肺がんの末期(ステージ4)症状・生存率・治療方法
肺がんのステージごとの生存率はどれくらい?
病期 | 症例数(件数) | 5年生存率(%) |
---|---|---|
Ⅰ期 | 5,319 | 80.7 |
Ⅱ期 | 1,212 | 42.5 |
Ⅲ期 | 3,618 | 21.2 |
Ⅳ期 | 3,890 | 4.7 |
全症例 | 14,391 | 41.0 |
肺がんは初期時点では自覚症状が出にくく、発見が遅れやすいがんの一種です。
気づいたときには末期になっていた、というケースも珍しくありません。さらに肺がんは比較的初期の段階でも生存率が低く、ステージⅡの時点でも50%未満といわれています。
そして、ステージⅣでは、5%を切る生存率になっています。
これは、肺という部位が現在の医学の手術中心主義では、根治がしにくい部位だからと言えます。
下記の表は2003年から2005年の3年間に、肺がん治療を受けた患者を対象に行われたデータです。
なお、この数値には外科治療に限らず、放射線療法・化学療法など肺がんを罹患して受けた治療全てが含まれています。そのため、他の「外科治療を受けた肺がん患者生存率」などの数値とは異なるかもしれません。
また実際に患者さんの状態を調べるときには、医療機器や医師による診察はもちろん、患者さんの日常生活の状況も確認が必要です。その際によく利用されるのが肺がんが末期・初期問わず、医師の診断やヒアリングをもとに「ECOG PS」と呼ばれる評価で診断がされます。
末期(ステージ4)の肺がんの治療方法について
肺の切除手術は困難なために、現状では、手術できるのは、ステージⅡまでと言われています。
又、肺という部位が、多品種の臓器とかかわっているので転移している現状では、抗がん剤か放射線の一般的な治療方法では対応の仕方がありません。しかし、放射線も抗がん剤も、非常に人体への影響が大きいだけでなく、身体全体へ転移している場合には、対応の仕方がないのが、現在の医学の限界です。
それゆえ、肺がんの中で末期になるステージⅣでは、肺がんが脳・胃・骨・肝臓・腎臓などいたるところに転移しているため、放射線治療の対象にもなりません。 そのため、全身に広がった末期の肺がんに対しては、抗がん剤による化学療法が標準治療となります。 しかし、現状の抗がん剤は、部位ごとに調整されている薬のために、全身に広がるガンには、効果が約束されていません。
肺がんの治療方針は、患者さんが罹患しているがんの遺伝子型・広がり方・発生場所・患者の要望・体力など、多くの要素を考慮検討した上で決定されます。そこで、通常医療の代わりに、一般的な治療とは違った側面からがんに対してアプローチしていく代替医療に注目が集まっています。その中で、厚生省は認知していない漢方が脚光を浴びています。
いくつかの代替治療は、ガンをすべてなくすことを目的としていない。
という、今までのがん治療では、考えられなかった新しいアプローチが用意されています。それは、がんを体内に保有したまま生きよう!という考え方です。
この考え方では、老衰で死ぬまでがんを体内に保有したままでも何も問題はなく逆に、がんを取り除くことで、健康な細胞が疲弊してしまい症状が悪化する。
また、患者の自然治癒力を引き出し、QOL(Quality of Life=生活の質)を高める目的として、通常医療の代わりに、一般的な治療とは違った側面からがんに対してアプローチしていく代替医療が採用されるケースも増えてきています。
EBM(Evidence Based Medicine)の限界
現代の医学は、エビデンス(診療根拠)が明確な手法だけで構成されている。それは、確かに正しく、無用で証明(治験データ)がないものは採用しないという姿勢です。
しかし、のどが痛い時に、お茶でうがいをすると楽にうがいができる。これには、エビデンスはない。従って、医師は、消毒液でうがいをするようにと指示をする。しかし、消毒液は、のどが痛い。
あなたなら、どうしますか?
これが、代替治療ということです。特に、漢方は、その経験が、数十年簡に、数十万人が利用しても、エビデンスとしては認められていません。それは、このEBMという考え方が、単一の病巣を治すことでしか評価しないからです。
身体全体の自己免疫力を向上させるということは、評価の尺度がないから評価しないという現状があります。
漢方薬は、その病巣に効果があるというものも多数ありますが、病巣のもとを形成している細胞を元気にすることで、病巣になっている細胞自体を健康な細胞に変革させます。
さらに総体的に身体自体を元気にする漢方は自己治癒力を活性化させるのですが、残念ながら、EBMの世界では、人間が本来持つ自己治癒力は認められていません。(なんと日本の医学部では、自己治癒力に関しては、講義がないのです。
末期がん(ステージ4)に有効な治療方法としての代替治療
がん治療において代替治療が求められている理由には主に次のようなことがあげられます。
①西洋医学の壁
化学療法をはじめとするがんに対する西洋医学の進歩はもちろんありますが、はもちろんありますが、依然として再発・転移による死亡を防ぐことが難しく、克服すべき大きな課題となっているのが現状です。さらに、合成化学薬品のもたらす劇的な治療効果に反して、非常に重い副作用(免疫抑制あるいは毒性)が逆にがんの完治、あるいは根絶を困難にしていることも大きな問題となっています。そこで、人間が本来的に持つ「自然治癒力」を引き出し、「免疫力」を高める治療法として、伝統医学や漢方による代替治療が、現在、がん治療の選択肢として注目を集めています。
②Q.O.Lを向上させる代替治療
標準治療の副作用等を軽減し、患者さんのQOL(Quality of Life=生活の質)を高める目的として代替治療をがん治療に用いられることが増えてきました。西洋医学的な治療によって引き起こされた諸症状や副作用を軽減することにより、各種治療を継続するために代替治療が必要となっています。
③EBMによる対処療法だけでは、がんは治せない。
病気の治療には、症状を改善する「対症療法」と根本となる原因を取り除く「原因療法」があります。これまで多くの医療機関などで実践されてきた医療は、「対症療法」を中心とした西洋医学が基本でした。 しかし、近年の世界的な医療の潮流は、単に病気だけではなく、人間の心と身体の全体を診る「原因療法」を中心とした漢方などの伝統医学や代替医療も取入れるべきであるという「統合医療」の考え方に大きく移行してきています。しかし、日本においては、この「統合医療」とは、医師が踏み込めない禁断の世界のようになっています。だから、医者の中だけで通じている、「病気は治ったけど、患者も死んでしまった。でも治ったからよかった。」というわけのわからない理屈が、現状のEBMで形作られた日本の医学界の限界です。
医療先進国アメリカでは、どんな代替治療が主流となっているの?
実は医療先進国アメリカでは、手術→抗がん剤→放射線といういわゆる標準治療と呼ばれる方法は激減しています。下のアメリカでの代替治療の事例を紹介している動画をぜひご覧になってみてください。日本人が知らないことが、多くあるということが分かります。
動画でも紹介されていましたが、代替治療には、リンパ球療法、ビタミンC点滴療法、温熱療法、漢方療法、その他にも様々なものがあります。これらの治療方法は実際に世界中で現在行われています。
日本では代替治療というと二次的な扱いをされることが多く、大学病院、総合病院では標準治療が中心となっています。しかし、抗がん剤、放射線治療には体に非常に負担のかかる副作用の問題、体力が衰えていて手術ができない、転移・再発、さらに末期がんとなると手の施しようがなくなるなど、標準治療にも問題点があります。特に末期がんに対して、標準治療では治療法がないなど、標準治療では対応ができない。
何故なら、分散して転移している場合、局部の部位だけを治療する現代の治療方法では対応ができないからです。
例えば、肺から肝臓に転移している場合。肺だけなら、抗がん剤でたたくことも出来ますが、肝臓にもあると、肺用の抗がん剤と肝臓用の抗がん剤を両方使用することは、格段に患者の身体をむしばみます。
そこで、がん患者の方は副作用で苦しむ治療法ではなく、身体に負担がなく、自分らしくQOL(生活の質)を保った生活をして、がんを克服したいと望まれ、いろいろな代替治療を求めるケースが多くなっています。
そうです、現代は治療方法を選択できる時代なのです。
身体に良い代替治療としての漢方とは
代替治療のなかでも、がん治療の選択肢として大きく注目されているのが漢方療法です。 漢方薬は、西洋薬と比較して各生薬が非常に長い経験と臨床に基づいて安全性と有効性が実証されてきており、大学病院などでも取り入れられるようになりました。こうしたことから、一部では西洋薬と同等の評価基準を用いるべきではないかと考えられています。
また、最近では、人間が本来持つ自然治癒力・免疫力を高め、がんを克服し、心身ともに健康な状態を作ることを目的とする、身体、心、生命の人間まるごとを診るホリスティック医学を導入する医療機関も増えてきました。
このような背景から自然治癒力・免疫力を高めるはたらきのある漢方が、がん治療において大きく注目を集めているのです。
漢方は身体にどのように作用するのか
漢方薬の特徴は、身体の一部分にはたらきかける西洋医薬とは異なり、身体全体にはたらきかけ作用するというところにあります。
漢方薬は、西洋医薬の抗がん剤のように、局所的にがん細胞を殺傷するといった劇的な効果は期待できません。しかし、抗がん剤は劇的な効果がある一方で、がん細胞と一緒に正常な細胞までも殺してしまい、その結果として免疫力を落とし、さまざまな副作用が生じるリスクを持っていることはご存知だと思います。
西洋医薬に比べて天然生薬が成分の漢方薬では、身体の免疫力を高めて、身体全体に作用して効果を発揮させることが特徴です。
末期がん治療に最適な漢方療法
末期がんによる余命宣告をされてから、漢方治療によって症状が回復した例は数多くあります。
西洋医学では、どうしても、部位ごとの治療を転移の数だけ行うので、投薬する抗がん剤は、人間の健康な細胞までを犯す強い毒物になってしまいます。一方、漢方は、一種類の薬で、身体全体の細胞にがんに対抗する力を与えることができます。つまり、転移している箇所が数か所で有っても、1種類の漢方薬で、身体全体のがんに侵されている若しくはそのがん周辺の細胞の自己治癒力・活性力を高めます。
これこそが、漢方薬が末期がんにも効果があるという理由です。
漢方治療によりQ.O.Lを高めることで痛みなどが緩和され、病院でずっと入院したりするのではなく、最後まで人間らしい生活の質を保って生きることができるようになることは、患者さんとご家族にとっても非常に大きな意味があります。
何も治療法がなく、医師からは緩和ケアを勧められ希望を失うということは、精神的に大きなマイナスとなります。生きる希望を持ってもらうという意味においても、末期がん患者さんへの漢方療法はとても有効なものです。
エビデンス(科学的根拠)のある抗がん漢方が代替治療として存在します
日本においては、がん治療はまだまだ標準治療がメインとなっていることは事実です。また、漢方もがん治療に有効だと積極的に進める医師が少ないのも事実です。
医療先進国からの情報が患者さん達にしっかりと届いていない現状もありますが、がん細胞を攻撃したり、自分の細胞自体を活性化して免疫力を上げてくれるエビデンス(科学的根拠)を持つ漢方薬(抗がん漢方)が実は存在します。日本を含め世界各国で使われている抗がん漢方で、しっかりとした研究機関において臨床試験などの論文が発表されています。
具体的にどのような効果が発表されているかといいますと、
- 手術前の体調を整える効果、手術後の体調を回復させる効果
- 抗がん剤、放射線治療の副作用の軽減のみならず、その効果を高める
- 末期がんの患者さんに関しては、食欲が復活して体調が改善したり、症状が軽減する
このように、肺がんの末期(ステージ4)の治療方法としての抗がん漢方は、科学的根拠も立証されており、日本において30年間、30万人の患者さんに使用され、なによりもがんに効く代替医療として選ばれ続けているのです。
»抗がん漢方の研究・臨床試験について詳しく知りたい方はこちら
末期(ステージ4)の肺がんの症状について
肺がんの末期症状は、骨やその他臓器への転移が代表的です。 初期段階の肺がんは自覚症状が少なく、発見が難しい種類だから、症状が進むにつれて徐々に症状があらわれた時には遅く、末期段階になると、骨・肝臓・脳などさまざまな部位に転移してしまうのです。末期の肺がんが転移した場所によって、あらわれる症状は異なってきます。
がんが脳に転移すると、その影響で脳が司る言語機能や手足の麻痺、それに伴う歩行困難などの症状がみられるようになるでしょう。場合によっては、人格さえ変化してしまうこともあります。また肺がんが骨に転移した場合は、骨やリンパ節を通して全身に急速転移する可能性があるので、その他腎臓・胃・肝臓・リンパなど上記以外の部位にも例外なく転移します。
肺がんが進行して末期となり、全身に転移すると並行して患者の食欲も低下していきます。その結果手術や薬物治療に耐えられる体力もなくなり、寝たきりの状態になっていくこともあります。特に末期の肺がん患者の場合、突然に呼吸困難になってそのまま亡くなるケースも多々存在するので、注意が必要になります。
ステージⅣまで進行した肺がんの治療は現状の医学の範囲では、事実上不可能に近く、モルヒネなどの痛み軽減や苦痛の緩和や、漢方等によるQOL(生活の質)改善の処置を施されることが多いです。
だから、代替医療に注目が集まっています。
特に漢方は、部位ではなく、身体全体の細胞へガンと闘う自己治癒力を回復させるので、期待が高まっています。
ステージとはいったいどのようなものか?
がんのステージは、ステージ0から4まであります。
実は、あまり知られていないことですか、人間の身体では、いつも毎日、がんが生まれては、体の免疫力で消滅させています。それが、ある時、免疫力が弱まっている時に、がん細胞が活力を増してしまうのが、がんという病気の発生です。
ステージの進行度合いは、基本的には図のように分類されています。
ステージ0
がん細胞が上皮(身体や臓器の表面あるいは内腔などをおおう組織:消化管では粘膜)内にとどまっており、リンパ節に転移はしていない
ステージ1
腫瘍が少し広がっているが筋肉の層まででとどまっており、リンパ節に転移はしていない
ステージ2
リンパ節に転移はしていないが、筋肉の層を超えて浸潤(広がること)している。または、腫瘍は広がっていないが、リンパ節に少し転移している
ステージ3
腫瘍が筋肉の層を超えて深く浸潤(または臓器の壁を超えて露出)しており、リンパ節転移もみられる
ステージ4
がんが臓器の壁を超えて、まわりの主要な血管などに浸潤しているか、離れた他の臓器へ転移している
監修:孫 苓献
広州中医薬大学中医学(漢方医学)博士・アメリカ自然医学会(ANMA)
自然医学医師・台湾大学萬華医院統合医療センター顧問医師