ジャカルタ=古谷祐伸
2017年5月17日22時31分
インドネシア北部アチェ州のイスラム法裁判所は17日、2人の男性被告が同性愛行為をしたとして、それぞれに公開むち打ち85回の刑を言い渡した。同国で唯一、厳しいイスラム法の施行が認められている同州で、同性愛行為に有罪判決が下されるのは初めて。
同裁判所などによると、2人は20代。3月、州都バンダアチェの自室で性行為をしているところを近所の自警団に踏み込まれ、イスラム法警察に逮捕された。検察側はむち打ち80回を求刑していたが、裁判長は85回に上積みした。公開刑は今月下旬に実施される。
長く独立運動が続いた同州ではイスラム法に基づく自治が認められ、イスラム法を扱う独自の警察や裁判所が存在する。2015年には同性愛行為が最高むち打ち100回に値する罪として州条例に追加されていた。ほかの州では同性愛行為は合法だ。
今回の事件では、被告2人が自警団に殴られ、服をはぎ取られる様子を写した動画がインターネットで広まっており、公開むち打ち刑を含めて人権侵害行為だとの批判が出ている。(ジャカルタ=古谷祐伸)
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朝日新聞国際報道部