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 スポーツ強豪校として知られる私立武相高校(横浜市港北区)の水泳部顧問だった男性教諭(59)が、うつ病で休職中に解雇されたのは違法だと訴えた訴訟の控訴審判決が17日、東京高裁であった。野山宏裁判長は「うつ病は業務が原因」と認め、請求を棄却した一審・横浜地裁判決を取り消し、解雇を無効とした。

 判決によると、教諭は特待生だった部員の退学をめぐる失言で学校から複数回聴取を受け、2011年8月にうつ病と診断されて休職。12年12月に失言問題などを理由に懲戒解雇された。

 一審判決は、業務とうつ病の因果関係を否定したが、高裁は「特待生を抱える運動部の顧問は、好成績を残すことを学校から課されていると強く感じていた」と指摘。聴取中の副校長の「進退」という発言や、うつ病発症前6カ月の平均残業時間が月120時間以上だったことから、因果関係を認めた。(千葉雄高)