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法華狼の日記

2017-05-16 上げたのは1日後

[][]tadataru氏は自分の無知さを相手が認めなければ話を聞く気にならないらしい

子供のころに大人のエゴで原爆映画をくりかえし鑑賞させられたというtadataru氏のイデオロギー - 法華狼の日記

「左系はインターネットとの相性よくないよね。なんでだろ」というTogetterを見たら、偽史を信用して日本の戦争加害を否認する人物が発端だった - 法華狼の日記

最近に上記エントリで批判したtadataru‏氏が、また不思議なツイートをしていた。

発端のツイートでは条件を明記していないが、甘粕事件を指摘したmikemaneki氏に対しては戦後日本という条件を後づけしている。

戦後の松本サリン事件を指摘する複数のツイートに対しては、「暴走」という最初の論点からすりかえて応じている。

なるほど、“テロにまつわる冤罪被害者もテロの被害者だから「テロを防ぐための法整備もなおさら必要」”という理屈だけならば、妥当性はともかく形式的になりたたなくもない。

もちろん、その理屈は「暴走した例は見たことがない」という発端のツイートと衝突をきたす。tadataru氏は単純に無知なのではなく、心底から不誠実なのだろう。


ちなみに戦後も日本共産党に対する「暴走」はしばしば起きている。1986年に発覚した日本共産党幹部宅盗聴事件は有名だろう。

日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する質問主意書

1952年には駐在所を警察官が自作自演で爆破した「菅生事件」があり、5人の共産党員が逮捕起訴された。

菅生事件(すごうじけん)とは - コトバンク

桂馬桂馬 2017/05/17 15:01 直近でもこういった事件がありましたね。

【大分県警隠しカメラ設置事件】で拭えぬ疑念と監視社会への懸念 https://goo.gl/Lubb5k

捜査への「使い勝手の良い手札」を増やして運用への監視が機能しなければ、冤罪や強権的捜査は起こり得るべくして起こるでしょうね。
法案の内容からも、政府は素直に「安全のために国民への監視を強める」と言って賛否を国民に委ねるべきです。

hokke-ookamihokke-ookami 2017/05/17 15:07 ちなみに痴漢冤罪に対しては、痴漢から女性を守る必要を語りつつ(これはこれでパターナリスティックですが)、「やりすぎ」を防ぐ必要も理解できるようです。

https://twitter.com/tadataru/status/864241970637545472
>痴漢から女性を守る乗客はもちろん必要なんだが「やりすぎ」を防ぐために「冤罪の可能性もあるので一旦冷静になりましょう」と諭す人も必要な気がする。それかもう完全に車輌を別にするしかないのでは。


桂馬さんへ
>直近でもこういった事件がありましたね。

ええ、ちょうど先月にkanose氏とモトケン氏のやりとりを見ていて思い出した件でした。
https://twitter.com/kanose/status/855806361845641216
kanose氏が「最近」と思ったのは、たぶんこっちの事件との混同じゃないかな、と(苦笑)。

Gl17Gl17 2017/05/17 16:50 ネット上ではかなり憎悪の対象となっている中国の少数民族への扱いとか、イスラエルのパレスチナ政策、あとトランプのビザ問題etcも対テロの暴走といった側面は色濃いと思いますが、とりあえず眼前の論争(共謀罪か)に向けてポジショントークしたい余りに現実と向き合ってないというのか…。

ネット俗情の嗜好でいうと、何故かロシアの民族テロ対応としての抑圧には(国際的批判に反して)余り反発がないのも謎ですけど。

s3731127306s3731127306 2017/05/17 18:43 最近、なんで日本政府(国家権力のことですけど)の加害性が認識できない日本国民が多いのかについて、私は思っていたよりかなり重要だと考えるようになったのですね。おそらく、個々人がただ単に「不誠実」ではないと思ったほうがいい。

例の「帝国の慰安婦」の件で起訴自体を批判した54人のかた、全員を追跡しているわけではないのですが、おそらくほとんど全員が日本政府高官・議員のセカンドレイプ発言をきちんと批判しているわけではないと思うのですよ。それはひまがないとか、誹謗中傷を恐れているからとかではなく、ほんとにそれが加害行為だという認識がない、もしくはうすい。あの人たちは一般人なんかよりはるかに勉強していて学識などなどがある、なのにそうなっている。それはなぜか。
変に思われるかもしれないですが、私はそれは言語と深い関係があると考えています。

最近、以下の記事を書きました。
「梶村秀樹の「未発の契機」――植民地歴史叙述と近代批判――」(車承棋)の紹介
http://d.hatena.ne.jp/s3731127306/20170702/1493956384

ここで、少し引用をします。

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日本人は、あまりにも当然のことではありますが、朝鮮の事を日本語でまず考えるよ引こなる。朝鮮の事にかぎらずすべてを、つまり自分達を或いは世界を日本語によって考える。そして日本語の世界の中で朝鮮の事を考え、何となく日本語を通じて朝鮮のイメージを貯える。僕ももちろん例外ではなかった。それが勉強の過程で、そのようにして日本語で出来ている自分の頭の中にある世界ないしイメージと、朝鮮語によって語られる言葉の中にあるイメージ、世界というものが違うんではないのか、ということに気づいて驚きを感じたわけなんです(19)。
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 日本人は日本語で想像し、朝鮮人は朝鮮語で想像するという、この単純な事実から驚くべき自覚を得ることができたのは、日本語で想像される世界に「朝鮮」を導入したからである。いや、厳密にいえば、日本語の世界に「朝鮮語の世界」を突っ込んで衝突させたからである。
 概念の世界は「母語(the vernacular)」の身体性が蒸発することを要求する。概念的真理はどの母語で発話されるかにかかわらず、同一の真理として認識され、通じなければならないからである。近代的な「普遍的主体」は、このように普遍的な概念的真理を認識することによって、まるで世界を所有しているかのような幻想の上に立っている。これに対して、母語の身体性が自覚されるとき、「普遍的主体」は、たとえばある小さな国の都市周辺で暮らしている一小市民という現実の存在にまで降りてくることになる。梶村は、このような自身の母語が枠づける「限界」を意識しつつ、同一の限界を持っている翻訳不可能な世界に出会おうとしている。自分の頭のなかで、日本語で構成されている朝鮮と朝鮮語の世界のなかの朝鮮が違うだろうということを絶えず意識しながら。」

私はこの部分を読んで心の底からびっくり仰天しましたね。ここ2か月ほど、国民基金関連資料をひろく読んでいて、「なんで元「慰安婦」たちが国家の法的責任の上での謝罪をあれほど求めるのか」という認識を導いた”世界観”を理解できたとき、私は日本政府の加害性に対する認識が一段あがったことを自覚しました。梶村秀樹氏は何十年も前に同じ形式の認識にたどりついて、その先を進んだのですよ。
もしかしたら、「母語の身体性が蒸発」した段階で、自身の他人(この他人というのが互いに完全翻訳不可能な”世界観”をもっていることがミソ)に対する責任というものがその核心部分で消滅する、そういうような深い落とし穴が「近代の普遍的主体性」への道にさけようもなく存在するのではないでしょうか。そういえば、近代国家から現代国家への大きな変化の中に、一強言語から多言語への言語をめぐるさまざまな試行錯誤があったことが思い出されます。

追記:法華狼さんは創作物にある程度くわしいですが、上であげた梶村秀樹氏のたどりついたような認識の転換をあつかった作品をご存知でしょうか。もし知っていたら教えてください。私の知る限り藤子A・F両氏の作品に限れば、せいぜい1歩手前の相互主義ぐらいだったとおもいます。


参考:54人の一覧(そういえば、「帝国の慰安婦」批判者の前田朗氏と阿部浩紀氏、それと最近一部で注目されている遠藤正敬氏は国際法と多国間法制度が専門でした。)
2015年11月26日

賛同人: 浅野豊美、蘭信三、石川好、入江昭、岩崎稔、上野千鶴子、大河原昭夫、大沼保昭、大江健三郎、ウイリアム・グライムス、小倉紀蔵、小此木政夫、アンドルー・ゴードン、加藤千香子、加納実紀代、川村湊、木宮正史、栗栖薫子、グレゴリー・クラーク、河野洋平、古城佳子、小針進、小森陽一、酒井直樹、島田雅彦、千田有紀、添谷芳秀、高橋源一郎、竹内栄美子、田中明彦、茅野裕城子、津島佑子、東郷和彦、中川成美、中沢けい、中島岳志、成田龍一、西成彦、西川祐子、トマス・バーガー、波多野澄雄、馬場公彦、平井久志、藤井貞和、藤原帰一、星野智幸、村山富市、マイク・モチズキ、本橋哲也、安尾芳典、山田孝男、四方田犬彦、李相哲、若宮啓文(計54名、五十音順)

s3731127306s3731127306 2017/05/17 18:53 訂正

阿部浩紀→阿部浩己

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