最近武蔵小杉に住み始めた中年女性のことを、「ムサコマダム」と呼ぶという話を聞いた。
どんな感じの人を指すかというと、こんな感じ
武蔵小杉に開業したショッピングモール「グランツリー武蔵小杉」のメインターゲットは、年収1000万円以上の30代、40代のニューファミリー層。
「ムサコマダム」はそのターゲットとなる裕福な奥様を指しています。
その経済力に物を言わせて美容やファッション、オーガニックな食生活などライフスタイルに手を抜かない「ムサコマダム」。
30~40代の新しいファッションアイコンとして憧れの存在となっているのです。
うわー女子力がたかい、たかーい。
地元民に言わせれば、「グランツリー武蔵小杉」かっちょいい名前で、すごそうなこと言ってるけど、あの建物4階建てとかだからな?
適度なアングラ感と郊外感が楽しかった武蔵小杉を「どこにでもあるような地方都市の中流階級の街」にした、クソみたいな建物だと思ってますよ、僕は。
なにがグランツリーだよ!昭和末期の百貨店文化の焼き移しじゃねーか!!
グランツリー武蔵小杉なんて言ってるけど実態は、4階建てで、入り口をだだっ広く、外から見たらずんぐりむっくりした建物。
「ニュータウンの奥様方が多少見えが張れるように作られた、郊外型百貨店の、2010年モデル」だからね??
神奈川とか兵庫とか埼玉とかその辺に百貨店が多いのは、郊外の中流階級のいいところにお勤めな会社員のご婦人がちょっと旦那に内緒で高めのところでランチしたり、お茶したりして、息抜きするための場所…があると、都落ちな山の上でも、多摩川に仕切られた辺境の地でも、ババアどもは自慢の街と言い張れるからです。
ちなみに、新しく来た連中の浮かれっぷりはハンパなくて、本当に自分たちのことを自慢の街とか言ってます。
自慢の街 武蔵小杉
大好きな 武蔵小杉
住みやすいから武蔵小杉東ー急スクエア♪
↓ナウでヤングな感じでオサレな感じの元ネタ
何が自慢の街だよ!!
田舎っぺが喜びそうなつまんねー街じゃねーか!!
…特に神戸市営地下鉄の始発の方はそういう街ばっかりなので、よーく知ってます。
野を超え山を超え、海の方に近づいていかないと、個人のお店が並ぶような下町感と都会感に溢れた町並みが広がらない山に埋まった神戸を「だっせー街」と思いながら、時折用事があって行ってたので、よーく知ってます。
横浜で言うところのセンター北、世田谷で言う二子玉川みたいな街がぽこぽこ山を削り取って作られているのが神戸という街で、僕はたまーにくる三宮の下町に憧れてたよ。
施設は充実してて住みやすいけど、変なプライド持ってるおばちゃんとせんこーばっかりの田舎臭い地元。安定といえば聞こえがいい退屈な街。
…それに引き換え、川崎や武蔵小杉、溝の口は好きです。
地方都市っぽい百貨店やイトーヨーカドーがあっても、それに負けないぐらい個人店が並んでて、綺麗すぎない都会ならではの活気があって、すごく楽しい街です!!
再開発されてる部分は、活気あふれるところとは完全に別エリア。
「武蔵小杉がアツい」とか言ってるけど、ちゃんちゃらおかしいよ!!
ただ、ごく普通の地方都市みたいな暮らしが武蔵小杉でできるようになっただけ。
田舎っぺ出身の育ちのいいボンボンが住めるようになったから「アツい」とか言うの本当におかしいよ!!
横浜市青葉区か二子玉川でも住んでろよ!!
蒲田ほど荒れ果てず、横浜よりは雑で楽しい俺の川崎に、見当違いなことを期待してんじゃねーよ!!
厳密に言うと武蔵小杉じゃないところの方がタワマンブームなんですけど…
武蔵小杉の下町感は「昔そうだった」 ではなく、現在進行形で下町っぽさは残っている。
相変わらず個人のお店が元気だから、おいしいお店・リーズナブルなお店はブログで紹介している。
…そうです、武蔵小杉のタワマンとか、グランツリーが立つようなところは工場跡地です。
駅前と言っても、昔は工場以外何もなかった場所に強引にタワマンと高そうなお店を並べて「ムサコマダム」なんて宣伝をして回ってできたほとんど嘘みたいなブランドイメージです。
実際、グランツリー武蔵小杉のウィキペディアを読めば、もろに東京機械製作所の玉川工場跡地って記入があるし…。
グランツリー周辺のマンションなんかまだ一応駅前だからいい。
もっと問題なのは、「横須賀線武蔵小杉駅」側に立ってるタワマン!!
これなんか、完全に隣の向河原駅の方が近いもん!南武線や東急線の武蔵小杉駅がつながってるけど、500メートルぐらい歩かないと乗り換えができないんだもん!
ちなみに、向河原駅とはNECの工場のためだけに作ったような駅で、NEC従業員の専用出口が駅にあるという、変わった駅。
NECの研究と生産の拠点で、膨大な敷地を誇る。
それでいて、縦にも長くてツインタワーの巨大ビルが立ってる。4階建てではなく、2つとも100m超えの超高層ビルです!
「NEC玉川ルネッサンスシティ」とかいう仰々しい名前のタワーもある。
もうお気づきかと思うけど…元々はNECの工場だったところが横須賀線武蔵小杉駅であり、タワマンが立ってるようなところです。今も健在ですが、ちょっと譲ってもらって駅やマンションになってます。
だから、厳密には武蔵小杉じゃないし、
日頃使うようなお店にはちょっと遠いかったり、
あからさまに富裕層向けのお値段にされたりして…その…高いお店ばっかりが近隣にできてしまうから周辺に比べて生活コストが割高になりやすい…そういう街です。
ついでにもっとご察しの言い方なら、この武蔵小杉ブームの正体にもお気づきなのではないでしょうか??
実は投機目的の物件が立ちやすい川崎
NECもそうだけど、川崎に巨大な生産・研究拠点を置いている製造業の大企業は多い。
今問題の東芝さんは川崎駅の西側など川崎区と幸区にたくさん工場・関連企業がある。富士通に至っては武蔵中原駅の前がもろ本社。川崎フロンターレの親会社でもあるし。
それから、本社ではないんだけど、異様に拠点が川崎の周りにうようよしているのがキャノン。
本社が川を隔てた下丸子にあるせいで、川崎には4つの工場・事業所がある。
最後は…日立。日立は目立つところにはないんだけど、実はけっこうある。
何が言いたいかというと、川崎の駅前にホームレスみたいな人がいっぱいいる一方で、お金持ちもいっぱい住んでる街なんです。
そういう人は、金が余ってるから自分の住環境もしっかりさせたいし、位が高い人になると投機用の物件として川崎にできた物件に手を出している人もいるそうな…。
川崎に外から住みたい人ももちろんいるけど、資産運用目的でのニーズが川崎の場合はあるから、マンションがポコポコ立つ。
世間体を気にするお仕事の人達だから土地やマイホームの信仰が強い分、株や為替…ましてや私が取り組むような仮想通貨なんかよりもずっと「安定してる」「実態がある」とかなんとか言って、投資する。
日本中空き家だらけだけど、買う人がいればどんどん建てていく。
それが、かつての川崎の象徴的存在だった工場の跡地に立って、すごく地方都市的でニュータウン的なマンションと新しい駅とありがちな商業施設へと変わっていく。
いや~時代ですわ。
「それでも、川崎に住んでみたい」というために少しだけ情報を。
同じ横須賀線沿線をご希望ならお隣の新川崎も検討に入れた方がいいかと。
南武線の鹿島田駅とは新川崎駅改札内でつながってないけど、徒歩での距離は明らかに武蔵小杉の改札内を歩くよりも近い。
しかも、タワマンや新築マンションがぽこぽこ立ってるのに、武蔵小杉ほどメディアが持ち上げてないから、武蔵小杉と同じような新築やタワマンに-5~15万ぐらいのリーズナブルさで住めます。
東横線沿いなら新丸子とか
元住吉とか検討した方がいいんじゃないかと。
新丸子は武蔵小杉の隣の駅。孤独のグルメにも出てきた三ちゃん食堂とか、学生向けの食事を出してるユニークなカレー屋さんがいっぱいある駅。独り身・自炊しないみたいな人には特におすすめ。
元住吉は逆の隣。自炊もするし普段の買い物もするような人は長い商店街があるからこっちのほうがいいかも。
タワマンはないけど、築年数の新しいマンションはぼちぼち見つかるし、そっちの方が「住みやすい」街。どちらも急行が止まらないから、小杉や日吉に比べると割安。
新丸子から小杉は余裕で歩けるし、元住吉でも言うほど遠くはないから正直、小杉に住むつもりなら一度この2つの駅も降りてみるのがおすすめ。