先日、歯医者へ行くと
先生が私の歯を見ながら
「あぁ・・・3本ほど虫歯ありますね」
とおっしゃいました。
(やっぱりなぁ)と思うわけです。
歯のレントゲン?をとってもらうと、
先生はさらにこんな恐ろしい事を言うのです。
「特に下の奥歯が酷い、
このまま放置すると大変な事になりますよ。」
(下の奥歯が・・・大変な事!?)
お医者さんにそんな事を言われると、ゾッとしますよね。
これはついに抜歯されるのだろうか?なんてね。
そして先生は私の口をグイっと開けると、
「では今日は上の歯を治療しますね」
と意味の分からない事を言うのです。
(えっ?)
(さっき下の奥歯がヤバイって言ってたのにナゼ上の歯?)
医療知識など皆無な私は、
どうしても素朴な疑問を抱いてしまいます。
ナンヤカンヤ治療が終わると、
「では次回は上の歯の型をとりますね。」
と先生は尚更意味のわからない事をおっしゃるのです。
「下の奥歯がヤバイ」のでは無いのですか?
支払いを済ませ、
受付の小奇麗なお姉さんに
「次回はいつになさいますか?」と聞かれたので、
「では、なるべく早い日にちでお願いします」と答えました。
こちらは無職。
いつでも予定は空いている。
しかしお姉さんは
「うーん・・・・でしたら10日後の◯日でどうですか?」
と言うのです。
(下の奥歯がヤバイのに10日後?)
ムリを言えるワケも無く、
仕方がないので「その日でお願いします」と了承しました。
しかしそれ以来、
下の奥歯がどうも気になって仕方ない・・・・。
痛みを感じたことは無いのに、
何か違和感がある・・・気がする。
無知な素人が考えても仕方ない
よし別の歯医者に行ってみよう!そう考えました。
難しい事は何もありません。
ネットでサクッと近所の歯医者を検索して、
電話で予約を入れて、
次の日すぐに診察して頂ける事になりました。
当日、歯医者のある住所へ歩いて向かうと
遠くの建物の上に
「◯◯歯科」という大きなカンバンが目に入りました。
カンバンのある方へ、
テクテクと歩いて向かったのですが、
カンバンの付近へ行くと、なぜか歯医者が見当たりません。
(おやおや?)
歯医者を見失ってしまった。
もう一度来た道を戻って、
カンバンを確認して歯医者があるべき場所へ向かいます。
近づくと、カンバンはあるのに歯医者が無い・・・・・
そこでハッと気が付きました。
あっまさか・・この目の前にある
ボロボロの木造の建物が歯医者なのか・・・?
「えっ?」
という声が思わず出てしまいました。
大変失礼な話なのですが・・・・
この「え?」は
「え?この歯医者ちゃんと治療してくれるんですか?」
の「え?」です。
しかし「人を見かけで判断しちゃいけないよ?」と
幼少の頃、保育士さんに言われた事を思い出し我にかえりました。
コレは人でなく建物だが、私は約束を守る男だ。
先入観は良くない、まぁまず入ってみよう。
ドアノブをぐるりと回し「こんにちわ~」と
昔やっていた飛び込み営業を思い出しながら中に入ります。
無音。
そして無。
何もない。
玄関を開けると、
飾りも、
置物も、
絵も、
カレンダーも何も無い。
人の気配も無い。
(空き家・・・いや廃屋??)
どう見ても歯医者には見えません。
何もないただの古い木造住宅です。
何の案内や表示もない。(不親切にも程がある)
しかし足元にピンク色のスリッパが1足だけ置かれている。
病院によくあるスリッパにも見える。
上がってよいのだろうか?
(まぁ大丈夫だろう)
コチラは無職。
別に警察に捕まって困る事もない。
カラフルなピンクスリッパを履いて奥へとススム ・・・・・
古い木造ゆえ、床がギシギシと鳴り響く。
奥の扉を開けると、
歯医者の受付っぽい場所があった。
受付?にご婦人もいらっしゃる。
なんだかホッとする。
診察券を出し、
「予約した◯◯ですと名乗る」
「ああ・・・はい」
やる気の無さそうな返事が帰ってくる。
そこで私は見てしまった・・・
受付に置いてある、
手書きの予約者一覧表に
私ともう一人の名前しか載っていないのです。
ババーン
いまの時刻は夕刻。
予約は0
待っている患者さんも0
この歯医者さん・・・超不人気じゃないか?
(やっぱり、ちゃんと治療してくれないんじゃないか?)
いや違う!!!
問題なのは「治療された時」だろう。
前回、別の歯医者さんに、
「奥歯がヤバイ!」と言われていたハズ。
まさか・・・・ここで抜歯とかされる事になったら・・・・?
(本当にシャレにならん・・・・・)
そうこうしているウチに、
名前を呼ばれ、診察室に入る事になってしまった。
医療の知識はまるで無い私ですが、
どう見ても設備が古い。
診てもらうだけ、診てもらおう・・・・・。
もし何か治療する事になったら、
絶対!断固として断ろう。
そう心に誓いました。
奥から無言で現れるご年配の歯医者さん。
(この人がここの主・・・・・)
挨拶もなく、
私の口を無言で開く先生。
もうこの歯医者の全てが信用できない、
口の中を見られるだけでも怖すぎる・・・・・・・。
・・・・・・ぐぐぐ・・・・・・
絶対に治療は拒否するぞ・・・・
しかし、年配の先生からは全く予想外の答えが返ってきました。
「あれぇ?虫歯ないよぉ~?」
「治療する必要ないよ?」なんて言うのです。
(えっ!?いやいや)
前回の先生は3本の虫歯があると
レントゲンを見せながら説明してくれたのですから。
さすがに虫歯が無いわけがない!
(なんてヤブ医者だ・・許せない)
私は思わず反論しました。
「そんなわけがありません!!
だって前回レントゲンで・・・」
そう私が必死に説明すると・・・・・。
「あぁ・・・なるほどね・・・・・」
キュィィィイィイィィン
キュィィィイィイィィン
ガリガリガリ・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
なんであんな余計なこと言ったんだろうか・・・・・。
凄く痛かった。
オシマイ