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僕の人生、変な人ばっかり!

経験から物事を語るように心掛けています。街で見かけて気になった人、有名人、変な体験談、作品評などを書いてます!

【美容院で会話に疲れた】たかが髪型、されど髪型を実感した話

今週のお題「髪型」

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一年ほど前、親友の披露宴で友人代表スピーチという大役を仰せつかった。

参列とは一味違う、人生に何度もないであろう貴重な経験。LINEの友だちが60人未満(……少ないですよね?)の僕にとって、とても名誉あることだった。しかし、そう思う一方で、絶対に失敗させてはならないというプレッシャーで一ヶ月の間、悩み苦しむことになる。

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また、スピーチの作成以外にも悩ましいことがあった。と言うのも、20代後半になって急に白髪が生えてきたのだ(完全に遺伝)。晴れ舞台にはそぐわないみっともなさ。自分で染めてバサバサになったら嫌だし、一時的に真っ黒にするワックス系はスピーチ中の汗が怖いので却下。というわけで、散髪&白髪染めに行くことに。

しかし、また新しい悩みが生まれた。どこに切りに行くか、という問題である。

 

行きつけの美容院に行けなくなった理由

フリー写真 ロードスターのBMW Z4

BMW Z4

中学から大学で東京に出るまでの7年間、通ったお店があった。

東京に行く直前、店長の愛車BMWのZ4(厳密には写真と違います)に乗せてもらい、ミニカーショップへ連れて行ってもらったことを覚えている。僕が好きだったベンツの300SLのミニカーを餞別にもらった。ずっと部屋に飾っていたし、今でも大切に取ってある。

ブラーゴ 1:18シリーズ メルセデス ベンツ 300SL 1954 200-597

メルセデス・ベンツ 300SLのミニカー

しかし、思い出すことはなぜか以下の内容ばかり。

あの時はすみませんでした

――店長が専門学校で講師をしていた時の話で、学長にイライラしたという内容だったと思う。店長としては、やる気ある生徒のために朝早くから学校を開けてほしいという立場。でも、学長は規則を曲げる必要はないという立場だった(はず)。僕はそれを聞いて、
「学長はまあ、間違ってないですよね」

という趣旨の発言をしたのだ。さらっと、しかも上から目線で。
店長「……たしかにそういう考えもあると思うけどね。でも、生徒の気持ちを汲んであげたいじゃん!!」
「あー、たしかにそうですねえ~」
みたいな会話が続いたはずなのだが、今思えば明らかに空気を読めていない発言だった(恥ずかしい)。学長を支持する明確な考えがあれば別なのだが、当時はそんなわけもなく。

店長「……たしかに~」の、この「……」という間をいつも思い出してしまうのだ。

ウッ……

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それでも、お店の皆さんが可愛がってくれていたことは事実で、他にも数々の思い出がある。

でも、ミニカーをもらって以降、一度もお店には行ってない。

価値観の変化

一つ目は実家が近いゆえに、知り合いに見つかるとめんどくさいという極めて個人的な事情。

二つ目。こちらが本命で、散髪に関しての価値観が変わったのだ。

初めて東京の美容室の料金表を見た時、言葉を失った。カットだけで4000円以上。もう、意味がわからなかった。払えるわけがない。探しまくった挙句、ヘアカット専門店に行き着くことになる。今では一般的になったが当時(2007年)はかなり斬新で、

  1.  客→安くて時短で気軽に行ける
  2.  店員→切った人数だけ稼げるシステム&シフト自由
  3.  経営者→美容とは全く関係ない業界の人が思いついた

と、美容師さんと話したことで「これが噂に聞くWINーWINの関係ってやつか!」と日記に書いた20歳の春。


僕は頭の形が悪い。そのせいで、髪を切ってから数日でベストになるが、その状態は三日程度しか持たない。理由は全くわからないけれど、髪が伸びるのも早い。

つまり、日常生活におけるその数日のために数千円の価値を見出せくなってしまったのだ。結果的に、大好きな人達の仕事に対する価値観に隔たりを感じてしまう。それが本当に後ろめたい。
 
悩みに悩んだ。結果、自分で探した美容院へ行くことに。

後悔が深まる

それなりにしてもらったのだが、やっぱり、通い続けたお店に行けば良かった……と思ってしまった。決定的だったのは、
「うわ~。友人代表スピーチなんて絶対嫌ですわ~。めんどくさそ~。そんな友だちもいないですけど。ハハ」
と美容師さんが笑っていたこと。

ああ、この人は合わない、と感じてしまった。

僕の話の本質を理解していないことが一発で伝わったし、そうでないならもっとマシな返し方があったはず。案の定、その後も共感できないことばかりで、気を遣った薄っぺらい会話すら続かず。そして無言へ……。自分の髪のように黒く染まっていく心……(なんちゃって)

カットに黒染めで1万円近く払ったはず。これならやっぱり……と思ってしまったのだ。

正直、めちゃくちゃ疲れた。

 

会話が苦痛で美容院離れする人の気持ちが痛いほどわかった

髪型は、見た目だけの問題ではない。

自分の体の一部を預けるわけだ。それなりのお金も払う。だったら、信頼関係があった方が良いと考える。そして、喋っていて気持ちのよい人に切ってもらいたい……が、それがどれだけ難しいのかもまた理解している。

会話が苦痛で美容室離れする人の気持ちが痛いほどわかった。 

美容師さんからしても同じ気持ちだろう。切った人の意志も伝わるものだと思うし。それを僕も強く認識した。たかが髪型、されど髪型。

 

はあ。。。 

 

スピーチの話へつづく