カードの整理、思考の整理

ぶあっとなっていたカードを整理しました。

かな〜り前に、いくつかの企画案についてブレスト的に書き出したものの、結局その企画案が頓挫して、「いつかなんとかしよう」というありきたり先送りを繰り返すことで、散ちらかりすぎて開けるのが怖い押し入れみたいになっていたカード群。いよいよ整理のときです。

もともと、特定の企画を念頭に書き出したカードなので──自由形断片ではなく、目的型断片ということです──、第一整理というか、均し作業自体は簡単でした。3つの山ができました。

※生成された三つの山。

ただ、このままボーッと山を眺めていても、結局片付かないので、テキスト化することにしました。カードに書いてあることを、テキストエディタに打ち込んでいく、簡単な作業です。

とは言え、ざーっと並べても、情報的混乱が拡大するだけなので、位置についてはしっかり考えました。それはどの情報に近いのか。どんな関係があるのか──と書くと、いささか大げさに聞こえますが、簡単に言えば、階層的情報に落とし込んだ、ということです。

わかりやすいのは以下の例でしょうか。

二つの別のカード「イーゼル、ブラックボード、扇POP」と、「POPはお客様へのメッセージと思って書く」を近くに並べ、その上に「POP」というカテゴリを設けました。

こちらは、月ごとのイベント案件を書き込んだカードをまとめてあります。

少し距離感の摑みにくい、言い換えれば、近しいのだろうけども、同一のカテゴリにまとめる決断はまだできないもの、一応は寄せておきます。

さらに、「パンの売り場作り」と「おでん」も近しさを感じるので近くに配置し、さらに「POP」の下に置いておきます。

以上三つの要素から、たとえば「売り場管理の巻」という一つ上のカテゴリが作れそうな気がしてきました。そうなると「人材管理の巻」というのを作って、さきほどのスタッフ項目を入れられるかもしれません。

要素から、構造が立ち上がりつつあります。

さいごに

結果的に、発生したのは以下のような現象と言えるでしょう。

  • 近しい要素が集まることで、それをまとめるカテゴリが生まれる(POPなど)
  • 生まれたカテゴリ同士が集まり、さらに上のカテゴリが生まれる(売り場管理の巻など)
  • 配置されている項目から、埋めるべき項目が見えてくる(1,3,6月以外のイベント、人材管理の巻など)

構造の生成です。

当初、「コンビニ店長虎の巻」というテーマで、トップダウン的にブレストされたものが、一つひとつのカードとして断片化され、その断片をボトムアップ的に組織化していくことで、構造が生まれ、最終的なトップダウン(コンセプト)へと戻っていく。

さらに、そうして総体として生成されたコンセプトに基づいて、今度は個々の要素が調整されていく。『KDPではじめる セルフ・パブリッシング』で紹介した、「ブレイクダウン・フォローアップ法」の一つの好例と言えるでしょう。

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このやり方の最大のポイントは、異なる種類の思考を切り分けられる点です。カードを作るときは、その内容(コンテンツ)だけを考えれば済みます。カードを配置するときには、断片的情報の関連性だけを考えれば済みます。そうして塊が出来てきたら、少し大きい塊についても考えて、それを繰り返していくうちに、一番大きな塊の方向性が見えてくるのです。

これらを、一気に、同時に考えるのはなかなか骨が折れます(不可能とは言いませんが)。できれば分離して進めたいところです。

最終的に、こうしてカード群を整理することで、私の頭の中にある情報群にも一定の構造的秩序が与えられることになりました。あとはまあ、書くだけです。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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