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【格闘技】

相手の練習チョッチュだけ 具志堅会長「スパーやってよ」

2017年5月17日 紙面から

エルナンデス(左から2人目)に「ダウンの経験はあるの」と質問する具志堅会長(右)。左はロペス

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 ボクシングのトリプル世界戦(20日、東京・有明コロシアム)で王座防衛戦を行うWBC世界フライ級王者・ファン・エルナンデス(30)=メキシコ=が16日、東京都内で公開練習をした。挑戦する同級1位・比嘉大吾(21)が所属する白井・具志堅ジムの具志堅用高会長(61)が視察に訪れた中、手の内を隠すように約15分の軽めの調整。これに対して具志堅会長が「スパーリングやってよ」などと猛烈に食い下がった。

 「スパーリングやってよ、やらないの!? それ見に来たんだよ!」

 リングサイドに陣取った具志堅会長の甲高い声がジムに響いた。シャドーボクシングなどで、たった15分ほど体を動かしただけで公開練習を終えようとしている王者エルナンデス陣営への猛アピールだ。

 スパーはメキシコですべて終えてきたからやらない、と説明されても「1ラウンドだけでいいから、頼むよ」とたたみかける。さらには帰り際にも追いかけて「あしたは練習やるの? スパーは?」と粘り腰。すべて断られると口をへの字に曲げて「ヒドイね、ヒドイ」とおかんむりだった。

 ここまで前のめりなのは、門下から初の正規世界王者誕生がかかっているためだ。12戦全勝全KOのパーフェクトレコードを誇る比嘉は、高校時代それほど実績がなかったが、具志堅会長が自ら発掘してきた選手。全戦KOで世界を取れば国内初なだけに思い入れもひとしおだ。練習前の王者の会見でも「体重リミットまであと何キロ? ウソでもいいから教えて。ダウン経験はある?」と、具志堅節で質問の嵐を繰り出していた。

 ただ、スパーリングを見られなくてもそこは国内歴代最多のV13を達成した具志堅会長だ。「スパーはパンチの速さを見たかっただけ。シャドーだけでなんとなく分かる。ボクシングはうまいけどハートが弱いと思うね。ウエートもあと2キロと言っていたけど、口が乾いていて減量にも苦しんでいそう。KOで決まりますよ」と、目をギラリと光らせまな弟子のKO勝ちを予告した。具志堅会長の熱意は、比嘉にも伝わって新王者の誕生へとつながりそうだ。 (藤本敏和)

 

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