内閣府が18日発表した2017年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.5%増、年率換算では2.2%増だった。5四半期連続のプラス成長はリーマン・ショックの前、2005年1~3月期から06年4~6月期まで6四半期連続で伸びて以来、約11年ぶりだ。輸出主導の外需の寄与が続くなかで個人消費が持ち直し、成長率は16年10~12月期の1.4%から加速した。QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.4%増で、年率では1.8%増だった。
実質ベースの輸出は前期比2.1%増と3四半期連続で増加した。アジア向けに半導体製造装置などの工作機械の輸出堅調が続いた。ただ、10~12月期の伸び率(3.4%)は下回った。輸入も衣料品や工作機械の増加で1.4%伸びたため、外需のGDPに対する寄与度は前期の0.4%から0.1%へ低下した。
個人消費は0.4%増と5四半期連続でプラスとなった。伸び率は前期(0.0%増)から加速している。スマートフォン(スマホ)や衣料品の伸びをけん引役に、生鮮野菜の値上がりの一服も寄与した。1~3月期の雇用者報酬は、実質ベースで前期比0.1%減と2四半期連続でマイナス。前年同期比では0.5%のプラスだったが、伸び率は10~12月期(2.2%)から鈍化しており、賃金上昇は一服している。
生活実感に近い名目の年率換算値は1~3月、前期比0.0%減、年率換算で0.1%減と、5四半期ぶりのマイナスとなった。国内の物価低迷に加え、円安・ドル高などを受けGDPの控除項目に含まれる輸入品の価格が上昇したことが響いた。
16年度のGDPは実質で前年度比1.3%増と2年連続、生活実感に近い名目は同1.2%増と5年連続で、それぞれ伸びた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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