「残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」――武蔵野大学・長谷川秀夫教授がインターネットに投稿したコメントが炎上していた件で、長谷川教授は10月8日、「私のコメントで皆様に不快な思いをさせてしまい申しわけございません」との謝罪文を掲載しました(現在は削除済み)。
私のコメントで皆様に不快な思いをさせてしまい申しわけございません。ここで、皆様にまとめて返信させていただきます。
(1)言葉の選び方が乱暴で済みませんでした。
(2)とてもつらい長時間労働を乗り切らないと、会社が危なくなる自分の過去の経験のみで判断し、今の時代にその働き方が今の時代に適合かの考慮が欠けていました。
以後、自分の専門領域を中心に、言葉を慎重に選び、様々な立場、考え方の方々がいることを念頭に置いて、誠意あるコメントを今まで以上に心がけてまいります。(長谷川教授による謝罪コメント/現在は削除済み)
コメントはニュース共有サービス「NewsPicks」と自身のFacebookに投稿されたもの。厚生労働省が初の「過労死白書」をまとめた件を受け、「自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない」「自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず」など持論を展開していました。
月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を確保すべく最大の努力をすべき。それでも駄目なら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき。(炎上していた発言/現在は削除済み)
これに対し、ネットでは「友人が鬱で死にかけたのを見てきた人間としては、憤りを感じる」「この国の少なくない老人が同様のことを考えてる、と思うとゾッとする」など批判が殺到。長谷川教授は後にコメントを削除し、「言葉の選び方が乱暴で済みませんでした」「とてもつらい長時間労働を乗り切らないと、会社が危なくなる自分の過去の経験のみで判断し、今の時代にその働き方が今の時代に適合かの考慮が欠けていました」と謝罪のコメントをあらためてNewsPicksに投稿しました。
「残業100時間で過労死」と言えば、広告大手・電通に務めていた女性社員が昨年末に自殺し、自殺直前の月あたり残業時間が105時間にのぼっていたことから、「長時間の過重労働が原因」として労災認定されたばかりでした。
謝罪コメントが削除された旨を追記し、コメントのキャプチャ画像を削除いたしました。
一部表現を修正いたしました。
Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.