僕は、ずいぶん長い間、単身赴任生活をしている。
”単身赴任って気楽でいいなあ”、などと思っている時期もあったが、ここ数年、こんな生活に疑問を感じている。
最近、母の認知症による不可解な行動を少しでも抑制できれば、と思い、VHSの動画をDVDに焼いたりして、昔の動画を観る機会があったのだが、そんな時に思ったのは、”家族全員が一緒に過ごした時間は想像以上に少ない”ということだった。
家族全員が一緒に過ごした時間が想像以上に少ない理由として、僕が単身赴任をしている期間が長いということももちろんあるが、長女が就職のために家を出たり、次女が大学進学を機に家を出て、そのまま県外に就職し、そのまま結婚する、などが挙げられる。
子供たちの成長などに伴って、家族が別々に生活するようになるというのは、しょうがないことであることはわかっているが、今思い返すと、”やはり家族全員で過ごした時間は想像以上に短かった”ということである。ほんとに。
そういえば、僕の母も言っていた。
”家族が一緒の時間って案外短いよ”と。
”もっと家族との時間を大切にすれば良かった。”
僕にはそういう後悔の念がかなり強い、と自覚している。
だからこそ、”今、これでいいのか?”と自問している。
この疑問を別の言い方に変換すると、”仕事を取るのか、家族を取るのか”ということになるかもしれない。
そして、答えは出ない。
今、福岡では、妻と三女が生活している。それに、ミュウとシャケ。
僕は相変わらず単身生活を送っている。
せめて今、一緒にいられる家族とは少しでも長い時間を過ごして、いろいろな思いや体験を共有したいと願っている。