吹きつけのアスベスト 全国で8万棟に使用か

吹きつけのアスベスト 全国で8万棟に使用か
k10010984851_201705171810_201705171816.mp4
アパートや事務所など民間の小規模な建物のうち、人が吸い込む危険性が特に高い吹きつけのアスベストが使われた建物が、全国で8万棟余りに上るとする推計結果を、国土交通省が初めてまとめました。このうち3万棟は除去工事などの対策が行われていないと見られ、実態の把握を急ぐ方針です。
これは、17日に都内で開かれた国土交通省の会合で公表されました。
それによりますと、全国で平成元年以前に建てられたアパートや事務所など1000平方メートル以下の小規模な建物、およそ130万棟のうち、最大でおよそ6%に当たる8万2000棟に吹きつけのアスベストが使われたと推計され、このうち3万棟では除去工事などの対策が行われないままになっているとしています。

吹きつけのアスベストは、壁や天井などに機械で直接吹きつけられ、むき出しの場合は空気中に飛び散って、人が吸い込む危険性が特に高いとされています。
吹きつけのアスベストが使われた建物は昭和40年代後半から昭和50年代にかけて建設されたものが中心と見られますが、一部を除き、所有者に調査する義務が課されていないため、実際にどの建物に使われたのか把握できていないのが現状です。

このため国土交通省は、所有者に調査と対策の徹底を呼びかけるとともに、人の出入りが多いホテルや飲食店など早急な対策が必要な建物を中心に、実態把握を急ぐ方針です。