいっぱい楽しませて欲しいです。リンクスも、本当に立派な馬です!3本目の誇らしい肩掛け姿↓
川崎マイラーズ優勝おめでとうございます。
リアライズリンクス 7歳牡馬
馬主 飯田訓大様
生産 赤石牧場様(平取)
父 ダイタクリーヴァ、母 ブライティアイブン、母父 マイネルラヴ
浦和・小久保智厩舎
表彰式では、的場騎手の大先輩でもある佐々木竹見さんも登場されました。竹見さん、2レースからスタンバイされていたのです。(この写真は大井競馬提供)。
的場騎手はこれまで7000勝を目標にしていることは公言してきましたが、竹見さんの記録7151勝については、「無理だよ」と謙遜されてきました。以前、息子の的場勝之厩務員に聞いたのですが、家にいる時でも的場騎手は竹見さんの記録更新についての意気込みは口にしなかったそうで……。
でも、心配は無用でした。
「7000勝はやらなければならかった宿題。これからは師匠のような竹見さんの7151勝を超えられるように、目標があるから頑張れます」(的場騎手)。
以前、竹見さんは的場騎手についてこのように話しをされていました。
「的場君は、この年まで乗って、これほど勝って、普通なら考えられないことだから本当に立派だし褒めてあげなくちゃ。記録は破られるもので、後輩が破るのはいいこと。記録を更新したら、心から『おめでとう』だよ」と。
この川崎開催中に、竹見さんの7000勝を達成した時代を知る関係者たちに話しを伺ったんですが、「この記録に並ぶ人はもう出ないと思った」と言っていました。的場騎手自身も「競馬は簡単に勝てるものではない」と言っているように、関係者たちがこの数字がどれだけ大変なものなのかを一番痛感されていると思います。
だからこそ、的場騎手がすごい記録に挑戦しているこの時代に、南関競馬でレースを見られることに、心から幸せを感じるんです。だって、南関競馬に来れば、普通に、当たり前のように、的場騎手がバリバリ乗っているんですよ。馬乗りとして、44年間も熱い気持ちを持ち続けている、生きる伝説のような人が。
的場騎手、関わってきた皆さん、本当におめでとうございました!
大井の帝王・的場文男騎手 60歳8か月
2017年5月17日川崎競馬場
史上2人目の地方通算7000勝達成(地方通算騎乗数 39350戦)