「カネより命!」 原発再稼働、京都・滋賀から抗議
停止していた原子炉が、わずか1年余りで息を吹き返した。17日に再稼働した高浜原発4号機(福井県高浜町)。施設周辺では反対派の市民らが激しい抗議活動を展開し、地元や隣接する京都や滋賀の住民からも不安の声が上がった。一方、経済関係者は歓迎や安堵を口にした。
「原発いらない」「電気は足りてる」「カネより命」。高浜原発の周囲では、京滋など全国から集まった約100人(主催団体発表)が再稼働に対して反対のシュプレヒコールを繰り返した。
午後1時、「高浜原発うごかすな!」と書かれた横断幕を先頭にデモ行進を開始し、大勢の警察官が警戒する原発の北ゲート前に到着。京都工芸繊維大名誉教授で「若狭の原発を考える会」代表の木原壯林さん(73)=京都市山科区=ら3人が、関電の担当者に再稼働断念を求める申し入れ書を読み上げ手渡した。木原さんは「原発ではトラブルが相次ぎ、制御できるものではないことは明らかだ」と憤った。
京都脱原発原告団事務局長の吉田明生さん(67)=伏見区=は「事故が起これば京都も大きな被害が出るのは福島を見れば明白だ。関電には原発で発電しない電力会社になってほしい」と批判。高島市から参加した中山節子さん(70)は「福島の事故は収束していない。原発事故が起これば取り返しがつかず、子どもたちや美しい自然を守りたい」と訴えた。
のぼりやプラカードを掲げ、午後5時20分ごろまで抗議活動を続けた。
【 2017年05月18日 08時17分 】