現代の日本では、7割の人が口呼吸になっていると言われます。子供の場合では、8割に達しているとも言われます。
本来、呼吸は鼻でするものです。人間以外の動物は皆、鼻呼吸をしています。(犬が舌を出してハーハーやっているのは、体温を調整しているので、口呼吸をしているわけではありません)
人間も、赤ちゃんの時は、鼻呼吸しかできませんが、言葉を話せるようになるにつれて、口呼吸をするようになってしまいます。
本来鼻でする呼吸を口でやることによるデメリットはいろいろあります。
無意識に口呼吸をしている人は、この記事を読んで、鼻呼吸に替えましょう。
あなたは口呼吸をしている?チェックしてみましょう
つぎの項目に当てはまるものが多いほど、いつの間にか口呼吸をしている可能性が高いですね
・普段、口が開いていることが多い
・口を閉じると、アゴの先に、梅干しのようなシワができる
・口の両端が下がって、「へ」の字型になっている
・歯並び、噛み合わせが悪い
・唇が乾燥しやすい
・下唇が厚い「タラコ唇」になっている
・朝起きると口の中が渇いていたり、喉がヒリヒリした感じがある
・食事の時、クチャクチャと音をたてる
・アレルギーや副鼻腔炎(蓄膿症)で鼻づまりの症状がある
・風邪を引きやすい
・口臭が気になる
・口内炎ができやすい
・おならが良く出る
・イビキをかく
透明なプラスティック製のコップがあれば、そのフチを、鼻のすぐ下に当てて、いつもどおりの呼吸をしてみましょう。口呼吸をしていると、吐いた息でコップが白く曇ります。
どうして口呼吸は良くないんでしょう
鼻で呼吸をすると、鼻の粘膜が、空気中の細かいホコリやゴミ・細菌などをキャッチして、それを、粘膜に生えた細い毛(線毛)が、運び出します。
口で呼吸をすると、細菌などが直接体の中に入り込んで、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったりします。
また、鼻の粘膜では、吸う息に湿度が与えられますが、口呼吸ですと、乾燥した空気がそのまま入ってきて、睡眠の質が悪くなり、イビキをかいたり、睡眠時無呼吸症候群になったり、ドライマウスになったりします。
そして、唾液の量が減って、その結果口の中で雑菌が繁殖して、口臭がキツくなったり、歯周病が進んだり、虫歯になったりします。
また、前歯と唇が触れあわないので、歯に色がついて落ちなくなることもあります。
口呼吸では、鼻呼吸より酸素を充分に取り入れられないので、疲れやすくなったり、集中力が落ちたりします。
食事の時は、口が開いていると圧力が下げられずに、ものを飲み込みにくいので、無意識のうちに、舌で上の歯と舌の歯の間を塞ごうとします。
このとき、歯にかなりの力が加わりますが、歯は横からの力に弱いので、出っ歯になってしまうことがあります。
美容面では、鼻から上の表情筋を動かさないせいで、眼のあたりがたるみます。口をポカンと開いていると、二重アゴになったり、受け口になったり、ほうれい線ができたりします。
どうしたら鼻呼吸になるんでしょう
口呼吸から鼻呼吸へ変えるには、次のような方法があります。
鼻呼吸を意識する
口呼吸のクセがついている人は、いつでも意識して、舌の先で、上あごを押し上げるようにします。
だんだん舌の筋肉も鍛えられ、鼻呼吸が習慣になります。
ガムを噛む
口呼吸になる原因の一つに、口まわりの筋肉が衰えてくることがあります。
また、口呼吸をしていると、歯の噛み合わせが悪くなってきます。すると、ものを噛むときに、つい、片方の歯で噛む傾向になります。
ガムを噛もうとすると、自然に左右どちらかの歯だけを使おうとしようとしていませんか。そんなときは、粒状のシュガーレスガム(キシリトール入り)を、普段使いがちな方に一つ、そうでない方に二つ入れて、口をしっかり締めて、小刻みに軽く噛むようにします。あまり力を入れて噛むと、歯や歯茎にダメージを与えてしまうので注意しましょう。自然に口が閉まり、どちらかだけで噛もうとする習慣がなくなるまで続けてみましょう。
口のトレーニングをする
「あいうべ体操」は、口呼吸の改善のために考え出されたトレーニング法で、定評があります。
寝るときは
就寝時は、マスクを、口だけ塞ぎ、鼻は出すようにしてかけます。または、絆創膏や口呼吸防止用のテープで口が開かないようにします。
鼻が詰まっている場合は、鼻づまりを良くするグッズを使って見るのも良いですね。
枕は、気道を圧迫しないよう、なるべく低いものにして、仰向けで寝るようにします。
肥満を解消する
肥満している場合は、首回りに脂肪がついて、鼻呼吸だけだと苦しいので、つい口呼吸になってしまいます。
なるべく、余計な脂肪を取るようにしましょう。