豊洲問題 専門家会議「無害化」めぐり議論かみ合わず
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豊洲市場の問題で東京都の専門家会議が開かれ、市場の安全性をさらに高めるため、地下の空間の底をコンクリートで覆うなどの対策案が示されました。ただ、土壌汚染を環境基準以下に抑える「無害化」をめぐって、業者などの出席者と、専門家会議や東京都の間で議論がかみ合わず、会議は途中で終了し、改めて議論することになりました。
豊洲市場の土壌汚染対策を検証する専門家会議は、18日午後0時半から午後3時までの日程で始まりました。この中で、施設の安全性をさらに高める対策として地下空間の底を特殊なシートやコンクリートで覆うことや地下水をくみ上げて水位を一定に保つ「地下水管理システム」のポンプ機能を強化するなどとする対策案が示されました。
このあと、出席した市場業者などから、都が7年前、移転の条件として設定した土壌汚染を環境基準以下に抑える「無害化」が達成されておらず、約束が守られるのか疑問だなどとして、専門家会議と東京都に対し無害化の条件を今後も守る意思があるのかどうか明らかにするよう求める意見が相次ぎました。
これに対し平田座長は、「盛り土に代わる対策を検討するのがわれわれの仕事で、無害化するという都の方針を議論する場ではない」と述べ、理解を求めました。また、東京都の村松市場長は「無害化が達成できていないことは真摯(しんし)に受け止めている。きょうの会議は専門家の検証結果を聞くためのもので、無害化を約束するかどうかを議論する場ではない」と述べました。
こうしたやり取りは当初の終了時間をすぎても続けられ、平田座長が会議の進行に理解を求めましたが、出席者からは信用できない以上議論できないなどとして平行線をたどり、会議は途中で終了し、改めて議論することになりました。
このあと、出席した市場業者などから、都が7年前、移転の条件として設定した土壌汚染を環境基準以下に抑える「無害化」が達成されておらず、約束が守られるのか疑問だなどとして、専門家会議と東京都に対し無害化の条件を今後も守る意思があるのかどうか明らかにするよう求める意見が相次ぎました。
これに対し平田座長は、「盛り土に代わる対策を検討するのがわれわれの仕事で、無害化するという都の方針を議論する場ではない」と述べ、理解を求めました。また、東京都の村松市場長は「無害化が達成できていないことは真摯(しんし)に受け止めている。きょうの会議は専門家の検証結果を聞くためのもので、無害化を約束するかどうかを議論する場ではない」と述べました。
こうしたやり取りは当初の終了時間をすぎても続けられ、平田座長が会議の進行に理解を求めましたが、出席者からは信用できない以上議論できないなどとして平行線をたどり、会議は途中で終了し、改めて議論することになりました。
来月~7月ごろ 移転可否の最終判断
18日の専門家会議の見解は、小池知事が築地市場の豊洲への移転を判断するうえで、重要な節目とされていました。小池知事は去年11月、移転の今後の方向性や段取りについて、ロードマップ=計画表を公表しました。この中で専門家会議は、豊洲市場の安全対策の柱とされた「盛り土」が実際には行われていなかったことを受けて、盛り土がない地下空間の安全性の検証と必要な対策を提言することになっていました。
当初は、ことし4月をめどに報告をまとめる予定でしたが、1月に公表された豊洲市場の地下水のモニタリング調査で、環境基準の79倍のベンゼンが検出され、その後も環境基準を大幅に上回る有害物質が検出されたことを受けて、取りまとめに時間がかかっていました。
18日、専門家会議が示した安全対策については、引き続き議論が継続されることになりましたが、この議論を踏まえ、今後は、市場の採算性などを検証している別の有識者による「市場問題プロジェクトチーム」が今月中にも示す報告と合わせて、都庁の内部に設けた「市場の在り方戦略本部」で豊洲市場への移転や、築地市場を再整備する案について、課題の検討を進めることにしています。
そのうえで、ロードマップの想定では、来月から7月ごろをめどに豊洲市場の環境アセスメント=環境影響評価をやり直すかどうかが都の審議会で審議され、やり直す必要がない場合は、この夏にも小池知事が移転の可否について最終的な判断を行うことになっています。
当初は、ことし4月をめどに報告をまとめる予定でしたが、1月に公表された豊洲市場の地下水のモニタリング調査で、環境基準の79倍のベンゼンが検出され、その後も環境基準を大幅に上回る有害物質が検出されたことを受けて、取りまとめに時間がかかっていました。
18日、専門家会議が示した安全対策については、引き続き議論が継続されることになりましたが、この議論を踏まえ、今後は、市場の採算性などを検証している別の有識者による「市場問題プロジェクトチーム」が今月中にも示す報告と合わせて、都庁の内部に設けた「市場の在り方戦略本部」で豊洲市場への移転や、築地市場を再整備する案について、課題の検討を進めることにしています。
そのうえで、ロードマップの想定では、来月から7月ごろをめどに豊洲市場の環境アセスメント=環境影響評価をやり直すかどうかが都の審議会で審議され、やり直す必要がない場合は、この夏にも小池知事が移転の可否について最終的な判断を行うことになっています。
「無害化目指すのは基本的なスタンス」
専門家会議の終了後、東京都は会議のメンバーと会見を開き、土壌汚染対策について、「汚染を環境基準以下にする『無害化』を目指すのは基本的なスタンスだ」と述べました。
ただ、18日の会議では、東京都がこれからも無害化を目指すのかどうか出席した業者などから質問が相次いだのに対し、東京都の村松市場長は「達成できていないのが現状だ」と述べるにとどまり、出席者側は都から基本的な姿勢が示されなければ議論は成り立たないなどと批判を強めていました。
ただ、18日の会議では、東京都がこれからも無害化を目指すのかどうか出席した業者などから質問が相次いだのに対し、東京都の村松市場長は「達成できていないのが現状だ」と述べるにとどまり、出席者側は都から基本的な姿勢が示されなければ議論は成り立たないなどと批判を強めていました。
平田座長「環境基準 いつ達成できるかはわからない」
専門家会議が途中で終了したことについて、平田健正座長は「業者の皆さんも、こちらも、お互い冷静になったほうがいいね、きょうはやめたほうがいいねということになった。対策案について意見交換したかったが、お互いの了解のうえで次回行うことになった」と述べました。
また、土壌汚染対策の状況については、「現状では環境基準を達成できていないのは事実だ。どういうふうにすれば対策できるのかを考えたい。ただ、非常に時間がかかるので、いつ達成できるかはわからない」と述べました。
また、土壌汚染対策の状況については、「現状では環境基準を達成できていないのは事実だ。どういうふうにすれば対策できるのかを考えたい。ただ、非常に時間がかかるので、いつ達成できるかはわからない」と述べました。
小池知事「中途半端ではいけない」
東京都の小池知事は、18日の専門家会議の議論について、都庁で記者団に対し、「まとまらなかったと聞いた。中途半端ではいけない」と述べました。