先日、久しぶりに親戚家に行く機会がありました。
まあ色々ありましてね。
ちょっと親戚が集まっていたわけですよ。
僕が今住んでいる森だらけのところとは違って、親戚家は海に近いところにあるので、お魚が新鮮。
食卓に並ぶのも刺身やら貝やら、普段食べないようなものばかり。
鯛やヒラメが舞い踊る!ってね。
…すみません、その日は鯛もヒラメもいなくてアジとかコウイカの刺身が主でした。
叔父さんが釣ってきたばかりのものというこれ以上ない食材に加え、叔母さんは調理師なので料亭に劣らないレベルの美味さでしたね。
で、一同に十分酒が入ったところで出て来たのが件の食べ物。
「近所の中国人から乾燥ライチ貰ったんだけど、食べる?」
字面がヤバイ
たぶん乾燥ライチじゃない
ピントが合ってないな!
これ、手に取って振ってみるとカラカラと怪しい音がします。
例えて言うなら新宿のガード下で待機している占い婆の箸束くらい軽い音です。
見た目の怪しさもさることながら、「近所の中国人から貰った」という出所の不透明さも疑心暗鬼に拍車をかけてきます。
ていうか、まずね…。
これどう見てもライチじゃなくない?
僕の知ってるライチは、もっとこう、ゴツゴツトゲトゲしてる感じのさ…。
ソルティライチでひとつまみされてるあれのイメージなんですよ。
いやよく見たらこいつも「タイ・チェンマイの知恵から」ってなかなかのパワーワードだな。
「タイ・チェンマイからソルティライチ貰ったんだけど、飲む?」
まあライチ好きだから飲むけどさ…。
でね、ほら、この画像みたいにさ、赤くてとげとげしているのがライチじゃないですか?
中身はつやつやと瑞々しい花王アタックも鼻水吹き出すほどの驚きの白さですよ。
それがライチってもんです。
とりあえず割ってみた
ヤバいだろこれ
なんで黒いのwww
アタックも計量匙投げるレベルの驚きの黒さwww
もう親戚一同ドン引きですよ。
「これ食えるの?」って言ったのが誰だったかもう覚えてないんですが、それに対する叔母の返答。
「中国では」
中国ではwwwっww
なんかよく分かんないけど中国の尼さん(海女さん?)が食べるものらしいです。
だから健康にいいらしく、海の向こうではまあ何だかの効能を期待して食べているのだとか。
って、肝心な情報が抜けすぎなんですけど!!
ていうか尼さんってことは、たぶんそれ薬膳料理的なあれでしょ?
良薬口に苦しでとても美味しいとは思えないんだけど大丈夫なのか…?
いや食べるよ!
食べるけどさ!!
実際に食べてみた
美味い
これがさ…ライチではないんだけど干したレーズンに近い味で結構いけるんですよ…。
種があって、その周りを囓るんだけど、結構肉厚で美味いんすよ…。
これは癖になる味。
なんかごめんな、タイ・チェンマイ…じゃなくて中国の尼さん…。
でも「近所の中国人」ってよく分からないけど、字見てるだけで笑えてこない?
別に中国人がどうとかっていう話じゃなくてさ。
親戚の住んでいるところって、僕が今住んでいるところほどじゃないけど、それなりに田舎な訳ですよ。
別に国際色豊かなわけでもいい仕事があるわけでもなくてさ、昔ながらの土地みたいなところで、外から(特に海外から)人が来るなんて考えないところ。
そんなところにまず「外国の人」がいるなんて思わないし、そんな人が「乾燥ライチ」とかいう謎食材をくれる非日常感も笑えるし、実物もアレなので僕の中では相当笑える出来事だったんですね。
でしかも、これ美味いんだもん!
流れ的にまっずううううっていうオチを用意したいのに美味いという空気の読めなさ!
どうしようかと思ったけど…そうだよ。
美味いから忘れるところだったわ。
お前、ライチじゃないだろ
たぶん正体は龍眼
よく分かんないけど、ぐぐってみたら龍眼(リュウガン)っぽかったです。
ライチの仲間だそうですね。
漢方とか薬膳とか滋養強壮剤に利用されているそうなので、ほぼ間違いないのではないかなあと思ったり。
結構色んな効能があるみたいなので、気になる方は調べてみてください。
まあ、いきなり「リュウガン」とかいうマイナーフルーツ出されたらびびるし、乾燥ライチっていう表現はありだったのかもしれません。
近所の中国人さん、よっぽどこれを食べて欲しかったんですね。
貰った分は食べきってしまったので、今度親戚家に行ったときにまた貰っていることを期待します。
(買う気はない)
ニートのあとがき
画竜点睛!!!